先に読んでみた原作小説は、舞台が九州で、映画と同じように焼け没栗に火の付いたいとこ同士の濃厚セックスの世界。東日本大震災を他人事に描いているのは不満だったが、富士山を女性に例え、セックスに没入してしく男女をそれに重ねる表現は上手いなあと思った。
映画は、瀧内公美の自然体は魅力的だけど、ただ禁断のセックスに溺れるふたりなだけだった。せっかく震災の現場である東北に舞台を代えたのに、そのアドバンテージを活かしきれていない。セックスがしたくてセックスしか考えられないってのは、ある。だけど、何でタイトルが「火口」なのかの意味が映画には感じなかったのは残念。
満足度10点満点中4★★★★
火口のふたり (河出文庫) | |
白石 一文 | |
河出書房新社 |
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