栗太郎のブログ

一人気ままな見聞記と、
手づくりのクラフト&スイーツ、
読書をしたら思いのままに感想文。

運慶展@東京国立博物館

2017-11-25 17:33:25 | 見聞記 関東編
ホトケ様の造立にたずさわる者を、仏師という。この職種を名乗った一番古くには、法隆寺の釈迦三尊像を造った止利仏師がいる。平安も中期になると、藤原道長から依頼されて宇治平等院の阿弥陀座像などを手掛けた定朝(不明-1057)が現れる。その流れが、院派、円派と呼ばれる仏師集団で、どちらも京都を拠点に活躍し、貴族に好まれる柔和なホトケ様を造っていた。おなじく定朝の流れのなかで、奈良を中心に活躍していた奈良仏 . . . 本文を読む

「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」@国立歴史民俗博物館

2016-08-26 14:12:01 | 見聞記 関東編
ひさびさに、佐倉の歴史民俗博物館、通称レキハクに行ってきた。「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」。巡回展のこの展覧会は、このあと9月にはいってから江戸東京博物館でも開催される。だが、あそこの客層はあまりよくないので、遠くても佐倉まで足を延ばしたのだった。とにかく展示された品数の多さに驚く。その数300余り。そのすべてがシーボルトが日本から持ち運んだものだ。絵画や工芸品は言う及ばず、歯磨き粉や薬袋 . . . 本文を読む

「生誕140年 吉田博展」@千葉市美術館

2016-04-28 00:32:09 | 見聞記 関東編
表題の人、吉田博は、明治後期から昭和にかけて描かれた「新版画」の絵師として活躍した。江戸時代の浮世絵に比べれば格段に技巧を凝らした「新版画」は、はじめて見る者にとってはそれが版画であることに衝撃をうけるほどの完成度で、川瀬巴水などが有名だ。さて、そこまでは既知であったが、吉田の版画を一堂に鑑賞できる機会というものがあると知り、興味津々、千葉まで出掛けたのでした。いつものように宇都宮線で都内に出て、 . . . 本文を読む

「始皇帝と大兵馬俑展」@東京国立博物館

2016-01-28 21:33:46 | 見聞記 関東編
紀元前221年。それまで群雄割拠していた今の中国を初めて統一したのが、辺境の小国・秦だった。そして、王であった�魂政(えいせい)は、初めて「皇帝」の称号を名乗り、ここに始皇帝が誕生する。まさしく、First emperor。日本など、まだようやく弥生時代に入ろうかという時代のことだった。今、上野の東京国立博物館で、その始皇帝の大事業を紹介した特別展『始皇帝と大兵馬俑展』を開催中。友達 . . . 本文を読む

「みちのくの仏像」展 @東京国立博物館

2015-03-06 18:50:36 | 見聞記 関東編
先日の土曜日。東京国立博物館で開催中の「みちのくの仏像」展に行ってきた。本館入り口に展示してあったのは、かつて岩手県立高田高校で使っていた「実習船かもめ」。東日本大震災で被災し、2年後にアメリカ・カリフォルニア州で発見されたらしい。今回の会場は 本館入って正面の奥。平成館を使うほどの出展数ではないようだ。今回の音声ガイド、ナビゲーターは薬師丸ひろこ。「あまちゃん」の縁、か。会場に入ると、天台寺の聖 . . . 本文を読む

「日本国宝展」 @東京国立博物館

2014-12-10 20:21:41 | 見聞記 関東編
ぱらっぱらっと小雨降る、11月はじめの土曜日(つまりひと月前のことです)、行って来ました東京国立博物館。「日本国宝展」が、開催されていました。のんびりと10時ごろに着き、いささか並んで平成館へ。チケットを出し、エスカレーターを上り、まずは音声ガイド。今回のナレーションは竹下景子さん。最近の僕は、日曜日の帰宅時間がだいたい夜7時すぎで、たいてい車中でNHKのAM放送「新日曜名作座」というラジオドラマ . . . 本文を読む

越後の旅(6) 越後一之宮、弥彦神社

2014-11-05 00:30:22 | 見聞記 関東編
越後国の一之宮、弥彦神社に着いた。古くは「やひこ」ではなく「いやひこ」といい、万葉集にも幾首か詠まれている古社である。ナビを頼りにたどり着いてみたら、神社手前の駐車場には車がびっしりと止まっていた。正月でもあるまいに、参拝者がこんなにいるのか!と驚いたが、実は隣接の競輪場へやってきた人たちの車だった。車券片手に神頼み?神社の脇にギャンブル施設があるってどうよ?と思うが。参道では、11月に行われる菊 . . . 本文を読む

