筏(かせ)黒鯛 四季織々・・

ホームグランドである千葉県 富浦筏(かせ)釣りをメインに日々の戯言を綴る忘備録ですわ。

少し上向きになってきました。

2012年04月25日 | 日記
昨日は久し振りの晴れで初夏を思わせる陽気なれど、夕方から冷んやりとした北風に変わったなと思う矢先に雨が降り出した。
釣行前に願掛けの様にいつもの洗車を御願いしておいたのだが、釣行前の浮き足に文字通り水を浴びせられた格好に苦笑い。
帰宅後、一通りの準備を済ませバルコニーから南の空を見やれば遠雷で時折厚い雲が鈍く光る。

夜半まで降った雨も未明には上がり、白々と明ける空に鳥達のさえずりが心地良い。
この数週間、富浦の海も夏潮に向けた端境で常連、古豪エキスパート方々も皆一様に異口同音、連日相応の苦戦を強いられている。私とて同様2連敗中の体なれど凪確実であろう今日の海に誘われる様に、一時引越しでいつもとは違う眺望なれど釣行当日の朝のひと時、期するものは変わらない。

道中流れる車窓からは前夜の雨露でしっとりと佇む山間も一気に芽吹いた新緑の濃淡、なみなみと水を湛えられた棚田風景を愛でながら本格的な春の訪れを知る。







予定通りの時間に港へ到着すると、既に先客方々が数名。ご挨拶をし、しばし近況など含め談笑。聞けば皆さん同様に当ブログのファン方々だそうで恥ずかしいやら嬉しいやらの心中なれど、拙いながらもブログを介しての情報は基、同じ釣りを愉しむ同志。
魚同様、縁あっての四季織々の邂逅が、釣り場の発展に微力ながら寄与出来るならば幸いだと思う。





日並に誘われたのか平日なれどカセ2艘含め10名。
それぞれの想いを乗せた船は、定刻に舫いを取り凪の洋上を滑るように各人を降ろしていく。







私はいつもの1番筏。
水色もすこぶる良い感じだ。水温は18,2℃。
今日は満潮が午前5時半~干潮が正午の後中潮。タイドグラフ通りならば潮走りも相応になる事は必至。
勝負は早めに掛けたいと願うが、昨今の釣況から察するに釣れ出しは遅いかも知れない事を十分に肝に銘じ今日の釣りの組み立てを思案する。
打ち返すコマセの航跡はゆるりと上潮が右へと流れていく。
仕掛けを入れる頃には足元への追っ付け潮に変わった。カセに入った旧知の常連さんは生簀向かいでの竿出しに分がありそうだ。
早くも3投目で中層にはボラが見て取れる。潮が走り出したら反って逆効果になる事も承知の上、早々に比重の軽いコマセも準備しながら打ち返す事、小一時間ほど。
カセ4番では早々に海津ながら一枚出た。この潮行き、生簀下に潜り込ませればこその一枚に傍目にも納得。
筏での追っ付け潮の攻めの当方。潮は、まだゆったりとした流れ。コマセが効いて来たのか底ではボラアタリが頻繁になってきたが、合間合間でありそうで無いような気配の中、ならばと攻めの組み立てを変えての試みに足元で僅かに竿先に出たアタリにスプールを軽く弾きラインを出し本アタリを待つが・・・・僅か十数秒のインターバルが長く感じる。
送るか・・・利くか・・・一瞬の迷いが先か、竿先は天を仰ぎしっかりと魚信を乗せて小気味良いヤリトリで上がって来たのはちょっぴりスリムな海津32cmに肩の荷が下りる。



まだ釣り始め。
まだまだこれから!あわよくばの助兵衛心中を嘲笑するかの様に次第に潮行きが沖へと走り出す。ボラも相当に活性が高く団子へのタックルも容赦が無い。
底でのボラアタリを避けるのに四苦八苦している所に、11時を過ぎる頃から東風が上がりだす。風向きから言って心配はないものの6~7mは吹いているだろう。
この東風で上潮が滑る上にラインが孕み錘無しの0では仕掛けが浮き上がり思うような
釣りが展開出来ないので5Bのガン玉を噛み付け馴染みを良くするも、昼を回った頃には
底潮が重く左への二枚潮となり、かなり釣り辛い。
相変わらず中層での団子タックルは変わらないが、午後1時半を過ぎ底のボラアタリも少しは落ち着いてきた。
然程黒の気配は感じないが、ボラは中層主体に居る。底は比較的大人しい。
「釣るなら今しかないな」ラスト一時間に気を入れ直し手返す。東風は収まらない。
四方手を尽くしたがタイムアップ。

