手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳士実態調査事業報告書から/手話通訳等の業務頻度

2015-06-15 08:50:37 | 手話
http://www.jyoubun-center.or.jp/wp-content/themes/joubun/pdf/houkokusho/s-d8-pdf04-H21.pdf

P.38より
一ヶ月あたりの手話通訳件数が、驚くほど少ない。
わしらのような登録手話通訳者なら分かるが、手話通訳を主な業務として行うために雇用されている人が、一ヶ月あたり12件弱しか、通訳がないとは・・・
こんなことだから、手話通訳者の社会的地位は低いままなのだ。

なぜ、こんなに少ないのか。
手話通訳者派遣申し込みが少ないからだ。

なぜ、申し込みが少ないのか。
制度が利用しにくいからだ。

わしらの地元の例で言えば・・・
ろう者に「なぜ、ほとんど手話通訳者派遣を使わないの?」と尋ねると、
「申し込みがめんどくさい」
という答えが返ってくる。
これは、聴者の感覚の「面倒」とは違う。

たとえば、ろう者Aさんが手話通訳者派遣申し込みをすると、
「内容は?」
と聞かれる。それも、細かく聞かれる。
この応答が嫌で、派遣申し込みをしないケースが多い。

かつて、手話通訳者が全く足りなかった時代は、上記のやり方をするしかなかった。
仕方なかったのだ。
しかし、今ではわしらのような田舎でも、登録手話通訳者は100人もいる。
以前のように厳しい制限は必要なくなった。
必要ないはずの制限、必要ないはずの個人情報の収集。
全く、派遣者の勉強不足は目を覆いたくなるほどだ。

制度のパワーユーザーたちは、もうすっかり慣れているので、お構いなしにじゃんじゃん申し込みするが・・・
本当に必要な人たちが制度を使えない現状である。
なんとか、改善したい。