手賀沼アララギを指導していただいている吉村睦人先生が、2019年度の「島木赤彦文学賞」の受賞が決定しました。
受賞作は歌集『蠟梅の花』(不識書院)です。
表彰式は、8月25日(日)PM1時より 下諏訪町立島木赤彦記念館にて
吉村先生は日本有数の短歌結社「新アララギ」の編集委員(前代表)であるとともに、開成高校教頭・青稜高校校長を歴任するなど教育者としても知られています。
・何もせず過ぎてゆきたる今日の日もわれの一生の中の一日
・生徒よりコンピューターに向かひゐる時間の多き教員のをり
・蠟梅の花のかをりの中にして悲しみはさらに深まりてゆく
・一位宇野二位わが母三位尾崎士郎大正九年の懸賞小説
・俵万智は土屋文明の歌採らずその厳しさに堪へ難からむ
・ホームレスになりたき思ひしきりなり耐へつつわれは家路に向ふ
・浮かびくることを絶たむとしばしだに休まずわれは仕事つづくる
開催日 平成31年9月8日(日)午後1時~4時30分
会 場 手賀沼湖畔 アビスタ第3学習室
講 師 「新アララギ」選者 吉村 睦人先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
8月29日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆吉村先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の前代表です。開成高校教頭・青稜高校校長を歴任するなど教育者としても知られています。
☆見学または入会を希望される方は下記にメールしてください。
eizan@plum.ocn.ne.jp 手賀沼アララギ短歌会
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:わが街に学園築かむ夢持てど嘉納治五郎つひに成し得ず(新アララギ2019.7)
佐々木フミ子:残照のある限りはと立つみ墓昔と変はらぬチャペルの鐘の音(新アララギ2019.7)
今野英山:ビルの間にすたれゆく商ひ残りたり一張羅のために裏地売る店(新アララギ2019.7)
高橋毬枝:遅遅とせる震災復興のていたらく今の総理らには余所事なるか(新アララギ2019.7)
麦島和子:*鶯を真似て口笛吹く翁疑う如く鶯も鳴く(新アララギ2019.7)
大倉康幸:*久しぶり暖かい日がやって来るビルに映った雲が眩しい(新アララギ2019.7)
相川盈子:*王室を称えることなく斬首せしコンコルド広場に夕闇せまる(新アララギ2019.7)
宮本通代:何につけ平成最後と言ひつのり民の気持ちを煽(あふ)げる仕組み(新アララギ2019.7)
葛岡昭男:*住み慣れし家は無けれどふるさとの山の緑はいつも優しき(新アララギ2019.7)
丸山さち子:*水が出てガスが来ている当然を有り難く思う八年前より(新アララギ2019.7)
戸田邦行:*今思う小さな小さな幸せを感じられが幸せなりと(新アララギ2019.7)
新アララギ 2019年7月号より
・「王が鼻」の上より昇る朝の日が女鳥羽の橋の吾を照らせり 王が鼻は美ヶ原の最高峰
・辨天樓かの日の如く大き店縄手通りのそば屋百年 松本・縄手通り
・廃材としよもない焼き物山と積み古物屋があり買ひ手あるらし
・大なるは葛籠(つづら)とテーブル棚板か「はんこ」の看板正業らしく
・寮歌放吟宗吉歩みし女鳥羽川あかり乏しく人の影なし
・己が子の博物志望くじかむ茂吉の哀願恫喝の文
新アララギ 2019年7月号より
・群なしてをらねど時折藻の中に姿を見せる蝌蚪かといく匹か
・母住みゐて父が訪ねて来しといふこの古き町をわれも愛しむ
・小谷稔氏の送りてくれし山独活の根はプランターにまだ生きてゐる
・切断する酸素の焔はわれも見き砂町四十町再び行かじ
・万葉集を詠み返しし人幾人も「令和」は何処にあるかを問ひ来ぬ
・典拠は万葉集などと言ひし男の尻拭ひさせらるこの幾人か
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:農を継がず東京に来て勤めしを親不孝と言ひし伯父を忘れず(新アララギ2019.6)
佐々木フミ子:「想」「縁」など一文字彫れる墓石多し「○○家の墓」は廃れいくのか(新アララギ2019.6))
千葉照子:常(じやう)香炉(かうろ)の積もれる灰にレンズ向くる西洋人の男在りたり(歌会2019.6))
今野英山:商店街の入り口に立つ「あしたのジョー」山谷のざわめき今はなけれど(新アララギ2019.6)
高橋毬枝:列離るる雛を父の白鳥が追ひ戻しいつも乱れを見せず(新アララギ2019.6))
山崎日出男:セーラー服の君の唄ひし「平城山」の彼の日の調べ訃報に想ふ(歌会2019.6))
麦島和子:*雨上がりの夕映えの空へ群れなして鳥が羽音を立てて飛び立つ(新アララギ2019.6))
岸野トモヱ:*厚き物絞る術など覚えいて慣れた手つきでぐるぐると巻く(歌会2019.6))
大倉康幸:*子離れというのだろうか冷静に受け止めている娘の結婚(新アララギ2019.6))
相川盈子:*ふるさとの筑波のJAXAの施設思ひつつはやぶさ2の会見を見る(新アララギ2019.6))
宮本通代:「並んで立つ」「対等」「パラレル」などのパラ下半身不随の意ではなかつた(新アララギ2019.6)
葛岡昭男:*ドア開けて点けし灯りに水槽の浮き草揺らし金魚の騒ぐ(新アララギ2019.6)
丸山さち子:*ときどきはひとりで歩くぶうらりとあとどなき午後綿毛のように(新アララギ2019.6)
戸田邦行:*こんな歌を詠うためにはじめたわけじゃないされど心は詠えと叫ぶ(新アララギ2019.6)
鈴木英一:池越しの高き林のてっぺんに群れつつ垂るる藤の花房(歌会2019.6)
新アララギ 2019年6月号より
・烏龍茶しきりに飲みて気焔はく女(をみな)頼もし奈良の歌会は
・たとふれば茶粥の如き歌幾首助詞を省けば味濃くなりぬ
・フラスコの気付け薬に生気わく四十余名の歌評のなかば フラスコは携帯用の容器
・女子会の如き歌会に鳴りひそめわれら男(をのこ)は呑み会を待つ
・麦酒飲みオン・ザ・ロックも二、三杯めざめし朝は茶粥をすする
・微妙なる茶粥の味をわきまへぬ関東者われゴマ塩を振る
新アララギ 2019年6月号より
・どうにでもなれと思ひて眠りしにどうにもならず朝目覚めたり
・一斉に芽生えなくたつていいんだよと欅の大木は実に大らか
・苗床にトマトの芽数多出でてをり子葉の先にまだ種殻付けて
・女性にやさしいからと麻雀の今日の面子(メンツ)は老婆三人 デイサービス
・「子備前」と称して今もわが使ふ息子が修学旅行にて買ひ来し茶碗
・原発の廃墟のあるを知らざれば雁ら日本にまた渡り来る
開催日 平成31年8月11日(日)午後1時~4時30分
会 場 手賀沼湖畔 アビスタ第3学習室
講 師 「新アララギ」選者・代表 雁部 貞夫先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
8月1日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆雁部先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の代表・選者です。登山家としても知られています。
歌集「ゼウスの左足」で島木赤彦文学賞を受賞しました。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
eizan@plum.ocn.ne.jp 手賀沼アララギ短歌会・今野英山