手話通訳者のブログ

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蟷螂の斧/市会議員から連絡が来た

2015-06-02 09:03:36 | 手話
「先日からの懸案事項ですが、市の担当課との話し合いの準備を進めています。打ち合わせをしたいので、市ろう協会長と一緒にお越しください」

市の担当課との話し合いの前に、事前に打ち合わせしましょう、ということらしい。
一種の根回しである。
市会議員事務所には、以前、市ろう協会長と一緒に既に訪問済みだが、市会議員としても慎重である。
なにしろ、市会議員にとって、市の担当課は身内みたいなものだ。
市の職員たちと良好な関係を保っていないと、議員の仕事はできない。
今回のケースのように市の対応に強い不満を持っている人々(つまり、わしらやね)と市職員の間に立つのは、議員にとってはリスクが高く、できれば避けたい仕事である。

政治家に間に立ってもらって、行政と話をする場合、非常に時間がかかる。
市会議員にとって、はっきり言って、手話通訳者派遣制度なんて、どうでもいいのだ。
なにしろ、票にならない。
手話人口など、選挙対策としては無視してよいほどの人数でしかない。

T先生のように、自分の利益を度外視して、市民のために尽くしてくれるような稀有の議員でなければ、今回のような話は無視されてしまう。

ただし・・・
俺はきれいごとが大嫌いなので、はっきり書くが、T先生と言えども、ただ単に善意でわしらと面談の時間をとってくれたわけではない。
市会議員選挙が近いからだ。
手話人口は少ないとは言え、真剣な相談を無碍に断れば、もしかしたら選挙事務所の前で拡声器を使って、
「市会議員のTは冷血漢です! みなさん、決して投票しないように!」
なんて、嫌がらせをされるかもしれない(笑)

ものごとには二面性がある。
T先生が素晴らしい議員さんであることは間違いない。
でも、だからと言って、
「真剣に話をすれば、聞いてくれる」
なんて、単純な話ではない。

市会議員選挙の前。
政治家と話がしたいなら、特に公的制度の改善要望のような交渉事なら、選挙前にすることだ。
そうでなければ、まず、相手にされない。