GPGPU適応に見るIntelの強みとAMDの弱み

東京に来てます。ここに来る前は当然留守番中の番組を逃さないよう録画予約を入れてきたのですがまぁ毎度のことながら大変です。わたしは普段からほとんど家にいるので、大事な番組がちゃんと録画できているか、録画用PCが安定して動いているか最低でも一日一回以上チェックしながら過ごすことができます。が、長期外出となるとそうもいきません。万が一に備え、どうしても風句数のPCで同じ番組を録画予約を入れるしかなくなります。有料放送においてもPCなら後でどうにでもなるため、念のため複数のPCで予約するしかないですしさらに念には念を入れてリリピート放送も全部予約を入れておきますから、普段の数倍HDDを消費することになるのです。消化にもたっぷり時間がかかりますから戻ってからも大変です。わかっていても逃したくないんですよねぇ、番組録画ってやつは。
今回は休暇ですので明日にでも秋葉原回りをしようかと思います。今回のターゲットは、またと言えばそれまでですがSSDやいくらあっても足りないHDDと言ったストレージですかねぇ。そりゃIntelの新CPU、Broadwellも出てますしそれも欲しいですよ。どうせ時間がたったところで値段は落ちないでしょうし市場にある間はいつ買っても同じでしょう。ただ、現状K付モデルしか出ていないので、オーバークロックをする趣味のないわたしとしてはもう一つ下のモデルが出るまで待つべきか、と。それにしてもこのSkylakeは注目に値します。いよいよIntelが内蔵GPUをGPGPU向けに最適化すべくメモリの共有機能を搭載し始めたからです。

Intelの次世代マイクロアーキテクチャ「Skylake」

少々気になるのは上記リンクにおいて共有メモリを「仮想メモリ」としている点。これはすでにGPGPU的内蔵GPUで先行しているAMDの「メモリアドレス空間」とは異なる印象を勧進させます。ご存じの通りAPU勉強会参加経験もあるわたしですが、メモリ共用を「仮想」と聞いたことは一度もなく、ネット上の過去記事にもそれっぽいものは見当たりません。単なる用語の扱いだけなのかも知れませんが、SkylakeにおいてIntelが採用するGPGPU適応がHSA準拠、ということはない印象です。それでもIntelが搭載するということは一般PCにおいてGPGPU処理搭載が今後当たり前になり、それを前提としてソフトウェアも増えてくる可能性が高くなります。AMDではやはり影響力の面においてIntelにはおよびませんから、機能は先行していても活用となるともう一つの感は否めませんからね。
機能的に先行しているAMDではありますがIntelには大きな強みがあります。それは「内蔵GPUの表示能力がへっぽこであっても許される」点です。IntelCPUがGPUを内蔵するようになってずいぶんたち、わたしも初代のi3から使い続けていますが、表示能力、特に動画再生においてはH.265のデコーダーを搭載した以外にあまり目立った改良点は見られません。商業サイトなど意図的か、IntelGPUにおいてはほぼ3Dのゲームベンチ以外の評価を避け続けているくらいです。それでもCPUのパワー任せで普通に使う分に支障はさほどない程度の機能はもっていましたし、なによりIntelCPUの強制セットだから、という理由でメーカー製PCのほとんどで使われています。どうせ表示能力の改善なんか期待されていませんから、IntelはGPUの機能を表示能力の改善でなく、GPGPUへの最適化に専念することができるのです。これはGPGPU最適化を削ってゲームのfps表示最適化に専念することで性能を上げたNvidiaとは逆の発想であり、むしろ相性がいいとさえいえるでしょう。一方AMDは同じことはできません。APUにはどうしてもゲームのfps以外のすべておいて単体RADEON同等の表示能力を期待してしまうからです。APU愛好家のわたしも仮にAPUが表示能力を大幅に削ってGPGPUへの最適化を図ったとしたら、ガッカリして使わなくなってしまうかも知れません。この辺はIntelの低性能の評判を維持してきた強みであり、全部において優等生であろうとするAMDの弱みなのです。だからこそ早めに入手したいですねぇ。最近デスクトップにおいてIntelx1＋AMDx3体制のわたしですが、そろそろ本来のIntelx2、AMDx2体制に戻そうかな。


ちょっと話変わって、少し前にDVDコピーソフトへのリンクを貼ったということで逮捕された話が出てました。

DVDリッピングソフト配布で初の著作権法違反による検挙。リンク行為も幇助に

見出しだけ見ると非常にセンセーショナルですが、中身を読むとソフトウェアのアップロード者の他、リンク先を掲載した書籍を販売していた出版社が検挙された、というものなのです。言うなら「DVDリッピングソフトの情報を販売した」とみなされての逮捕ですから見出しから連想する「リンク先を掲載しただけで逮捕されるのなら一般人がちょっとWEBで書いただけで逮捕される可能性がある」という恐怖とは異なるようです。
それにしても、これがようやく最初の改悪著作権法の検挙ですか。だいたいDVDコピー・リッピングが著作権法で刑事罰付違法扱いになったのはダウンロード違法化が罰則なしでもいいからと無理矢理著作権法扱いにゴリ押しされた時ですよ。その後はご存じの通り著作権側のロビー活動と与野党の政党間取引の道具にされたこともあってダウンロード違法化は無事刑事罰付へと昇格、「ゴリ押しでも無理矢理でも一度押し込めば勝ち、反対派説得のために罰則なしにとりあえずしておけば、あとから追加なんてほとぼりが冷めたときにいくらでもできる」という偉大な前例になったわけですが、これもだいぶ前の話です。それだけ時間があってもなお検挙がなかったのは、似たような摘発が可能な不正競争防止法の存在があったためと思われます。なんだかんだ言って過去の例にならうのが司法の常ですから、報道などは著作権法で検挙してもらったほうが見出しとして強いですし脅しにもなるのでよかったのでしょうが、なかなか不正競争防止法の適用にならず、著作権法の適用になる事件が出てこなかったものと思われます。今回「幇助」というP2Pソフト検挙でおなじみかなり強引な理屈を適用することでめでたく「初の改定著作権法適用」となったのでしょう。幇助ってどこまでやると適応なのかよく分からないですからね、なんて批判するのも広義の幇助になるのでしょうか。警察もイメージとは裏腹に社会的影響力を考慮に入れた「見せしめ」と「各方面への配慮」を重視することがありますから今回こうなったのでしょうね。今更館は強いですけど。