●千利休"侘び茶"の正統を伝える書、『山上宗二記』とは
利休が侘び茶を大成したその絶頂期に、もっとも信頼する高弟が書きとめた正確かつ客観的な茶道伝書と評価されています。以下に当著の特長を要約。
・珠光以来の名物茶器の解説と利休侘び茶大成の足跡を詳述。
・茶道具の目利きと茶道史研究のためのもっとも信頼できる第一級史料。
・宗二の学んだすべてを弟子に相伝するための遺書ともいえる秘伝書。
・観念的・情趣的表現を避けた、簡潔で客観的な記述。
・権力に媚びない、真の茶人、真の修行者の姿を体現。
『山上宗二記』は、利休存命中に弟子の山上宗二が、茶の湯の弟子に送った、村田珠光伝書をもととした利休流茶道秘伝書です。宗二による自筆原本は伝わっておりません。が、次の宛名による何種類かの写本が現存。多少内容に異同はあるものの、その大意にほぼ変わりはありません。
一 天正十六年正月 伊勢屋道七宛
二 天正十六年二月 桑山修理大夫宛
三 天正十六年二月 雲州岩屋寺宛
四 天正十六年五月 林阿弥宛
五 天正十七年二月 板部岡江雪斎宛
六 天正十八年三月 皆川山城守宛
『山上宗二記』は、『茶器名物集』の別名をもっています。当著の主要な部分をなすのが、「珠光一紙目録」。茶の湯の創始者、村田珠光による、奈良流茶の湯の正統を伝える秘伝書です。これは珠光の弟子宗珠、さらに紹鴎、利休へと相伝され、山上宗二に渡っていきました。
内容はその名のごとく名物茶器の目利きと、その伝来・由来等の総目録といえるもの。『山上宗二記』は、この「珠光一紙目録」が師から弟子へと相伝されるたびに、紹鴎・利休・宗二等が、次々と奥伝を追加・補筆してゆき、成立したものです。
本編の各段落目次は以下。
・序
・珠光一紙目録
・茶の湯者覚悟十体
・追加十体
・茶の湯者の伝
・師に問い置いた秘伝と拙子の注
・材木の事
・玉かん八軸の讃
・道守君の補注
・別本 山上宗二記奥書
次回、「序」より各段落本文要旨を一回、一章で読み進めていきましょう。
利休が侘び茶を大成したその絶頂期に、もっとも信頼する高弟が書きとめた正確かつ客観的な茶道伝書と評価されています。以下に当著の特長を要約。
・珠光以来の名物茶器の解説と利休侘び茶大成の足跡を詳述。
・茶道具の目利きと茶道史研究のためのもっとも信頼できる第一級史料。
・宗二の学んだすべてを弟子に相伝するための遺書ともいえる秘伝書。
・観念的・情趣的表現を避けた、簡潔で客観的な記述。
・権力に媚びない、真の茶人、真の修行者の姿を体現。
『山上宗二記』は、利休存命中に弟子の山上宗二が、茶の湯の弟子に送った、村田珠光伝書をもととした利休流茶道秘伝書です。宗二による自筆原本は伝わっておりません。が、次の宛名による何種類かの写本が現存。多少内容に異同はあるものの、その大意にほぼ変わりはありません。
一 天正十六年正月 伊勢屋道七宛
二 天正十六年二月 桑山修理大夫宛
三 天正十六年二月 雲州岩屋寺宛
四 天正十六年五月 林阿弥宛
五 天正十七年二月 板部岡江雪斎宛
六 天正十八年三月 皆川山城守宛
『山上宗二記』は、『茶器名物集』の別名をもっています。当著の主要な部分をなすのが、「珠光一紙目録」。茶の湯の創始者、村田珠光による、奈良流茶の湯の正統を伝える秘伝書です。これは珠光の弟子宗珠、さらに紹鴎、利休へと相伝され、山上宗二に渡っていきました。
内容はその名のごとく名物茶器の目利きと、その伝来・由来等の総目録といえるもの。『山上宗二記』は、この「珠光一紙目録」が師から弟子へと相伝されるたびに、紹鴎・利休・宗二等が、次々と奥伝を追加・補筆してゆき、成立したものです。
本編の各段落目次は以下。
・序
・珠光一紙目録
・茶の湯者覚悟十体
・追加十体
・茶の湯者の伝
・師に問い置いた秘伝と拙子の注
・材木の事
・玉かん八軸の讃
・道守君の補注
・別本 山上宗二記奥書
次回、「序」より各段落本文要旨を一回、一章で読み進めていきましょう。