手賀沼アララギ短歌会

千葉県我孫子市で開催している短歌会のブログです。一緒に短歌を楽しみませんか。

会員募集

千葉県我孫子市で歌会を開いています。 初心者歓迎。。一緒に短歌を楽しみませんか。 歌会は原則毎月第2日曜日13:00-16:30。。 場所は我孫子市内(駅前けやきプラザ他)。 講師は「新アララギ」代表の雁部貞夫先生および「新アララギ」選者の今野英山(当会代表)が交互に務めます。。。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 内容は短歌作品の相互批評、および講師による添削指導や関連知識の講話などです。。 会費は月1500円(2012年3月改訂)。。見学は1回まで可能で、無料です。 問合せは次のアドレスにお願いします。 eizan@plum.ocn.ne.jp(手賀沼アララギ短歌会)

講師・雁部貞夫先生の歌(2013年1月)

2013年01月14日 | 講師の作品
新アララギ 2013年1月号より

・金瓶の須川は酢の川魚棲まず蔵王の熱き湯水上として
・天空に浮かぶは出羽の月山か雪の山肌かげりもあらず
・畑なかに「死にたまふ母」を焼きし跡茂吉の挽歌は生をも歌ふ
・舌頭に千転せよと賜ひたり『朝の蛍』の茂吉秀歌を 宮地伸一先生
・歌懸(うたかけ)の稲荷の神に護られてしかと歌詠む九十翁きみ
・歌会終へしばし憩へる吾が前に友の醸せる新酒「月山」
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講師・吉村睦人先生の歌(2013年1月)

2013年01月14日 | 講師の作品
新アララギ 2013年1月号より

・今からでも遅くはないと思ひしは何についてのことにてありしか
・下葉にはなべて文字の記されてこの園に大き多羅葉樹あり
・あの月に人の行きたることあるを幼に言ふをわれはためらふ
・出だされしアーモンド食ひ茉莉茶飲む思考はしばし分断されて
・木犀の花咲くときに立ちかへる悲しみはすでに四十幾度(たび)
・円かなる老を過ごさんなどといふ願ひはもとよりわれには有らず
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手賀沼湖畔の「文学掲示板」、2月は当短歌会の作品です

2013年01月14日 | トピックス
手賀沼湖畔文学の広場にある「文学掲示板」、2013年2月は手賀沼アララギ短歌会の歌が6首掲載されます。

・息ひそめ小綬鶏過ぐるを目守りゐる竹むらの中こもれび浴びて(我孫子 松本ゆき)
・風止みて柔らに射せる冬の陽に日本桜草芽を出だし初む(我孫子 金井加代子)
・「原爆を許しまじ」の歌うたう友を真似せし我幼くて(我孫子 岸野トモヱ)
・原節子銀幕去りて六十年十六歳の「新しき土」(我孫子 山崎日出男)
・地元にて採りしその実を挽き打ちしそばを食みたりその風味よし(柏 麦島和子)
・妻と子に支へられ生き来し七十年ありがたきこと忘るべからず(取手 小口勝次)

     


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2013年2月歌会のお知らせ

2013年01月14日 | 歌会のお知らせ
開催日  平成25年2月10日(日)午後1時~4時30分
会 場  我孫子駅前(南口) けやきプラザ8階 第1会議室
講 師 「新アララギ」選者 雁部 貞夫先生
内 容  短歌作品の批評、添削指導
会 費  1500円/月

参加希望者は1月31日(木)必着で歌稿(短歌3首)を詠草担当者(今野)まで提出してください。

☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌三首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆雁部先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の編集委員・選者です。登山家としても知られています。2011年、歌集「ゼウスの左足」で島木赤彦文学賞を受賞しました。
☆見学希望者は下記にメールしてください。
teganumaararagi@goo.jp 手賀沼アララギ短歌会
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会員の作品(2012年12月)

