栗太郎のブログ

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「桃太郎」 芥川龍之介

2007-09-16 17:36:33 | レヴュー 読書感想文
芥川版桃太郎。
http:// www.aoz ora.gr. jp/card s/00087 9/files /100_15 253.htm l
(※著作権が切れてますので、掲載自由です)
はてさて。
ここには、世間に広く語り継がれた正直で優しく勇敢な桃太郎はいませんのでご注意。

なんとも、働くのが嫌なグウタラ桃太郎。
でもって、そんな桃太郎に愛想を尽かしてた爺婆。
立派な衣装を拵えて、体よく厄介払いした格好で鬼退治に出かけて行くんである。

そこへ、黍団子欲しさに渋々付いて来た犬や猿や雉。
しかも、三つ巴でいがみ合う最悪の連中。
桃太郎の「鬼ヶ島には宝があるぞ」の言葉に目の色を変える現金な奴ら。
みんな、浅ましいほどに欲の皮がつっぱらかっているのだ。

しかし、その標的にされた鬼たちは、実は平和を愛する享楽的は種族。
恐ろしい生き物というのは、人間側が勝手に思い込んだだけだった。

そんな鬼の住処へ侵略し、極悪非道の悪行三昧をつくす桃太郎主従。
ひれ伏す無抵抗の鬼たちから、宝物一切を持ち帰り得意満面。
まさしく、鬼から見たら人間こそケダモノなのである。

しかし。

おかげで鬼の恨みを買っってしまうのだった...。
こうして恨みの連鎖は続いていく予感。


おいおい。
なんだか、元を質せば人間こそ罪深いんじゃないのかい?
なんとも当時の時代風刺だというけれど、えげつないよ。
上目使いにニタァ~とほくそえむ悪党・桃太郎、かあ。




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