栗太郎のブログ

一人気ままな見聞記と、
手づくりのクラフト&スイーツ、
読書をしたら思いのままに感想文。

2021劇場公開映画 マイベスト10

2021-12-31 19:56:40 | レヴュー 映画・DVD・TV・その他
今では、このランキングをまとめるくらいしかブログを書かなくなって久しく。劇場に足を運んでの映画鑑賞、コロナ禍の今年は合計109本。こうしてランキングをつけてみると、どうやら近年の傾向はミニシアター系ばかり。画面に出てくる若者に限らず、いい歳とってからこその役者たちの表情から読み解く感情の揺らぎに、とても心揺さぶられたような一年でした。1.猿楽町で会いましょうたまらなく切なくて仕方なかった。若い役者 . . . 本文を読む

2020 劇場鑑賞映画マイベスト10

2020-12-31 19:50:17 | レヴュー 映画・DVD・TV・その他
今年は言わずもがなのコロナ禍による自粛、自粛、自粛。劇場で観る映画も減って、年間119本(前年比ー51本)。他によく観たのはネット配信によるドキュメンタリーでした。来年もこの状況が続くであろう中、対策万全で楽しく映画を観たいものです。ということで、今年のベスト。(もうブログではこれくらいしか書いてませんけど)❶ 悪党 加害者追跡調査 2時間半、2時間半、の合計5時間ぶっ通し。当初の不安はどこ . . . 本文を読む

2019 劇場鑑賞映画マイベスト10

2019-12-31 16:51:45 | レヴュー 映画・DVD・TV・その他
本年、劇場鑑賞した映画は170本。1.最初の晩餐 スロースタートでじんわりじんわり物語は進んでいき、佳境に入ってもギヤはトップに入らない。時々ドタバタはあるが、総じて淡々と物語は進んでいく。その過不足のない匙加減が見事で、気が付くと琴線を刺激されていて、こちらはとめどなく涙がこぼれ出てこらえきれない。それはひとえに、役者陣の技量のたしかさゆえの心地よさ。そして出しゃばらないカメラの絶妙なるアシス . . . 本文を読む

「斬」 綱淵謙錠

2019-10-31 00:16:51 | レヴュー 読書感想文
江戸時代から明治にかけて、刑場において「首切り」を専門に行ってきた山田浅右衛門の物語。当主の名は代々受け継がれ、幕末は7代目を吉利、その跡を長男吉豊が8代、三男の吉亮(よしふさ)が9代を継ぎ、明治の代となる。明治12年の高橋お伝の処刑をもって、200年続いたその家業を廃した。(ただし、この小説の中では明治14年の処刑をもって最後としてある) 家職小説仕立ての進行でありながら、関係する事件の詳細を記 . . . 本文を読む

「火口のふたり」白石一文

2019-09-02 03:29:14 | レヴュー 読書感想文
先に読んでみた原作小説は、舞台が九州で、映画と同じように焼け没栗に火の付いたいとこ同士の濃厚セックスの世界。東日本大震災を他人事に描いているのは不満だったが、富士山を女性に例え、セックスに没入してしく男女をそれに重ねる表現は上手いなあと思った。映画は、瀧内公美の自然体は魅力的だけど、ただ禁断のセックスに溺れるふたりなだけだった。せっかく震災の現場である東北に舞台を代えたのに、そのアドバンテージを活 . . . 本文を読む

「海炭市叙景」 佐藤泰志

2019-08-03 18:18:54 | 見聞記 栃木編
「そこのみにて光り輝く」「黄金の服」等の佐藤泰志。自死したのちに評価されるのも皮肉なものだが、むしろそんな人生を選んでしまった繊細さゆえの作品の気高さかとも思ってみる。架空の町、海炭市。そこに住む人々の暮らしを丁寧にあぶる。モデルはまぎれもない函館市だが、廃鉱やらもう少し肉付けをされていた。寂れていく旧市街と、無機質さを覚える郊外の開発地の対比が、時間や貧困や親子の対比と妙にシンクロしている。重松 . . . 本文を読む

「渦」 大島真寿美

2019-08-03 17:48:12 | レヴュー 読書感想文
5月、国立劇場での文楽「妹背山婦女庭訓」鑑賞に合わせて読みだしたこの本。先日、直木賞にも選ばれている。「妹背山」の作者近松半二の人生をたどる物語。半二の人形浄瑠璃にかける思いはもちろん、当時の上方の演芸事情も垣間見れて興味は尽きない。文楽好きには必読。しかし、心なしか爽快感や達成感がない。何とか漕ぎつけた、という印象が強い。だから、直木賞と聞いたとき、ちょっと意外だった。題材の新鮮さはあるが、これ . . . 本文を読む

「夫のちんぽがはいらない」 こだま

2019-08-03 17:14:14 | レヴュー 読書感想文
あとがきを読みながら、目には涙が溜まっていた。タイトルを見ればただのエロコメディのようだが、この夫婦にとっては大真面目。笑いの要素は一切ない。卑猥な感情も膨らんでこない。ただ、ただ、この二人の人に言えない20年来の悩みに寄り添ってあげることしかできない切なさしかない。どこが人と違うのか悩み、足掻き、壊れ、さまよい、そして長い時間をかけてようやく解放されて。どん底を経験したからこその力の抜けた文章は . . . 本文を読む

ひとりで気ままなぶらり旅へ。

2019-07-10 03:26:19 | 見聞記 箱根以西
5月。チベットだけでは物足りない僕は、ほぼ何も決めず一人旅に。ただ、結果的にひと月以上というあまりにも長い旅になった。それを全部いつものようにまとめることは、途方もないことになってしまうために躊躇。そこで1日ごとの旅程をまとめたノートを並べて報告とします。5/14~6/16 34日間。トータル走行距離7300km。1日目 宇都宮→安曇野→糸魚川→小矢部泊2日目 倶利伽 . . . 本文を読む

チベット巡礼の旅(8) 成都、朝の散策

2019-05-09 05:14:06 | 見聞記 箱根以西
旅行6日目、最終日。もう今日はお金もないので、ホテル周りの散歩と決め込んだ。朝の8:00前に行き先も決めずにぶらりと出て、川沿いの遊歩道をのんびりと。一環路という大きい通りにでれば、出勤ラッシュ。青羊宮。道教の始祖、老子が青い羊を連れて通ったという伝説が残る道教寺院。外から見るだけです。その脇にある門から入ると、緑豊かな文化公園。中では太極拳で体を動かしている老人たち。また通りに出て、大きな交差点 . . . 本文を読む