2013年01月14日 | 会員の作品
三谷和夫:組合に苦しむ我にひそかなる助けをくれし教員忘れず(新アララギ2012.12)
佐々木フミ子:見はるかす原に二筋光りつつ川の流れと稲穂吹く風(新アララギ2012.12)
松本ゆき:白ワイン送りましたと嫁の声電話に明るく山梨よりと(歌会2012.12)
木村和子:葉の繁る木下に転(まろ)ぶ青き柿ヘタを残して悉く落つ(新アララギ2012.12)
須田博:揉め事の絶えざる地球も宇宙より見れば美しと星出飛行士は(歌会2012.12)
今野英山:原発の杜撰さ危うさ世に問ひて歌詠みし君は強制避難者(新アララギ2012.12)
高橋毬枝:八キロも痩せたるみ手より本を受く書庫に籠りしにほひと共に(新アララギ2012.12)
小熊宗克:接待の外食続き久々に家に塩鮭食ふうまさかな(歌会2012.12)
山崎日出男:杖をつき夕陽の沼辺を揺れ歩む爺さまの影は細く伸びたり(歌会2012.12)
岸野トモヱ:岩肌を削(そ)いで流れる渓流に郷里の峡が脳裏かすめる(歌会2012.12)
金井加代子:今日の日もはや暮れゆけば自らの一日の意味思はされたり(歌会2012.12)
大倉康幸:北風が吹く中手賀沼遊歩道ウォーキングする人らは絶えず(歌会2012.12)
小那覇暁美:携帯を見つつ散歩するご主人を見守る彼はタロというらし(歌会2012.12)
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歌の百名山1「富士山(前編)」(3776m)

2013年01月08日 | トピックス
深田久弥が『富士山』という本を編むために文献を漁ったら、後から後から幾らでも出てきてサジを投げた、と『日本百名山』に書いてある。
まさにその通りで、富士山に関する俳句や歌を調べていたらあっという間に100を優に超えてしまった。
かいつまんで紹介するだけで一冊の本ができる。
久保田淳『富士山の文学』という本もある。
とりあえず誰にでも知っている歌から紹介してみよう。

・田子の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける(山部赤人)
 万葉集のこの歌は長歌
 「天地の 別れし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を 天の原 振り放け見れば 渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくぞ 雪は降りける 語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は」
 の反歌である。
 天地開闢以来の神々しい山だと詠い、今まさに雪をかぶった山が眼前にあると返している。

・妹が名も我が名も立たば惜しみこそ富士の高嶺の燃えつつわたれ(作者不詳)
 これも万葉集の歌。当時富士山は燃えたつ恋の象徴として歌に詠まれることが多かった。
 富士山頂から煙が出なくなった後代でも、比喩として詠まれていたのである。
 お互い噂が立つのは惜しいので富士のように(心の中で)燃えて生きよう、という歌である。

・時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらん(在原業平)
 伊勢物語そして新古今に採録されている。
 富士山の歌の典型としてその後同じような歌が繰り返し詠われた。
 「時知らぬ」とはいつも雪をかぶって季節が解らないという意味。

・富士の嶺の雪よりおろす山おろしに五月も知らぬ浮島ヶ原(藤原家隆)
 前の歌の「時知らぬ」を継承している。
 浮島ヶ原は富士展望の景勝地でここの景色が画かれた屏風絵を見て詠んだ歌である。

・風になびく富士のけぶりの空に消えてゆくへも知らぬわが思ひかな(西行)
 漂泊の身の上と重ねている。

・道すがら富士の煙もわかざりき晴るるまもなき空のけしきに(源頼朝)
 武人頼朝の数少ない歌の一つ。

・ふじの嶺のけぶりも空に立つものをなどか思ひの下に燃ゆらむ(源実朝)
 恋の歌で、おそらく題詠と思われる。

・不二のねの麓を出でて行く雲は足柄山の峰にかかれり(賀茂真淵)
 江戸中期の国学者。大きな景色を詠っている。

・三股をこぎ出でて見れば三股の森の上に見ゆる富士はた似なし(田安宗武)
 宗武は将軍吉宗の次男。
 三股は隅田川の下流で芭蕉庵があったところで、これから初茸狩りに行く途中の歌である。
 これほどの富士は他にないだろうと詠っている。

2013.1.8 今野英山
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「歌の百名山」連載について

2013年01月08日 | トピックス
「日本百名山」があり「花の百名山」がある。山に登り歌を詠む私としては「歌の百名山」がないことが不思議であった。
歌に関する短歌や俳句を調べてみると、その理由が少しづつ解ってきた。それはかつて歌の題材となった山が意外と限られているからである。
しかしながら「山ガール」が跋扈し、百名山ツアーが列をなす最近の登山ブームである。
多くの人が各地の山に登り、その中の零コンマ何パーセントかが歌や俳句を詠んでいるはずだ。
自分で詠んだ歌を載せるのは気が引けるが、いい山の歌があれば多くの人に紹介するのも悪くはない。
これも山や自然を多くの人に理解してもらう活動の一つだろうと、ようやく重い腰を上げてみた。
どうゆう順番でやるかは出たとこ勝負なので全く考えていないが取敢えず富士山から始めてみようか。

2013.1.8 今野英山
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