恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

すれ違い~その7

2015-07-20 08:00:46 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉紅一

昨年9月にupした『紅一さんと2人だけの夜』の続編です。

up後に書き始めたのに、途中から話が続かなくなって完成させるのにほぼ10ヶ月かかりました。
なんだか続けられそうな気がするので紅一さんカテゴリーも作った。

昨年の9月ごろは吉恋本家に、紅一さんルートも出来るんじゃないかと期待してたのにね(ノ_-。)

本家で紅一さんルートがあるとしたら、譲二さんとは恋愛関係にならないまま、紅一さんと出会うんだろうなぁ。

でも、わがブログでは、ヒロインはしっかり譲二さんと恋人です^^;)

☆☆☆☆☆
すれ違い~その7


〈譲二〉
クロフネに着いて、百花ちゃんにメールを送った。

すぐに百花ちゃんから電話がかかる。

無理しなくてもいいよ、という俺に百花ちゃんは兄貴に送ってもらっていると言った。

一体どういうことだろう?なんで兄貴が百花ちゃんと一緒にいるんだ!?

電話の向こうで、兄貴の声が聞こえる。


紅一『そうだな、あと15分くらいかな…』

譲二「……」

百花『譲二さん、あと15分くらいで着くので、詳しいことはその時話しますね』


電話が切れる。


百花ちゃんが着くまでの15分が何時間にも思えた。


もしかして、今までも兄貴と百花ちゃんは俺のいないところで会っていたんだろうか?

バカな考えが次々に浮かんで来た。


☆☆☆☆☆


車のエンジン音がしたので、すぐに外に出た。

ちょうど百花ちゃんが兄貴の車から降りてくるところだった。


百花「譲二さん!」

譲二「おかえり、百花ちゃん」

百花「ごめんなさい…私…」


兄貴は車からは降りずに、左手を上げて、俺に挨拶するとそのまま車を発進した。

百花ちゃんは兄貴に深々とお辞儀をした。

そんな百花ちゃんの気を引きたくて、声をかけた。

譲二「疲れてるだろ?とにかく中に入ろう」




まだ、何も食べていないという百花ちゃんのためにナポリタンを作り一緒に食べる。

食後のコーヒーを出しながら気になっていた事を聞いた。


譲二「ねぇ、百花ちゃん…、どうして兄貴に送ってもらうことになったの?」


百花ちゃんによると百花ちゃんの勤めている施設が茶堂院グループに買収されたのだという。

それで、その事業を担当することになった兄貴が施設側の担当者を百花ちゃんに指名したのだという。

仕事を円滑に行うために、面識のある人柄もよく知った人間を担当者に指名する。

普通に行われることだし、俺が担当したとしても、兄貴と同じことをするだろう。


……だが、兄貴に対する不信感が湧き上がるのはどうしようもなかった。

なぜ、前もって俺に言わない?

いやいや、それは仕事上のことを部外者に話す必要はないからだ。

それに…兄貴とそんなに頻繁にメールや電話でやりとりしていたわけでも無い。



それにしても、兄貴と一緒に仕事をするようになったことを、
百花ちゃんはなぜ話してくれなかったんだろう。

百花ちゃんとは毎日メールのやりとりをしているし、電話だって、つい昨日も話したばかりだ。

百花ちゃんの今度の新しい仕事の話を聞きながら、心に灯ったわだかまりがくすぶり続けている。


その8へつづく



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