熊本レポート

文字の裏に事件あり

信義なき野田毅事務所 第4回

2020-01-21 | ブログ
他人に対して人は色々な評、見解を出す。「詐欺師」と唾を吐き、関わりを避けろと忠告する者も現れる一方、「世話好きの好人物」という真逆の見方をする者もいる。
千代田修氏(仮称)は有明海に面した丘陵でみかん農家を営んでいたが、夜の街では、「代議士から『チヨちゃん』と呼ばれる仲で、代議士の側近中での側近」と、宣伝が効いているのか野田毅後援会の重鎮で通っている。
これには、同後援会の古参幹部辺りから「何が重鎮か」と、語気を強めた否定の言葉も出るが、そこは同事務所の表と裏の役割での違いだ。


何れにしても「チヨちゃん」と、野田代議士から呼ばれる仲の彼が、「大成建設を潰してくれ」
そんな物騒な話を持ち込んだのだ。
中身はどうあれ、趣旨は社会正義にある。準公共工事である農協会館建設の発注において、そこに不正があるとなると、それを正すのが務めであって、役割。
しかし勘違いして貰っては困るが、正義の使者のような傲り、自惚れは全くといって良い程、そんなものはなかった。


該当の事案だと、農家や農協が揃って異議を唱える程の動きがあるならともかく、また告発でもあれば事態も動くだろうが、残念ながら、そうした兆候はなく、まして彼らを動かすエネルギーも自らにもなかった。
語弊もあろうが、該当事案には関係者も存在し、そこへの暗黙の了解に基づく程度のガス抜きであり、そこで発生する小さな自己満足、それを求めているだけの仕事だと言っても過言ではない。
ただ千代田氏の場合はとなると、先述したJA熊本県中央会長と代議士事務所の三田石(仮称)秘書との口論話からして、「会館建設の発注」に向けて逆転を狙っての要請である事は明らか。
出来もしない「社会正義の達成」に対して、是非とも成して欲しいなどと、そんな事で会いに来るなどないのだ。
「それは無理、120パーセント無理」
即座に笑って応えたが、その理由は発注側の意向と工程にあった。
どんなに理不尽とはいえ、発注側の意向で受注の本命筋が下請け交渉まで進めているとなると、肝心の農家や農協が莚旗でも掲げて動くか、それこそ誰か告発でもしない限り、事態の変化などは考えられないのだ。
だからといって、野田事務所が告発をするかとなるが、それをしないところに推察通りの目的がある。
ただ、思惑の違いこそあれ、「大成建設の受注には不納得」では一致。
「金は出す」
千代田氏は、無理と断った私の痛い所をついて来た。給料にボーナスまで貰っていながら、クラブで碁石を打って公的機関、公人から配布されるコピーを待っているだけの楽なサラリーマン記者もいるが、限られた金で活動する者には資料の収集段階から出費は厳しく、まして出張取材となると、その旅費から工面が求められる。
「要は大成(本命)を消すだけ…」
後で意見の相違となる点であるが、成功払いで、細かい点は暗黙の了解である。
ただし、120パーセントは無理と応えた「大成建設の本命潰し」が、予想通りに不達成の場合となると、謝礼を含めた経費負担はゼロ。
一種の賭けであるが、それを踏み切らせたのは、やはり職業病。社会正義だと政治家の真似事などは口にしないが、仕事の虫である。
「判りました。やってみましょう」
外に出ると、そこは鉛色をした厚い雲が、何かその賭けを暗示しているかのように街を包み込んでいた。14年の梅雨である…。(第5回に続く)





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