暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

聞こえる

2024年09月03日 | 古民家
 落ち窪んだ扉を支え・・・上手なため息を押し戻して・・・
鈍色の廊下に座る影を踏みながら・・・畳の冷たさに足を取られ・・・
独り言の会話を楽しみながら・・・低い天井を睨み・・・
誰かも知らない気配の裏から聞こえる時代から・・・
生きた住まいの今を知り・・・足跡を残し声を刻む・・・。

温もりか冷たさか・・・肌を刺す暮らしの長さに飽き始めると・・・
しりとりで覚えた唇を噛みながら・・・
庭の緑と派手な花の名前を数えては・・・
自然の中で感じる、ヒリヒリした暮らしはどこか似合い・・・
当たり前の始まりが・・・苛立ちを育て、飽き始めると季節は変わり・・・
腑に落ちた心は廻り過ぎずに、緩くなっているのかも・・・。

穏やかに暮らしを温めるばかりでは・・・融通の利かない出来事はあるもので・・・
笑顔を睨んで・・・晴れを恨んで見たりと、恨めしそうに季節は過ぎるけれど・・・
床の軋む音や・・・枕もとを揺らす雨音は、笑い声とも怒鳴り声とも言えないカタコトで・・・
多くを語る・・・小さな意味を持ちかけて・・・
彩わずかな暮らしを埋める・・・一部になっているのかも知れない。



コメント
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