栗太郎のブログ

一人気ままな見聞記と、
手づくりのクラフト&スイーツ、
読書をしたら思いのままに感想文。

チベット巡礼の旅(7) 成都、武候祠

2019-05-08 02:35:58 | 見聞記 箱根以西

ホテルから武候祠へ。
車中より、成都の街並みを楽しむ。

 17:00前に武候祠の入り口に着くと、Sさんは車内の小銭を物色し、僕に20元くれた。これで残金90元ちょっとになった。
交差点には、大きな壁がある。この奥に劉備玄徳と諸葛亮孔明が祀られているのだ。



「三国聖地」の大きな石碑。



入場料は50元。正面入り口の額には「漢昭烈廟」とあった。劉備玄徳のお墓という意味。
僕が到着した時刻は遅いような気もしていたが、まだまだ人はあふれており、入口には若者も多い。このとき、やはり若者にとっても三国志は中国の自慢なのだ、と思っていた。



廟は、入口から真っすぐに並んでいる。まずは劉備玄徳の廟。「業紹高光」の額は、前漢の高祖劉邦(高)や後漢の光武帝、劉秀(光)よりも、業績は優れている(業紹)という意味だそうだ。



龍をあしらった香炉が重々しく、いい雰囲気。



龍もね、なんか本物感を感じちゃうわけ。ここにあるだけで。



全長3メートルの劉備玄徳像。全身に金箔を張ってあるのでまぶしく輝いている。



その奥が武候祠。額にある武候とは諸葛亮孔明のこと。
右の柱に「三顧頻煩天下計」、左の柱に「一番晤對古今情」とある。「三顧・・」は杜甫の詩から。三顧の礼をもって迎えられたのは天下のため、この対面は古今に伝わる美談である、の意味。その先には「出師表」とか、諸葛亮孔明に関わる言葉が掛けてある。



案内板をみて気づいたが、日本では「孔明」の呼び名で呼ぶことのほうが多い気がするが、現地では「諸葛亮」と呼んでいるようだ。主君の廟よりも、臣下の諸葛亮の廟が後ろにあるっていうのにちょっと違和感を感じるが、それはなぜ?人気のゆえかな?
武候祠の前にも香炉。



こちらには、二人の子供像。井戸の中をのぞき込んでるイタズラ小僧みたいな愛嬌。HPによると善財童子だとか。



手に羽扇を持つ諸葛亮の姿。



天井でさえ、手を抜いていない。



左に歩くと孔明苑。中には入れないが、この額、いい感じに彫られてるなあ、と見入る。



その先には、盆栽園。



まあ、さらっと歩いて終わってしまった。正直、メインの像がただ派手なだけって印象なので、ほかに興味はわかない。字も読めないし不案内のせいもあるだろうが、物足りなさもあった。

しかしなんで入り口に若者が多かったのか?と思っていると、奥の出口の向こうに、わさわさとした人通りが見えた。誘われるように裏手に廻ると、すごい観光ショッピングモールになっていた。
なんじゃこりゃって驚いて、とりあえず入口の方まで出てみた。



額には「錦里」とあった。調べると、錦里古街とも錦里歩行街とも。
さっき武候祠の前でたむろしていた若者は、ここが目当てだったのか。武候祠の夏季の閉門時間が20:00と遅いのも、このショッピングモールがあるからだろう。


古い建物がいくつも残っていて(もしかして再建か)、そこに現代的な店舗がテナントとして入って営業いている。そんな店が、武候祠をぐるりと囲むように広い。



ファストフード、雑貨、アパレル、喫茶、、、。中国らしく篆刻の店もあって、ジャンク品の石をひとつ自分用に買った。





なけなしの現金から、我慢できずに、辛味ソースをかけてスパイスをまぶしたサラミソーセージに食いつく。



全長350mだってどこかのサイトにあったが、もっと長いんじゃないかってくらいの充実ぶり。



通り抜けると、そこは広場になっていて、ステージでは歌手が歌っていた。



祠の周りがこうも騒々しいんじゃ、劉備も孔明もおちおち眠れまいと思った。



ようやく抜けられた。すぐ近くなのに閑静な空間に。



西側の大通りに通り抜けて、そこからおよそ2km北上すればホテルのそばへ行ける。Sさんオススメのレストランも、この通り沿いなのでわかりやすくていい。
だんだん暗くなっていくが、けして物騒な空気は感じず、むしろ、知らない土地の一人歩きが嬉しくなっている。

途中、だいたいビルの1階は総菜屋、八百屋、電気屋、バイク屋、食堂、雑貨屋等々が営業している。そのうちの八百屋で夜食用にデコポンを購入。ここでも翻訳アプリが活躍、1個4.5元、たぶんまけてくれたっぽい。



歩いているうちに、腹が減ってくる。食堂の明かりに誘われて中をのぞくと、お兄ちゃんが美味そうな炒め物を食べていた。



その時、「ニーシーリーベンレンマ?」と背中から食堂のおばちゃんに声を掛けられた。
そこでのやり取りはこうだった。(便宜上、日本円に直してます)

おばちゃん「あんた、日本人かい?」
僕    「そこで野菜を食べてるのを見かけたら、美味そうだったので」
おばちゃん「うちの料理はとても美味しいよ」
僕    「だけど今、1,000円弱しか持っていないうえ、全部使ったら困るんです」
おばちゃん「何が食べたいの?400円もあれば、安い肉料理が出せるよ」
僕    「あと、ご飯も欲しいです」
おばちゃん「それなら、40円でご飯も食べれるよ」

こうしてSさんに教えてもらったレストランまでたどり着く前に、途中の食堂で足が止まった。しかしまあ、翻訳アプリ、大活躍である。その後、スープが欲しくて、店員とやり取りして豆腐スープを追加。まったく何の不自由なしだ。
回鍋肉22元、豆腐10元。撮り忘れたが、お櫃にはたっぷりに入ったご飯、たったの2元。しめておよそ700円弱。帰り際、おばちゃんと店員さんと笑顔であいさつ。大満足でホテルに帰った。





部屋に着いて、気になる残金確認、18.5元なり。ポンカンをパクつきながら、じっと見つめる。何とか乗り切った、と。
そして本日の万歩計17,364歩。今日も歩いたなあ。




(つづく)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