恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

茶倉譲二 続編ハピエン~その9

2016-03-25 07:44:21 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。 

☆☆☆☆☆

以前予告した譲二続編のハピエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

スパエンのヒロイン好みの内容に対して、ハピエンは譲二さんがとっても楽しんでる。

姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きな話です。

☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編ハピエン~その9
〈譲二〉

本音を言えば、せっかく2人で過ごすんだから、百花ちゃんとの仲はもう少し進展させたいなって思う。

もしも彼女が受け入れてくれるなら……。

無言で彼女をじっと見つめる。

しかし、戸惑ったように見開かれた瞳が、俺を受け入れる余裕などないことを教えてくれた。


(ふぅ…。焦りすぎだな、俺は…)


譲二「百花ちゃんって、ほんとかわいいよね」


百花ちゃんがおずおずと聞き返す。


譲二「考えてること、全部バレちゃってるよ」


そう言って彼女の隣に座ると、また百花ちゃんは腰をずらして離れてすわる。


(だけど、もう逃がさないよ)


それ以上離れて欲しくなくて、彼女の腕を静かにつかんだ。


百花「じょ、譲二さん…!?」


百花ちゃんが一段と高い声をだした。


(怖がらせるのはこれくらいにしとかないとね…)


譲二「男は、みんなオオカミだってこと」

百花「…え?」

譲二「忘れないようにね」


何か言いたそうな百花ちゃんを遮って言う。


譲二「今日はたくさん歩いて疲れたでしょ。そろそろ寝ようか」

百花「えっ、あ…」


ワザとなんでもないように明るく「電気消すよー」と声をかけた。

そのままベッドに横たわる。


譲二「大丈夫? 暗い?」

百花「いえ…」


なかなか寝つけないのか、百花ちゃんが寝返りをうつ気配がした。


(やれやれ……このままでは俺も眠れそうにないな…)


俺は起き上がって声をかけると百花ちゃんを優しく抱きしめた。


譲二「いい夢が見れるように」


そして、緊張で身体を硬くしている百花ちゃんのおでこに軽くキスをした。


百花「え?」


薄闇の中で百花ちゃんが驚いた声を出した。


譲二「ごめんね、緊張させて」


(安心して…。これ以上は何もしないから)


譲二「百花ちゃんが大人になったら、また2人で来よう」

百花「譲二さん…」

譲二「その時はもちろん…キスだけじゃないからね」

百花「!?」

譲二「それまではお預けかな」


(焦るな!がんばれ、俺…)


小さく呟いた言葉を聞き返されて、「なんでもないよ」と答える。

百花ちゃんから離れて自分のベッドに横たわった。

すると、百花ちゃんが「ふふ…」って笑った。


譲二「え?」

百花「なんでもないです」


さっきまでは俺に襲われるんじゃないかって怯えていたくせに…。

今は何が面白いのかあんな風に笑ってる…。

なんだか…こういうところが女の子は謎めいていて、小さな百花ちゃんも大人びたなって思ってしまう。


譲二「おやすみ、百花ちゃん」

百花「はい…おやすみなさい」


茶堂院グループを必ず立て直して、必ず百花ちゃんの元に帰ってくる。

そしていつか…。

百花ちゃんがもっと大人の女性になったら…その時は。


しばらくして、隣からスヤスヤと安らかな寝息が聞こえてきた。


譲二「おやすみ。俺の…百花」


小さく呟いてみる。

いつか、彼女が目を覚ましている時にそう言える勇気が出るだろうか?

 

『茶倉譲二 続編ハピエン』おわり



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