世界文学全集の読みにくい活字のモンテクリスト伯を読んでいると書いたが、本当に白内障やら老眼のせいで読みにくい事おびただしい。それでもあまりの面白さにひき込まれている。小学校低学年のしかも2,3年生の頃、どうしてこんなに難しいものを読んだのだろうと思うが、その頃は王政とか、ナポレオンがエルバ島に流されている事など全く疑問に思わなかった。分らない事が分らない時期に読んだからだと思っている。今はそれらがむしょうに難しく、注釈を必ず見ているが、世界史など勉強しなかった私は読んでも詳しくはわからない。あの頃はただ、見ていただけで読んでいたのでは無い事が判った。繰り返し見ているうちにあらすじが分ってくるだけだ。今読み始めて良かったと思っている。この根底を流れるものは、嫉妬、ねたみ、やっかみの連続である。良い男で気立ても良く、女にもてて雇い主や同僚に気に入られ、手下にも慕われている。そんな若いエドモンダンテスが、自分より先に船長になる!!!年上の同輩、ダングラールが嫉妬しないはずがない。ダンテスの愛する美しさでは抜群のメルセデスを愛する従兄弟のフェルナンをけしかけて、出世で遅れを取ったダングラールの計略で陥れられたダンテスは、復讐を恐れ、政治犯として2度と出て来られない様な牢獄に送り込まれる。子供の頃読んだ時にはそのような嫉妬、やっかみ、ねたみなどには捉われず、ただ、陰謀あり、冒険あり、ナポレオン失脚後の華麗なるルイ18世の王朝絵巻ありに目を奪われていた。ダンテスが脱獄に成功した後は全編が復讐劇であるのは子供でも分った。兎に角華麗なる小説であるが、根底を流れるものは男の嫉妬である。げにやきもちほど恐ろしき物はなし。
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