クニアキンの日記

日々、興味を持ったことなどを調べたりして書いていきます。
旧日記の復元については7月13日の日記をご覧ください。

日本推理作家協会 編、「マイ・ベスト・ミステリーⅤ(文春文庫)」

2023-01-13 11:31:19 | 読書

過日読んだ、鮎川 哲也 編「本格推理⑧ 悪夢の創造者たち」光文社文庫 - クニアキンの日記 の中で鮎川氏が言及していた 黒輪土風「六人の容疑者」を読むために、図書館で借りました。期待して読んだのですが、特に印象に残るようなものではありませんでした。推理作家が「最も好きな自作」と「最も好きな他人の作品」を挙げるというシリーズです。ついでに他の収録作品も読んでみました。まず、鮎川氏の最も好きな自作「人買い伊平治」は、ストーリーに惹かれて引き込まれましたが、ミステリーではないですね。

泡坂妻夫氏の最も好きな自作「右腕山上空」は、以前に読んだことがありましたが、忘れていました。ミステリーとしての面白さより登場人物の面白さかな。泡坂氏の好きな横溝正史「探偵小説」も、以前に読んだことがあり、ある程度は憶えていましたが、それなりに面白く再読しました。

北村薫氏の自作「ものがたり」は、わざわざややこしい話を読まされただけ、という印象。「私はこういうややこしい話を読みたくないからミステリーを読むのだ。」と思いました。氏が自作と対比して読んでほしいと挙げた、木々高太郎「永遠の女囚」は、何か題名に記憶がありますが、中身は忘れていました。こちらの方が、北村氏のよりは、ストーリーに起伏があって読ませるなと思いました。

北森鴻氏の自作「邪宗仏」は、途中ちょっと横溝風な感じですが、残念ながら惹き込まれるまでには至りません。蓮丈那智は、ちょっとお近づきにはなりたくないですね。北森氏の挙げた泡坂妻夫「椛山訪雪図」は、このアンソロジーの中で、一番だと思いました。最初は、芥川の「秋山図」を彷彿とさせるような雰囲気、そして一転、事件の思い出の語りに展開していく。軸の入れ替わりの謎とそのたね明かしが面白いと思いました。いざりの勝五郎とか、酒有別腸とか、web で調べていろいろ勉強になりました。でも「碁に別知」は検索しても出て来ませんでした。また p.285 の「郵筒をもって」という意味が不明です。中国語では郵便ポストのことのようですが。

東野圭吾氏の自作「小さな故意の物語」。う~ん。私も歳をとったんだなと感じました。でも少し考えてみると、歳をとる前からこの話は受け入れがたいかもな、と思い始めました。松本清張「天城越え」は、読んだ記憶があるようにも思いましたが、すっかり忘れていました。ストーリーに惹き込まれていくような書き方が、やはり違うなと思いました。

山口雅也氏の自作「割れた卵のような」、夢野久作「卵」、どちらもちょっと私にはついていけません。
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