持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

ナナ 7

2006-02-12 02:27:08 | 演劇:2006年観劇感想編
JOE Company  Another Play vol.2  『7』―ナナ―
劇場:アートコンプレックス 1928
作/演出/出演:小野寺丈
出演:山内としお,宮本大誠,清水拓蔵,藤村忠生,大場達也,平川真司


雑居ビルの5階。急ごしらえの保育園を仕切るのは、やけに迫力のある兄さんたちで。どうやら、本日開園なのらしい。どうやら昨日までの商売は、ヤクザなのらしい。。
ある日、親分が植物人間に。戻る確約はなく、かさむ入院費用。極道稼業に見切りをつけ、かたぎの商売を始め。とりあえず、かわいいエプロンを着けてみる。一生懸命、笑顔の練習をしてみる。だけども消せない、筋金入りの極道仕草。ワカガシラだ、アニキだと。出てくるセリフは不穏なものばかり。

それにしても。この役者陣の、堂に入った極道ぶりはどうよ? ほぼ、皆さまを初見なのだけど。清水氏は、『THE WINDS OF GOD ~零のかなたへ~』に出演されてたよね。もしや、Vシネマだとかで有名な方だったりする? よりどりみどりな、イイ男っぷりで。

破門になった子分が、舞い戻り。ヒットマンが、鉄砲玉の子分を追って現われ。保育スタッフとして雇い入れた善意の一般市民までが、こちゃこちゃに絡み合い。「ナナ」と名乗る謎の女からの、謎の電話。「7」は、倒れた親分が最後に書き残したメッセージ。もう、なにがなんだかのなかに。極道一筋の親分が戻ってくるものだから、混乱は最高潮。

ドタバタのシチュエーションコメディを。ドタバタだけで無くしているのは、若頭役の小野寺氏。苦肉の策で、ひねり出した保育園業。絶対に許してくれるはずもない親分を、ごまかすために汗みずくになる姿は。小ずるさはなくて、イイヤツすぎるくらいで。小心者なくせに、けっこう行き当たりばったりで。それじゃいかんだろうと、笑いがこみあげる。これを受ける、親分役の山内氏の芝居も。迫力のなかに、子分たちがかわいくて仕方がない様子を含むから。冒頭で流れた『仁義なき戦い』のテーマ曲(←タイトルは知らない)に、似合いの結末に(←宮本氏、大熱演!)。後味の悪さは、残らない。

JOE Companyとは、小野寺丈氏のプロデュースユニットで。Another Playとは、本流と世界観を異ならせる実験公演なのだという。男性7名のみで構成された、シンプルでいて力強い舞台。このところ、ユニットものの公演に当たりが多くて楽しい。


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