熊本レポート

文字の裏に事件あり

CM全国区の再春館グループに赤ひげが放った雉の草隠れという評

2014-03-03 | ブログ

 世の中についての視点が多種多様化すると、人はことの本質、善し悪しを見誤る場合もある。そういう意味で社会活動上の基本となるのは、やはりルールであって、そのコンプライアンスにおける姿勢によって人や組織の品格、値打ちが決まる。
 ところで保険医療機関や保険薬局に関わる人々について、社会的に指導的な知識層という認識にあるが、そこに「国民を薬害から守り、薬で利益を図る医療機関の解消」を目的として制定された「医薬分業に関する法」(保険医療養担当規則)が存在する。彼らも人の子で、それは「国民の健全な健康保険の活用」を主旨とする規則。
 その第二条の三に「健康保険事業の健全な運営の確保」として、保険薬局は保険医療機関と一体的な構造であってはならないし、また保険医療機関と一体的な経営にあってはならないとしている。
 一体的な経営についてはともかく、禁じられている一体的な構造について厚生労働省保険局医療課は、
 「保険薬局と保険医療機関とは公道、またはこれに準ずる道路等を介さずに専用通路等により患者が行き来するような形態」と説明。Photo_11
 療養担当規則第二条の四及び第十九条の三にある「特定の保険薬局への誘導禁止」にも関係するが、「保険医療機関と保険薬局とは公道、それに準ずる道路で分離」という規則にある。
 それでは「特例、除外事項はないのか。また該当法律、規則に反した場合の罰則規定はどうか」と確認すると、先述の同省保険局医療課は「そもそも違反するような立地構造の保険薬局は認められない」と回答。
 ところが、同見解に疑問を抱く保険薬局が熊本には存在した。
「厚生労働省の厳しい指導で開局地をやむなく変更させられた保険薬局もあるが、あそこは異例」(熊本市薬剤師会員)
 医師会会員の病院長の中からは同所在について、「不条理な状況」という声さえ挙がった。
 彼らが示唆する該当の病院とは、再春館がグループに入れた桜十字病院(熊本市御幸木部)。Photo_12
 誤解のないように替わって説明し直すと、該当の保険薬局は桜十字病院の所有地に建っているわけではないが(土地所有権として分離)、変形塀で囲まれた同病院の敷地内に存在し、保険医療機関から駐車場へ通じる中間の一角に所在する。もちろん駐車場は、同病院の駐車場で兼用。
 厚生労働省保険局は「特例も除外事項もなし」と、自信あるかん高い声を返したが…だとしたら指定、許可理由とは何だったのかと不可解、理不尽だと同業界が思うのは当然。Photo_14
 薬剤師会の中からは「保険医療、薬局の資格取り消しまである」と、その罰則規定まで超想定話で噴き出したが、たらい回しされる関係機関の中で辿り着くのは、端っから承知の熊本県社会保険医療協議会(九州厚生局熊本事務所内)。
 桜十字病院は、先に述べた通り幼児でも承知のCM全国区まで成長した再春館グループの病院。風当たりの厳しさを知る者には、いまや地元経済界の長老グループ内でしか知らない創設時、また県警本部長の怒りなど引き出して語るつもりはないが、CM で紹介の環境問題への取り組み、人間愛には敬意を表する気持ちにはある。
 しかし以前、同グループの警備会社から駆け込む社員について、厚生労働省の別部局が「常習業者」と漏らしたのを記憶していて、それと今回の事案とを重ねてしまうのも視点の問題か。普通なら急激な規模拡大による歪みと評するが、師事する赤ひげは「雉の草隠れ」と呟きながら天を仰いだ…。


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