手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳の現場から/会社

2016-02-16 05:06:39 | 手話
社員研修とか行事とか、予め予定が決まっている内容の通訳なら、特別、変わったことはない。
しかし、突然、ろう者が働く会社に通訳に呼ばれたら、かなり、状況は悪い。
通常、会社は部外者を社内に入れない。当然だ。
どんな会社にも独自のノウハウがあるし、守るべき個人情報がある。
手話通訳者だからと言ってフリーパスになることはない。

だから、会社で働くろう者と、その上司など関係者とのコミュニケーション上のズレが起こっても、会社側の人間が「手話通訳者を呼ぼう」とは、通常は考えない。
できるだけ部外者(手話通訳者)を入れず、内部で解決しようとする。
これが、事態を悪化させる。

そこで働くろう者が、ちゃんとした話し合いをしようと、上司に手話通訳者派遣の許可をとろうとしても、なかなか許可が下りないのが現実だ。
会社側の理屈は、
「筆談すれば済むことじゃないか」
である。

筆談すれば済む。
そんなに簡単なことなら、コミュニケーション上のトラブルなど起こらない。
ろう者を取り巻く現実は、厳しい。