越後の旅(5) 西生寺の即身仏

2014-10-31 03:37:51 | 見聞記 関東編
西光寺を出て、出雲崎、寺泊を通り過ぎて、弥彦山に向かった。正面が弥彦山。南側から。向かう先は、弥彦山の南面、海寄りの中腹にある、西正寺。今回、西だ、正だ、そんな字の寺が多くて戸惑ってしまう。曲がりくねった山道はアップダウンを繰り返し、ようやく寺に着いた時には、ちょっとした窪みのような場所にもぐりこんだ感覚。天平5年(733年)、行基菩薩によって開山されたという、真言宗智山派の古刹である。石でできた . . . 本文を読む

越後の旅(4) 木喰仏 西光寺

2014-10-14 03:15:12 | 見聞記 関東編
角栄さんで有名な、柏崎市西山町。ここの真言宗の寺院、西光寺にも木喰仏がある。お寺の本堂というよりは、地区公民館のような印象。木喰仏を世に知らしめた功労者・柳宗悦は、大正13年(1924)に木喰仏探訪でこの辺りにやってきた。しかし、ここ西光寺の十二神将像はその時に発見されることはなかった。それもそのはず。のちの昭和4年(1929)、本堂屋根の葺き替えをやっているときに、偶然、内陣の天井裏から出てきた . . . 本文を読む

越後の旅(3) 木喰仏 寶生寺 

2014-10-07 20:46:37 | 見聞記 関東編
つぎに訪れたのは、長岡市白鳥町にある寶生寺。玄関で案内を請うと、住職は外出中なのか、奥様が応対してくれた。木喰上人が、この寶生寺を訪れたのは、文化元年(1804)夏のこと。(この年、享和から文化に改元されているので、享和4年と同じ年。つまり、真福寺を訪れたあとに立ち寄ったわけだ)境内にあったイチョウの木を見た(いや、見初めたと言ったほうが正しいかも)上人は、西国三十三観音像を彫らせて欲しいと願った . . . 本文を読む

越後の旅(2) 木喰仏 小栗山木喰観音堂

2014-10-04 22:12:21 | 見聞記 関東編
真福寺から山を越えてまた小千谷に戻ってきた。町を抜け、駅前を通り過ぎ、金倉山の下にある、小栗山(こぐりやま)の木喰観音堂へやってきた。1分の遅れなく、約束の10時きっかり。絶妙、というよりは、ヒヤヒヤものの到着だった。すでに、案内役の世話人さんがお堂を開けて待っていてくださった。気さくな方で、終始にこやか。まずは、どうぞ中へと招き入れられると、お堂の正面に立つ、一際大きな如意輪観音さまに釘付けにな . . . 本文を読む

越後の旅(1) 木喰仏 真福寺の仁王さま

2014-10-01 02:53:26 | 見聞記 関東編
J君は、僕に会うと必ず「今度どこ行く?」と聞いてくる。かれこれJ君とYちゃん(J君の彼女)と三人での旅は、もう恒例行事になってきているからだ。だから三人が集まると、話題は決まって旅の話になる。ひとりでの旅は気楽だが、三人は三人でなにかにつけ相手がいるので飽きないのがいい。去年秩父に行ったあの日、本当は新潟に行って木喰仏を見て歩く予定だった。前日の天気予報で積雪だと知り、急遽変えたのだった。僕は、6 . . . 本文を読む

「弥生ってなに?!」@国立歴史民俗博物館

2014-08-14 21:23:01 | 見聞記 関東編
先日の土曜日。佐倉の国立歴史民俗博物館へいってきました。目的は企画展示「弥生ってなに!?」。そしてこの日。昼過ぎ1時から、歴博講演会。第368回目のこの日のお題は、展示内容に合わせて「弥生ってなに?!」。講師は、副館長・藤尾慎一郎氏でした。まずは、「弥生」という括りがあまりにもザックリしているので、歴博HP上にある、その講演の開催趣旨を下記に引用します。紀元前10世紀に九州北部で水田稲作が始まって . . . 本文を読む

時宗の総本山、遊行寺へ

2014-05-29 03:25:42 | 見聞記 関東編
・・・・とタイトルで書いているので行っているのだが、実は、はじめの目的地は川崎大師だった。この5月いっぱい、川崎大師では、10年に一度のご開帳。それにあわせて、ご利益いっぱいの「赤札」も配られる。で、カミサンと太郎ちゃんを誘って、いそいそと出掛けてみたのだが、これがびっくりするような大行列。「最後尾」のプラカードをもった警備員のおじさんに聞くと、ここからぐるっと向こうのほうまで続いているという。そ . . . 本文を読む

秩父を訪ねて(5) 和銅遺跡

2013-12-26 02:50:20 | 見聞記 関東編
時は、元明天皇の御代、慶雲5年(708)正月。我が国にてはじめて発見された自然銅が献じられ、喜んだ帝は、年号を和銅と改め、和同開珎と称する日本初の流通通貨を発行した。教科書でも有名なこの慶事の現場こそが、かつての秩父郡黒谷村、現・秩父市黒谷(くろや)。秩父の町の北東の山中だった。元明天皇といえば、天智天皇の娘で、草壁皇子の妃で、聖武天皇の祖母。夫である草壁皇子が皇太子でありながら早世したために、息 . . . 本文を読む