迎えの船に乗り帰港。
各人に釣況を聞くと、場所によって区々な様子の中、今日の殊勲は3番筏に乗った方が
見事50cmを仕留めた。釣り上げた時間はやはり8時半。
カセ2番に入ったお二方には海津3枚とメジナ。カセは朝から餌取りも無く、ましてやボラも皆無で諦めかけた午後2時以降に食いが立った様で有終のえびす顔。

今日は全体で35cm~30cmの海津が0~4枚。

少しずつではあるが、ようやく端境も抜けそうな気配の富浦の海。今の所水温水色共に
良好です。今週末から始まるGWに照準を合わせている方も多いと思いますが、どうか良い釣りをお楽しみください。















雨音はショパンの調べ

2012年04月23日 | 日記


一時仮住まいへの引越しの荷解きもそこそこに、ようやく今日ネット環境が整いました。
先週来ずっと愚図ついた空模様にウンザリしながらも社業に勤しみ合間を見て家の片付け等々、粛々と進めています。
引越し先はBAYではなくHILLS。
海は一望出来ないけれども高台にあるので眺望は良しなれど、カラダが潮っ気を欲している。今週は海に出ないと・・・
家人の顔色伺いつつ虎視眈々。







BON VOYAGE !

2012年04月16日 | 日記








全くもって良い所の無かった昨日の富浦。
水温13℃、潮色笹濁り。潮は朝はモヤモヤの与太潮~徐々に重く速い泣きの飛び潮に加えて、予報に反して午前の早い時間から北北東が上がり始め、ウネリで剣もほろろ状態の中、終日翻弄され一日が終ってしまった。
日曜日とあって新旧織り交ぜて賑わいを見せたのだが・・・残念ながら見事なまでに全員釣果無し。



帰路は帰路で日曜と言う事である程度は覚悟をしてはいたが、近郊にオープンしたアウトレット・パークの影響をモロに受けた格好で、アクアラインと館山道~京葉道は共に20数キロの大渋滞。

釣りも道路も年にそう何度と無い境遇に参り疲れた一日でした。

替わって今日~明日と二日間は引越しです。



10数年に渡り住み慣れ親しんだベイエリアを離れるのは少しばかり淋しいですが、それも数ヶ月の間です。

一時引越しにあたり、些細な手続きの手違いで新居でのネット環境が整うのが来週の月曜日となるようです。
それまで皆様も良い釣りを!


一期一会 ~ 釣れなくても得るものはあり

2012年04月13日 | 日記


先週来予定を組めば尽く海況が落ち着かず見合わせ燻っていた。
今週に入りようやく凪が期待できそうな金曜日に富浦へ行ってきた。
洋上でもようやく春を享受出来る日並にも恵まれ、ウインドストッパー程度のアウターで事足りる春の日がな一日。



朝モヤのかかる館山道の山間のそこかしこに見て取れる満開の桜、水を湛えた田園風景を愛でながら移ろう季節を知り気持ちも潤う。
しかしながら、乗っ込みもとうに終焉の端境期に加えてこの数週間、三寒四温の天候は基、食い渋りに翻弄された釣人も多いと聞いている。
あろう事か富浦では、沖の定置網で乗っ込み後発の新群れの黒がごっそりと獲られてしまった。その数おおよそ数千枚、t単位での漁獲だったそうだがここ最近の富浦における魚薄に起因しているものとは思いたくないが、認識としては心得ておく事も肝要だろう。



予定時刻に港に到着すると、昨夏に何度かお会いした事がある方がいらっしゃった。
別段それだけの事なのだが、同じ年頃、同じヘア・スタイルにはじまりインテリジェンスを感じさせる物腰の柔らかさ、釣りに対する真摯な姿勢にも共感を覚えていた私は、この間も
時折「フっ」と脳裏をよぎるかの様なシンパシーを感じていた方なので、当地での再会には嬉しいものがあった。
普段は海外に赴任されている方なのだが、一時帰国の途に着くや否やの富浦詣に是非とも華を添えて頂くべく願い定刻になり舫いを取り、凪の洋上をいつもの1番筏へ。





今日は満潮が7時半~干潮が15時の小潮。
潮色はやや緑がかった笹濁り。水温は昨日より上がり15℃との事。
釣り始めは上潮が相応強く沖へ、底潮は殆ど動いていない。
朝一から午前10時頃までは打ち返すも気配すらないが、こんな時こそリズムを崩さずテンポ良く前向きに攻め続ける。
この頃になり予報では無かった真北の風が上がってきて背後からのウネリも相応。
一時は早上がりも覚悟したが、じきに落ち着く事は解っていたので続行。
潮は風で滑る上潮に加えて中層は大房向かい~足元への追っ付けになったり底潮は動かずかなり攻め辛い状況なれど、徐々にではあるがジャミや餌取りが出てきた。それにしても目まぐるしく刻々と変わる潮流れだ。

