鼓事記(こじき)|プチ鼓堂 |曽和 鼓堂ブログ

自然に音を愉しんでいただける鼓堂です。

小鼓や能楽お好きでしたら‥。

望月

2009年11月12日 17時26分59秒 | Weblog
本日まだ余韻が残っている為、綴る事にした。望月を打った。何度打っても楽しいし難しい曲である。ある種芝居っぽい能であろう。劇的な展開。テレビのサスペンスドラマの様な、偶然と偶然のドラマ。仇討ちとはそんな感じで展開して行くのは間違い無いであろう。望月の内容は置いておき、とても良い機会を与えて頂き良いお舞台が出来た。テンションも間違いなく良かった。気分の良いお舞台はお客様をも一体となって空間に張りが出ていたと思います。
望月を打つと古き良き時代を思い出す。何の穢れ無し、順風満帆な人生?子供であったが‥平和な人生であった。一所懸命であった‥今もだが。花若がシテに父に逢いたる心地して~っと言う場面に、古き良き父の面影を思う。思わずぐっとくる。仕方ない事であろう‥なんせ花若を勤めさせて頂いた事がある乱能でね。
仇討ちには良き仲間があってこそ成せる技である。時期を見て、勢い間違いなく、作戦を立てて、主君の仇を打つ。本望を遂げる。打つのは小鼓ばかりで無し‥仇もうつ!もちろん小鼓でうつ?主君の思いを胸に、一能楽師として時期を待ち。本望を遂げる事を誓っている。
良きお舞台はわたくしを仕事人にさせてくれる。