恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

鈴音~その4

2015-05-31 08:03:47 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。

 

 

☆☆☆☆☆

鈴音~その4


〈鈴音〉
半年位前に茶堂院グループの茶倉譲二さんとお見合いをした。

話が弾んで私たちは意気投合した。

だから、茶倉さんも私のことを気に入ってくれたように思えたのに……、先方からは断って来た。


今まで何度かお見合いの経験もあり、断ったことも断られたこともある。

だから気にする必要はない…。

そう自分に言い聞かせたけど、その時はかなり落ち込んだ。



その後も見合いの話はあったが気が進まず、今まで見合いはしていない。


☆☆☆☆☆

お正月に父と一緒に祖父に挨拶に出かけた。


祖父「鈴音もそろそろ結婚話はないのか?」


単刀直入な祖父の言葉に父は苦笑いした。


父「見合いは勧めているんですがね…。最近はお見合いなんかしないと言い張ってて」

祖父「誰か好きな男でもいるのか?」


そう問われて、なぜか茶倉さんの顔が浮かんだ。


鈴音「いえ…」

父「そう言えば最後に見合いした相手は茶堂院の茶倉さんだったね」

祖父「茶倉の? あそこの孫は2、3年前に結婚して子供もいただろう?」

父「いえいえ、それは長男の方で…。鈴音が見合いしたのは次男ですよ」

祖父「次男…? 確か2年位前まで家を継がず喫茶店をやっていたとか言う変わり者だったか?」

鈴音「茶倉さんは変わり者じゃないです!」


思わず叫んでしまった。

二人が驚いて私を見た。


祖父「まあいい。それで…断ったのか?」

鈴音「…」

父「いえ…、それが先方から断ってきました」

祖父「鈴音のどこが気に入らなかったんだ?」

祖父はちょっとムッとしたように尋ねた。


父「鈴音が気に入らないとかではなく…、まだ結婚する気はないとか…」

祖父「しかし…、次男だって30歳を過ぎているだろう?」

父「はい…。ですから、恋人でもいるのかと調べてみました。
喫茶店をやっていた頃は恋人がいたらしいのですが、実家に戻った頃に別れているようです。」

祖父「茶倉家としても跡継ぎになるなら、ちゃんとした家の娘と結婚させたいだろうからな…」


祖父は少し考え込んで、私を見つめた。


祖父「それで、鈴音は茶倉家の次男を気に入ったのだな?」

鈴音「…はい」

父「ですが、会長。向こうはその気はないようですし…」

祖父「しかし、今度のプロジェクトといい、茶堂院グループと身内になっておくのは悪いことではあるまい?」

父「はぁ…。ですが、そんな政略結婚のようなことなど…」

祖父「政略結婚ではないだろう? 可愛い鈴音が気に入った男だ。
父親ならなんとかしてやろうとは思わないのか?」

父「はぁ…」


父の方から、「もう一度見合い話を考え直して欲しい」と先方に申し入れてくれた。

しかし、あちらからは「少し考えさせて欲しい」と言われ、そのままになった。


その5へつづく



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