既報の通り元参議院議員で、農林水産政務次官まで務めた三浦一水JA鹿本組合長(JA熊本県果実連理事・63歳)が6月23日、同組合長選挙で敗れて辞職。
「JA熊本県果実連合会の会長選挙(10月)を前に、またしても候補者の芽が摘まれた」
表現は悪いが、次期会長候補と目されていた三浦氏が「モグラ叩き」に遇った、という見解。
前回の同会長選挙でも会長候補と見られていた高峰博美副会長が、地元のJAあしきたで、セクハラ問題で辞職したはずの前同常務理事がクーデターを起こし、そこで高峰組合長を引き釣り降ろし、同氏は副会長職を辞職し、会長候補の資格を失った。
そこで、「三浦理事(JA熊本県果実連)も連合会長選挙絡みで潰された(JA鹿本組合長再選)」と、そうした見解が飛び出たのである。
その是々非々はともかくJA熊本県には「農協長も政治家」と、そうした自覚が日頃から求められるという印象にある。ポスト維持、昇格には合従連衡が存在し、それに向けて根回しという政治力学が求められる。その能力に長けた者がトップを得るというシステムだが、そこに札束が飛び交うのは公然の秘密。厳しい経営を強いられる農家にとっては、実に腹立たしい、納得の難しい組織の権益争いだが、これも皮肉なことながら彼らお任せ農家の責任。
厳しい果樹農家の経営状況にあって、その商品化、販売の上部組織(JA熊本県果実連)が「好調な業績」を続けていることは確か。
それだけに彼ら果樹農家の知らない情報が、JA熊本県果実連には風評を含めて今まで色々と噴出。
前回の会長選挙前、「ホテルニューオータニ東京事件」、「猥褻」と刑事事件相当の情報から「公式行事における失禁話」、そして「結婚前の女性職員に対する東京転勤辞令」とコンプライアンス問題まで発展しそうな情報までも流出。
また遠く離れた白州工場(山梨県北杜市)では、JA山梨関係者に同工場施設の導入に際しての疑惑が浮上し、現地農家を苦しめる環境問題までも出ている。そしてヤクルトの株主権、工場の同社委託問題でも全国紙が取材に走った。それに現在、熊本本部ビル、同工場の改築もJA熊本県果実連は会長選挙後に実施を計画。これらを農産物自由化の波を前に農産物価格の下降、後継者不足で苦闘中の果樹農家が、果たしてどれだけ実情を把握しているか、それは極めて疑問。
今回の背景を繰り返して語るまでもなく、浦田会長に「震災後のこの困難な時期に任せられるのは(浦田)会長以外にはない、と組合員から拝み倒されては、断る理由はない」という強い意志がある以上、10月の同会長選挙は浦田会長の続投が濃厚、いや決定と想定。
だが一方、卒寿を過ぎた93歳の浦田氏を白寿まで酷使するというJA熊本県果実連合、果樹農家も実に問題。
「思いやりに欠けた熊本県果実農業連合会」(経済団体役員談)
こうした見解は当然で、「今まで通り週に三日、朝10時出勤で昼過ぎには帰宅の相談役で結構ですから、後は我々にお任せしてください」との言葉が、JA熊本県果実連関係者には皆無というのは実に嘆かわしい現状。
それは、そのまま不安な同連合会の明日を懸念させるもので、先の情報等を考えると決して放置の出来ない問題。
最大の問題は、真実を知らなさ過ぎるという果樹農家。組織にはその透明性が求められるが、先に紹介した情報を噂の検証を含めて、それを果樹農家へ公開することが責務と考えられる。これが、不安なポスト浦田(会長)の解決への糸口になると思われるのだが・・・。