日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度導入を盛りこんだ『労働基準法改正案』の国会提出が、とうとう見送られることになりました。(【1月17日産経新聞】与党 残業代ゼロ法案提出見送り確認)
結果論だからいえることですが、制度導入に動いた政・財・官の関係者たちが、「ホワイトカラー・エグゼンプション」という言葉を、日本語としてそのまま使ったことが失敗だった、と言えるでしょう。
「ホワイトカラー(white collar)」という言葉は、そのままで日本語として通用すると思いますが、「エグゼンプション(exemption)」という言葉は、日本語としては認知されていないと思います。
「自律的労働時間制度」とか「労働時間規制除外制度」という立派(?)な訳語があるのに、どうして「ホワイトカラー・エグゼンプション」という日本語としては通用しない言葉を使ったのか
ちなみに、ヤフー辞書で「exemption」を引くと、
1 [U][C]((米))(所得税の)控除(額), 控除対象項目;免税品(((英))personal allowance).
2 [U](…の)免除((from ...))
とあります。
マスメディアが「ホワイトカラー・エグゼンプション」を、「労働時間ゼロ労働」と翻訳して報道し始めた時点で勝負はついていた、ということでしょう。
今ごろになって、「マスコミは『残業代ゼロ』と書くが、『高度専門職年俸制』という言葉を使ってもらいたい」と言っても遅い(【1月17日毎日新聞】<北城代表幹事>「残業代ゼロ制」に独自の言い換え案を紹介)
また、柳沢伯夫厚生労働相は慌てて「年収900万円以上、実際の適用対象は2万人程度」との試算を示したそうだが、これも遅すぎ (【1月18日 産経新聞】「残業代ゼロ」先行 払拭できず 今度は経済界を敵に回す?
私は「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入に「賛成」です。
最も、声を大にして導入を叫ぶような強い賛成ではなく、あっても悪くはないんじゃない、といった程度の賛成です。
今回の顛末をみていて、その昔サッチャー政権下のイギリスであった人頭税騒ぎのことを思い出しました。数々の改革を行うことによって英国病を克服したサッチャーさんも、人頭税騒動がきっかけとなって引退に追い込まれました。
イギリスのメディアは、サッチャー首相が導入した「community charge」を「POLL TAX」(人頭税)といって盛んに攻撃しました。
ですが、税の専門家に言わせると、サッチャー首相が導入した「community charge」は、税理論上非常に合理的なものであったということです。
私の勝手な想像ですが、これがもし日本だったなら、法案の骨抜きとも思えるような「激変緩和措置」を自民党が盛り込んで、うまくやったんじゃないのかな、と思います。
サッチャーさんの人頭税騒動については、こちらのサイトをご参照ください。
【サッチャー時代の英国に学ぶ(8)】人頭税騒動―政権幕引きの前奏曲
結果論だからいえることですが、制度導入に動いた政・財・官の関係者たちが、「ホワイトカラー・エグゼンプション」という言葉を、日本語としてそのまま使ったことが失敗だった、と言えるでしょう。
「ホワイトカラー(white collar)」という言葉は、そのままで日本語として通用すると思いますが、「エグゼンプション(exemption)」という言葉は、日本語としては認知されていないと思います。
「自律的労働時間制度」とか「労働時間規制除外制度」という立派(?)な訳語があるのに、どうして「ホワイトカラー・エグゼンプション」という日本語としては通用しない言葉を使ったのか
ちなみに、ヤフー辞書で「exemption」を引くと、
1 [U][C]((米))(所得税の)控除(額), 控除対象項目;免税品(((英))personal allowance).
2 [U](…の)免除((from ...))
とあります。
マスメディアが「ホワイトカラー・エグゼンプション」を、「労働時間ゼロ労働」と翻訳して報道し始めた時点で勝負はついていた、ということでしょう。
今ごろになって、「マスコミは『残業代ゼロ』と書くが、『高度専門職年俸制』という言葉を使ってもらいたい」と言っても遅い(【1月17日毎日新聞】<北城代表幹事>「残業代ゼロ制」に独自の言い換え案を紹介)
また、柳沢伯夫厚生労働相は慌てて「年収900万円以上、実際の適用対象は2万人程度」との試算を示したそうだが、これも遅すぎ (【1月18日 産経新聞】「残業代ゼロ」先行 払拭できず 今度は経済界を敵に回す?
私は「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入に「賛成」です。
最も、声を大にして導入を叫ぶような強い賛成ではなく、あっても悪くはないんじゃない、といった程度の賛成です。
今回の顛末をみていて、その昔サッチャー政権下のイギリスであった人頭税騒ぎのことを思い出しました。数々の改革を行うことによって英国病を克服したサッチャーさんも、人頭税騒動がきっかけとなって引退に追い込まれました。
イギリスのメディアは、サッチャー首相が導入した「community charge」を「POLL TAX」(人頭税)といって盛んに攻撃しました。
ですが、税の専門家に言わせると、サッチャー首相が導入した「community charge」は、税理論上非常に合理的なものであったということです。
私の勝手な想像ですが、これがもし日本だったなら、法案の骨抜きとも思えるような「激変緩和措置」を自民党が盛り込んで、うまくやったんじゃないのかな、と思います。
サッチャーさんの人頭税騒動については、こちらのサイトをご参照ください。
【サッチャー時代の英国に学ぶ(8)】人頭税騒動―政権幕引きの前奏曲