栗太郎のブログ

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チベット巡礼の旅(6) 成都、パンダ基地

2019-05-07 18:06:33 | 見聞記 箱根以西

旅行5日目。

7:00にロビーでNさんと待ち合わせ。
ラサ川越しのポタラ宮とお別れが、寂しさを誘う。



高速に乗ると、西の空にはまだ月が残っていた。



8:00過ぎに空港着。
ここでNさんと別れ際、お世話のお礼に『チベット 指さし会話帳』をプレゼントした。チベットガイドをイラスト付きで日本語で紹介してある、見ているだけでも楽しい本。少しでもお役立てれば。

搭乗手続きは窓口がいくつかあるが、パスポートのみでOKだった。航空会社はいくつか乗り入れてあるみたいだが、全部一括で処理しているのだろうか。セキュリティだけは厳重で、靴まで脱がされたのには驚いた。

成都空港には11:30に。
着陸するやいなや、まだ飛行機が動いていようが、周りの中国人はすぐにスマホの電源を入れ、電話を掛けだした。ああこれが僕の認識していた中国人だ。ぱっと見、近くで6人はしゃべっている。いたるところでピロピロ鳴ってるし、ここではそれがスタンダートなんだろう。
空港では、パンダ像がお出迎え。中国に来た感をひしひしと覚えながら、パンダはこれで我慢しようと気を静めていた。


12:10。空港出口でSさんと合流。

真っ先に、翻訳アプリでもう現金がないことを伝えた。するとSさんは「ダイジョウブ、ダイジョウブ」という。
「いや、お金がないので予定してた観光はお願いできないんですよ」と伝えると、「ダイジョウブ。オカネ、アトデOK」。
どうゆうこと?と聞くと、Sさんはみずほ銀行新宿支店に個人の口座をもっているんだとか。帰ってからそこに振り込んでくださいと言ってきた。日本の銀行に口座を持っていることも、素性が知れているとは言え日本人を信用していることも、あっけにとられながら、諦めていたパンダが観れることに気持ちは踊った。車は、僕の返事を待つまでもなく、すでにパンダの待つ郊外へと走っていた。

気が楽になったので、周りの景色をゆっくりと眺めた。初日は深夜だったし、二日目の朝は早かったのでそんなゆとりはなかったのだ。空港の近くには、車メーカーのディーラーがずらりと並ぶ。それも、ベントレー、リンカーン、ポルシェ、マセラッティ、、、各国の高級車メーカーの大きな建屋ばかりなのには正直驚いた。成都はそれだけ金持ちがいるってことだ。聞けば、成都の人口は1500万人もいるという。地方都市でありながらその市場規模にたじろいだ。

成都の街の交通事情は、中央から放射状に郊外に道筋ができているうえに、いくつもの環状線がぐるりと囲んでいる。まるで都内の山手通り、環7、環8などと同じようなのだが、どれも片側4車線以上で信号がない。当然料金はないうえに、どのジャンクションも首都高のように合流が基本になっている。だから、交通量は多いのだが、流れがスムーズで楽々移動することができている。渋滞がないというのは、1日の行動範囲が広がるわけで、その分経済だって回っていく道理だ。

とにかく驚くのは、道路からいくつも見えるマンションが細長く、べらぼうに高いこと。その塊がどれだけ走っても方々に点在していて、どれだけ人が住んでるんだよ、ってビビる。



郊外に目をやっても、まるでいたるところに武蔵小杉が存在しているような遠景。



平山郁夫画伯の絵から受けていた成都の印象とは、まったくもって別世界だった。都市計画は整然としている印象をうける。マンションの建て方を見ると、まるで竹藪のようにニョキニョキと向きも位置もガチャガチャしているように見受けるが、熱烈な人々の生活力は感じてくる。これがかつて蜀と言われた山奥か?立派な大都市だ。これなら経済で中国が脅威となるのは当然だと、ちょっと怖気づいてしまった。

そうやって僕がわあわあ驚いているうちに、13:00すぎ、成都パンダ繁育研究基地に着いた。通称、パンダ基地。
入り口前の道路は、混雑している。Sさんは、「ツーアワー、サーティーミニッツ、アフター。ヒア」と言って車から降りるように促してきた。ここで?ここからたった一人で?、と慌てつつ、Sさんの指さす入場ゲートを確かめながら、財布とスマホを握りしめて外に出た。にっこり手を振りながら走り去るSさんを見送りつつ、この孤独もまた楽しからずやの心境へと切り替えた。

よく見ると、入口のデザインはパンダ。



さあ入ろうとして気が付いた。子供連れや学生カップルがやけに多い。今日は日曜日だった。



中の自販機までパンダになっている。



なんて書いてあるのかわからないので、イラストから推量するしかないが、パンダの数、多すぎやしないか?、とこの時点では思ってた。いるんです、僕が知らなかっただけで。

 

なんとなく人の流れに合わせて先に進む。

全体が広大な竹林になっていて、網の目のように遊歩道が張り巡らされている。
目の前で、柵沿いに人だかりができていた。



皆の視線の先を見ると、一頭のパンダがだらっとしていた。僕自身、初生パンダ。
ほう、いたいた。とつぶやきながら頬が緩む。



また人だかり。おお、いたいた。



今度はどこに? お尻だけか。



成年パンダは竹林でほったらかしだが、青年(sub-adult)パンダと幼年パンダは檻の中で飼育。



これぞ、やさぐれパンダ。



レッサーパンダ(小熊)はタヌキみたい。



この木の上で、三匹のレッサーパンダがだらけています。



レッサーパンダ、けっこう多し。



どのパンダもほとんど動きがなかったが、このパンダがもさもさっとお尻を上げだしたので、動画の準備。



この先はレア動画ですが、お食事中の方の閲覧はご遠慮ください。どうしてもなら自己責任で。





嫌なことがあるなら話を聞くぞ?、って声を掛けたくなってくる。



ここが一番人垣が多かったが、それも当然で子パンダが二頭じゃらけていた。





今日一番の密集地帯。





と、もしかしたら撮り損ねた分を含めても20頭近くのパンダ。時計を見ると、2時間を過ぎていた。なるほどしっかりと園内を歩けば、Sさんの言った2時間半は、ちょうどいいのだわ。しかしまあこの日の暑いこと。涼しかったラサとは打って変わって29℃もあった。まるで夏じゃないか。そこで2時間も歩き回ったのだから、さすがに疲れた。


Sさんとは時間通りに無事合流し、一旦ホテルへ向かうことにした。
金沙遺址博物館の黄金のマスクは、この時点で諦めた。


(つづく)



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