恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

すれ違い~その1

2015-07-14 08:29:50 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉紅一

昨年9月にupした『紅一さんと2人だけの夜』の続編です。

up後に書き始めたのに、途中から話が続かなくなって完成させるのにほぼ10ヶ月かかりました。
なんだか続けられそうな気がするので紅一さんカテゴリーも作った。

昨年の9月ごろは吉恋本家に、紅一さんルートも出来るんじゃないかと期待してたのにね(ノ_-。)

本家で紅一さんルートがあるとしたら、譲二さんとは恋愛関係にならないまま、紅一さんと出会うんだろうなぁ。

でも、わがブログでは、ヒロインはしっかり譲二さんと恋人です^^;)

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すれ違い~その1

〈百花〉
今、勤めている福祉施設が、経営難から別の事業者に吸収されることになった。

それに伴い、施設も改築されたり、古い設備も新しいものに買い替えられることになった。

その別な事業者には、かなり大きな資本が入っているらしい。

これはこの施設の所長の受け売りで、いまそれに伴う私の新しい仕事の説明を受けている。


所長「……、という訳で、事業者が変わってもそのまま全員雇ってもらえるのはありがたいわよね」

百花「それで、私の仕事内容が変わるとか…?」

所長「まあ、変わるといっても、移行期間の間のことで…、いずれは佐々木さんにも元の仕事に戻ってもらって、その時には主任として頑張ってもらうからね」

百花「それで、その変わった仕事というのは?」

所長「ああ…ちょうど話してた事業者の担当の方が来られたから、直接聞いてもらった方がいいわね。これからしばらく一緒に仕事をするんだから…」


戸惑いながら振り向くと、見知った人が現れた。

百花「!  紅一さん!」

所長「佐々木さん、知り合いなの?」

百花「ええ…」


紅一さんは譲二さんのお兄さんだ。

でも、所長には譲二さんのことは話していないので、言いよどむ。


紅一「佐々木さんとは共通の知り合いがいるものですから。それもあって、今回そちらの担当者に指名させてもらいました」


紅一さんが微かに微笑む。

紅一さんのことをよく知らない人ならば、微笑んでいることに気づかないだろう。


☆☆☆☆☆

所長が勿体ぶったせいで、紅一さんに直接話を聞くことになった。

茶堂院グループには、介護事業部門もあるが、今回うち以外にも幾つかの施設を吸収合併したので、運営が軌道に乗るまで、紅一さんが直々に担当することになったのだ。

そして、私はこの施設の折衝役として抜擢されたという訳だ。


紅一「折衝役といっても、施設の改装や設備の導入の相談に乗ってもらうのが仕事だ。
佐々木さんはここに勤めて何年にもなるし、何が必要かもよく分かっているだろう?
所長が候補としてあげた名簿の中に佐々木さんの名前があったので、この人にと頼んだんだ」


私が施設を案内している間に紅一さんは私の仕事内容についても説明してくれた。



打ち合わせが終わると、ちょうど終業時間だった。

紅一さんは、私を食事に誘ってくれた。

 

その2へつづく



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