昼を回る頃になりようやく風も落ち着いてきた。
沖上がりまでの残り二時間強に全ての照準を合わせ、間延びした自身のコンセントレーションを整える。小うるさいヒイラギをやり過ごし、底が大人しくなったな・・と感じた。
気配と言えばそうかも知れないし、何も無いと思えば何もない。しかし得てして相手はこんな時に突然来るもの。出会いがしらに思えて実は海底付近では遠巻きに様子見をしているであろう黒を、仕掛けを打ち返す手探りの妙。自身の技量は拙いが、デカイのが「居る」と思い込めるだけの器量は持ち合わせていると思いたい。
この間、25、6cmクラスのへダイ数枚と戯れる。
来そうで来ないもどかしさにも似た気持ちだが焦りもない。
突然、穂先が「・・ぶ・ぶわゎ・・す・ススー・」と入る。「・・っ!」一瞬気後れしての大合わせ
に、魚は目一杯の翻りで底をノして行く。「・・っグ・・ゴンっグっゴン・・」と首を振る、そして
走る!一瞬ノされるが、立ち上がりリフトアップにかかり頭がこちらに向いた瞬間、再び疾走。
「デカイぞっ!」自身に言い聞かせる。掛け合わせの一瞬の気後れを自嘲する余裕もあったが今はこの魚を獲るべく冷静を努めるが、そのやり取りは先手後手を繰り返す攻防。
ようやく底から剥がし浮かせにかかる途中も首を振る重々しさに黒を確信。再び疾走するのを竿で矯め再び巻き上げようとした瞬間・・・均衡を保っていたラインのテンションが無くなる。
針にはしっかりと黒の口周りの鱗。してやられたり!
どちらにしても口周りに針掛かった魚はそう易々と獲れる訳もないし、獲れたとしても果たしてどうなのだろうと負け惜しむ嘲笑。
口にしっかり送り込み掛け合わせるが正論。魚は餌にジャレて摘んでたまたま口周りに針掛かりしビックリして翻った際の穂先に出た舞い込むような本アタリだったのだろう。
いずれにしても一枚も二枚も上手だった老練な魚に感謝。いつかは仕留めるだろう。

ほんの数十分の間、静かだった海は再びヒイラギに邪魔をされつつもへダイと戯れ釣りを終えた。
富浦は先述した通りの厳しい状況だが、それでも魚は居る。
闇雲にただコマセるだけではなく、潮筋や流れを読み、コマセで誘い呼び込みその気にさせて喰わせるという一連の流れが立証出来ただけでも得るものはあった。
この日全体では2番筏で一枚が唯一の釣果だった。
魚も人も一期一会の縁。これからも大切にしていきたいと思う。







桜雪

2012年04月09日 | 日記


昨日の事。
無事に近親者のみでしめやかに49日法要を終えた。
季節は春本番目前の陽気に満開の桜の咲きっぷりがまるで雪のようだ。



あと数日もすれば、桜吹雪となって散ってしまう儚き花夢に世は刹那の如し夢うつつ。
毎年の様に乗り遅れてしまう自身の体を自嘲しながらも、今年も春が来た。

今日はかねてから粛々と進めてきた件の候補地の下見。
拙宅からそこそこの距離でロケーション重視、尚且つ故人の意思希望も十分に汲んだ場所を見つけた。
当初予定していた近隣ベイエリアは、全く持って役に立たない区役所員のミスで最終的には頓挫の憂き目に。
怒り心頭なれど、これぞ怪我の功名。
この数週間、我ながら良くぞ探し当てたものだと、今日ここへ来るのを楽しみにしていた。



拙宅から高速に乗り程なく、下総の丘陵を抜けると一面に広がる山間の中にそこはあった。



新緑には些か早いが、朗らかな陽光も手伝って周辺の草木も一気に芽吹き、まさに樹木も春の宴の如く濃密な芳香を辺り一面に漂わせている。



メタセコイヤの樹の回廊をくぐり抜けるように、まるで洒落たカフェの様な管理棟へ着く頃には「ここだ!」と思うのと同時に、ストラディバリウスの音色とモーツァルト、花鳥風月をこよなく愛した故人に最大限の敬いの念を抱かずには居られなかった。






事前に電話で簡単な確認等はしておいたが、百聞は一見にしかず。
申し込み手続きをして、彼の地を後にして向うは倅の初節句の兜を買いに行く。



なんせ15、6年振りの事だが、過日目星を付けていた物を買い求め帰宅。



西日差す東京ベイを見渡すテラスにて様々な思いの交錯する休日の1コマ。