持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

半落ち

2005-03-24 23:56:37 | 映画
映画『半落ち』
原作:横山秀夫
監督/脚本:佐々部清
脚本:田部俊行
出演:寺尾聰,原田美枝子,柴田恭兵,鶴田真由,伊原剛志,樹木希林 他




テレビ放映を鑑賞。
被害者からの懇願による殺人を嘱託殺人と呼ぶらしい。犯人が罪を認め全て自供することを、完落ちと呼ぶらしい。犯人は罪は認めるが、自主までの2日間についてを話さない。
空白の2日間を大切に扱うことで、人の絆を追う。哀しいけれど愛のある、愛はあるが哀しいという映画だった。
息子の死を受け入れられずアルツハイマーになり壊れていく妻。被告は「妻は二度も息子を失った」と証言する。息子の病死と妻自身の病気で。
二度ではないと感じた。正気を失うたび、妻は幸せそうに息子を呼ぶ。正気に戻るたび息子を失う。

様々な立場の人間が、様々な問いを発する。
「あなたは今誰のために生きているんですか?」「命を奪って愛してるはないでしょ」「わたしが殺してって言ったらわたしを殺せますか?」「わたし、殺してやることもできなかったんです。ごめんなさい」「あなたには守りたい人がいませんか?」「魂がなくなると命ではないのですか」
被告が言う。「わたしは妻を殺した人殺しです」
裁判官が言う。「そんな捌きを決めるのはあなたでもわたしでもない」
最後に。「生きてください」というメッセージが伝えられる。

役者陣は。原作物によって裏付けされた役柄を、皆見事に務めている。すべての愛を成立させるものは、主役の頑張りだけでは決してなく。脇が固められていてこそ。高島礼子、國村隼、田山涼成、笹野高史。よかったなぁ。

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2 コメント

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半落ち (BP)
2006-02-18 14:56:22
初めまして、コメント失礼いたします。

この度blogにて『半落ち』を取り上げましたので、トラックバックさせていただきました。

役者さん達それぞれの存在感が凄かった、印象的な台詞に考えさせられる作品です。
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Re:半落ち (こやま)
2006-02-21 00:11:28
>BPさま



ようこそいらっしゃいませ。コメントありがとうございます。嬉しいです。



役者さんたちの存在感は、本当にすごかったですね。

彼らの口からでる台詞の数々は、愛に満ちているがゆえに重く響きました。
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