熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本県美里町の町議会制廃止で町民大会は本気か? 第1回

2016-02-08 | ブログ

 武士道を倫理、道徳の礎とする近代の民族思想も含めて、そうした日本人の文化による職業的な倫理観はもちろん、人間性としての品格が問われる言葉が昨今はネット社会を背景に急に増えた。「私憤」と「義憤」との区別もつかない大人もそうで、それでは「男は黙って前を向く」に軍配は挙がる。
 ところで一方、義務として発言が求められるにも拘わらず、誰一人として質問者の出なかった定例議会が熊本県にはあった。熊本県美里町議会である。これには同県市町村行政課も「前代未聞」と異例のコメントを出した。
 議員からは「たまたま(偶然)」と言い訳が飛び出したが、誰一人として「町民から附託された義務」という認識になかったわけで、それは屁理屈。町議会全議員の報酬は年間約4000万円で、また議会費となると年間8500万円を超えるが、見方によってはドブ川に捨てられる無駄な8500万円。
「全員与党というか、議員提案なんて聞いたことがないし、かといってチェック機能も働かない。たまに疑惑を質す議員があっても結論のないパフォーマンス」
 町民の一人は「町議会不要」だと嘆き、それに替わる「町民大会の設置」を語った。
 こうした「前代未聞の美里町」での発注工事を取り上げること事態、なんか腰に重さを感じるが、先の町民が語った「町民大会」に向けての明日へのテーマとして、同町の入札について、その検証を進めることにした。
 建設業者にとっては落札率が高いほど利益は増えるわけで、100%に近いほど彼らの懐は潤う。
「材料費、人件費は上がるし、赤字工事が2件も続くと地方の零細業者は破綻という局面を直ぐ迎える」
 彼らは口を揃えて経営の厳しさを語る。
 だが発注側の入札価格、最低制限価格は国交省の月例報告書によって資材費、人件費等を積算して決定されるわけで、石油価格の値下げ等もあって現在、仮に経営の厳しさの見られる業者があるとすると、それは受注額外の理由という見解もある。
 平成27年度、美里町の入札では4月~12月まで判を押したように落札率95%(前後)が並んで続くが(上表は同年12月1日の43件中16件の入札結果)、最低制限価格は84%前後で同幅には約10%の開きがある。熊本市のように85%前後は無理としても、これを5%まで下げての落札率89%で試算すると上表で約400万円、同日の入札だけで約1000万円が浮上して、年間では約2億円を軽く超える無駄が除けたと想定される。
 落札率が高ければ業者は潤うし、町外のガソリンスタンド、飲食店までその恩恵を授かる。「建設業者の潤いのためなら2億円の町民負担など当然」と納得の町民だけなら結論は早いが、先述の通り不満の町民も存在。
 建設業界の健全な発展を阻んでいる違反行為の「談合」は、特定の政治家、建設業者、自治行政との「持たれ合い構図」によって成り立っていると語られるが、この「前代未聞の美里町」での発注物件の分割、また重複受注(監理義務)問題等の検証から進めて、熊本市並の健全な自治行政を図るにはどうしたら良いか、それを「要らぬ世話」との囁きが想定される中、求められた町民大会準備会に投げてみる・・・(つづく)。


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