オオカマキリの卵鞘
D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+Sigma Electronic Flash Macro EM-140 DG
D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+Sigma Electronic Flash Macro EM-140 DG
丸くて大きくふっくらとしたスポンジ状の物質で包まれた卵でお馴染み。週明けから順に記事で紹介してきた3種類のカマキリたちと同場所で観察できるのだが、何故かこのオオカマキリだけは産卵場所が植物に限られていて特に植物の茎や枝といった細い部分を好み産卵する習性があるようだ。例にあげるとセイタカアワダチソウやススキの各茎。それに隣接して植えられているツツジ、アベリア、ユキヤナギなどの低木の枝にも産みつけられている事が多い。
D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+Sigma Electronic Flash Macro EM-140 DG
毎年、冬場の観察では人工建造物に産み付けられていないものかと探してはいるものの今のところ発見できていない。そういった事からオオカマキリは冬場でも枯れ草が残る草地環境がないと生存する事が出来ない種類。話は逸れてしまうが23区内では河川敷を除いてしまうとオオカマキリが生存可能な草地環境をもつ自然度の高い場所や公園は少なくなりつつあると観察を通じて感じている。これは公園の管理体制にも強く感じられ草刈りなどを強化すればする程、こういった草地を好む昆虫たちの住める場所が減ってい行く。区内の公園にそういった自然環境を求める方が間違っていると言われてしまえばそれまでだが、僕が子供の頃にはブランコやすべり台のある公園にもバッタやカマキリが住める草地環境があり、遊具で遊びながらもオオカマキリやショウリョウバッタを捕まえる事ができて楽しめた。未来の公園で遊ぶ子供たちの直ぐそばにカマキリやバッタがいて欲しいと願いたい。
追伸:1枚目の画像の卵鞘は逆向きに産みつけられている例。カマキリが産卵する時、殆どが頭部を下(地面方向)に向けて産みつけているが、写真のように稀に逆向きで生む事もある。樹上性のハラビロカマキリは上下左右と様々な方向に産み付けている例が多い。
◎ 公益財団法人 日本自然保護協会(NACS-J)から発行されている会報誌『自然保護』No.530(2012年11・12月号)にて「カマキリの卵鞘を探してみよう」という記事に僕が撮影したコカマキリとウスバカマキリの卵鞘写真を掲載していただきました。このリンク先のページでは自然観察会などでご活用できるようにPDFファイルがダウンロードできます。(商用目的の利用は不可)
撮影日:1月2日