熊本レポート

文字の裏に事件あり

JFEも荏原も焼却炉メーカーが注視する天草の良識と常識とが問われる天草広域連合の闇霞

2023-06-02 | ブログ
 発行部数23万5千部の新聞が、年3万部数づつ減らせば8年後には同新聞は消えると想定されるが(ABC発表に基づく仮定)、その理由とされるコピペでも正確に伝えられなかった天草広域連合(天草市本渡広瀬)の事業において、良識と常識に欠けた自治政策執行が予想通り、その黒い姿を見せた。
 同連合は5月16日、新ごみ処理施設の整備、運営における入札結果を発表。その中身は、表現は悪いが天草の住民10万人を小馬鹿にするもので、その小馬鹿で通すか、冷静に抗議、修整させるかは住民個々の良識と常識次第と見た今回の特報。
 地元紙はテレビ番組表と訃報記事しか見ないという人なら理解は早いだろうが、公共事業の入札における公募プロポーザル型というのは本来、競争性が確保された入札が念頭にあって、提案発表された複数の作品で選考されての1位を決める入札。
 だが同連合は、1社の入札参加と知りながら選定委員会に同選考を委任。同種選定で権威ある鳥居委員長(熊大教授)も「馬鹿にすッな」との本音を推察するが、可哀想なのは同連合長である馬場昭治天草市長の指名を受け、遠き宮城県からわざわざ九州、しかも熊本県でも東シナ海を臨む天草まで通った北辻󠄀選定副委員長。
 そもそも3ヶ月前の2月22日に松岡、勝木、平山、何川、塩田、新宅氏の6組合議員らが修整案(設計監理費削除)を提出し、同提案を可決して、同事業計画の阻止、修整を示唆した裏には「1社での入札では公共事業としての競争原理に欠ける」との理由があった。
 勿論、入札受付期限(同24日)の2日前に『これから入札参加業者受付』と報道する地元紙、また同記事を信じる読者には理解も困難だろうが前年の12月14日、新日鉄グループ側は入札辞退届けを提出。即ち後で述べる落札候補は、この『単独入札』を知らされての入札で、その含み笑いしての入札であったかのような結果が、これから紹介する『小馬鹿』にされた天草。
 その理由を述べる前に組合議会が反対しても公募プロポーザル型入札の趣旨を棚に上げ、不可解な設計監理なしの建設事業でも良し(議会説得で承認させる)と、そのまま事業計画を強引に推進した馬場連合長だが、鉄類商人から立憲民主党代議士秘書、そして天草青年会議所理事長で天草広域デジタル無線化事業と、その経歴、実績にはそれなりの評価、見解も出される。
 しかし約3万票の支持有権者には失礼だが、やはり天草地域を任せるリーダーとしては良識と常識に欠けると、そんな見方が同市出身の官僚、政界関係者には出る。
 さて今回、1社入札で落札候補となった川崎技研・九州テクニカルメンテナンスJVだが、同グループの技術評価点数は31・5点(60点満点・別記表参照)。即ち、技術だけは優れた施設機械でと言いながら、100点満点で50点の施設機械に任せるとの馬場連合長となれば、五和のイルカだって「バカか」と跳ねたくもなる。
 そして、これを知った天草の常識的な住民なら「舐めとっとか」と怒りたくなるのが入札価格335億円で、これは落札率99・7パーセント(予定価格335億8500万円・別記表参照)。




 これは先述した単独入札を確認してからの入札で、落札率99・7パーセントは「目一杯喰ってやろう」という思いだった事は確か。
 勝手な想像だが、「議会を説得して承認させる」との馬場連合長と同じく、「住民が怒っても◯百万かの見舞金で納得させれば安い話」(九州テクニカルメンテナンスは震災、水害見舞という特殊営業で業績を続伸中との業界噂)と軽く想定したのではなかろうか。
 国土交通省は地方自治法施行令を念頭にして、地方公共事業は公平、公正さを求めて複数業者参加による入札を第1として指導する。
 勿論、特殊的な技術面、地元産業としての絡みから1社入札もない訳ではないが、この焼却炉入札でも九州圏内に他3例(今回の天草を含めて4例・別記表参照)がある。
 だが同1社入札の2例には先述の特殊事情があっても、そこには厳しい審査規定が存在。
 残念ながら天草広域連合には同規定がない訳だが、同じく同規定の無かった宇佐高田国東広域事務組合は、「競争性を確保していない」との住民の反対で組合議会が否決して再入札。
 同組合長は「建設が更に遅れた」と嘆いたが、天草広域連合の場合も組合議員によって途中でイエローカード(警告)が出された訳で、そんな責任転嫁で「舐めたような落札」を良しとするリーダーの方に品位、いや品格が問われる。
 何れにしても8月の承認組合議会まで「技術能力31点」、「落札率99・7%」の企業グループに設計監理(コンサル)無しで発注させるか否か、これが天草住民10万人の良識と常識に問われる…。 




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