熊本レポート

文字の裏に事件あり

自民党熊本県連の圧勝という蒲島知事初四選!

2020-02-08 | ブログ
熊本県知事選挙が終わり県政史上、初めて四選を果たした蒲島知事は、月末の定例記者会見で「相手の候補さんが多選の弊害を出して来ると予想し、そこで『四選に反対する人は誰1人といませんでした。また(加藤)清正公さんは23年間も実際は藩主を務めて居り、多選が全て弊害という訳では有りません』と、選挙前の討論会で先ず県民に訴えた」と開口一番、今回の選挙のポイントはここにあったと、自慢気に語った。
記者の間から『流石、政治学者』と期待の反応はなかったが、本人はその点を強調したかったのであった。蒲島郁夫氏という人物は、意外にも緻密な計算の上での政治家。
これは1ヶ月以上も先の想定だが、果たして当初のシナリオ通りの結果であっただろうか。即ち、再挑戦した幸山政史氏には、当選の勝ち目はなかったのか。
これを焦点として、蒲島流での幸山陣営の分析、検証である。
まだ選挙には1ヶ月以上も間があるじゃないか、そういう意見もあるだろうが、既に幸山陣営にあっては失礼ながら終わったと見ている。
だが幸山候補には、決して勝ち目のない選挙ではなかったと想定。そのスタンスの取り方が大きく異なり、ここに来ては、その修正も困難で、そういう意味で何ら影響もないと判断しての見解。


そもそも数字上から想定すると、幸山陣営にとって、決して楽観出来る二度目の挑戦でないのも確か。
先ず前回(2016年3月)の選挙結果だが、
蒲島 504931(68・1%)
幸山 201951(27・2%)
幸山候補は、その票差が約30万票というダブルスコアの敗北。これを逆転させる(幸山陣営)となると、それは至難の技。
また前回は、知名度不足という声も幸山陣営にあるが、前市長としての熊本市での結果を見ると、
蒲島 174459(64・8%)
幸山 81292(30・0%)
ここでもダブルスコア。
この前回の結果を見て、幸山陣営による4年越しの「逆転」を果たして信ずる者が居るだろうか。
それはともかく、毎日が選挙運動のような蒲島知事に劣らず、幸山前熊本市長も県内各地でミニ後援会を活発に開き、その支持者の拡大に務めている最中。
そして、そこに加わったのが旧民主党の地方議員、それに共産党も自主投票ながら幸山候補の支持を決めたようで、また勝手連としてれいわも応援に入った。正しく、『県民党の幸山』。
「野党が挙って支持する今回、互角の勝負体制が整った」
幸山陣営の1人は語るが、これでは蒲島VS幸山の勝負で有り、ここに失敗の原因がある。即ち、当選しても「ごった煮の県政」では、詳細は控えるが、その行政運営にも課題を残すと想定され、「幸山県政が何を目指すか」も不透明で有り、選挙には失礼ながら勝てないと結論。おそらく支持するか、支持しないかに関わらず、自民党支持者の県民の中には同じ思いも多いと推察。
先ずこの幸山陣営には、県民の心を揺り動かすだけの『大義』がない。
当初、幸山氏、幸山陣営に期待した戦略とは、小選挙区移行で大きな支持母体を失った小泉元総理の「自民党をぶっ壊す」で有り、また自民党だけでなく官公労まで除外し、「組織を造り直す」と旋風を引き起こした橋下元大阪府知事。この二人と同様な選挙戦略が、そもそもの期待であった。
最早、そのシナリオは幻となってしまったが、その関係者らの意見を交えて「大義」とは何であるか…。(次号へ続く)




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