二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の生涯、幼少期

2016-05-17 10:16:47 | ■工房便り 総合 
それこそ、本当に、幼少期でしょうね。

木も育っていない、皮も育っていない状態が、購入したばかりの二胡です。

いつの日にか皆さんの二胡が、皮が振動しなくなって、皮を張替えた時には、

木は相当育っていますから、最初に購入した時とは違います。

皮だけが、育てばよいのですから意外と、2,3ケ月で、元の鳴りを取り戻したりもします。

ところが木が新しいと、やっと二胡の音になってきたなと思うような音になるには、

2年ぐらいかかります。

と言われていますが、実際には何とか良い音だなと、となるには、大体、弾き込み時間で言って、

300時間ぐらいではないでしょうか。

一日、一時間きっちり弾いて、約一年くらいでしょうね。

皆さんよく、二胡何年やっていますか、などという話をされています。

でも本当は何時間弾いてきましたかの方が正しいような気がします。(パイロットの操縦時間と同じですね)

楽器が育つということもありますし、腕が育つのも、むしろ時間のような気がします。

それも良い音を出そうと、真剣に弾き込んだ状態でです。

単にこの曲弾けるようになった、という事ではなくです。。

光舜堂に来られるお客様の中には、この楽器音が小さいのです、という方も多いです。

楽器を見せてもらうとかなり厚い良い皮が使ってあり、木も硬いチンチャンであったりすると、

相当しっかり引き込まないと、音も大きくはなりませんし、良い音色にもなってきません。

その点で、花梨や、インドの小葉紫檀などの、比較的柔らかい木は、育ちも早いようです。

また、北京系の薄い皮の楽器は、蘇州系の楽器よりも育ちは早いです。

蘇州系が300時間かかるとしたら、100時間もかからずにずいぶん良い音が出てきます。

それででしょうか、比較的強い音の出る北京系の楽器に人気があるのは。

このように、楽器そのものの違いで育つのに時間がかかります。

皮が厚ければ、振動し始めるのに時間もかかりますし、

木が硬ければ、さらに時間はかかります。

同じ紫檀なのに、とお友達とほとんど同時に購入したのに、なんだか鳴りが違うという方もおられるでしょう。

その時には、皮の厚みを比べてみて下さい。

胴の浦から覗いてみると、光の通し具合で皮が厚いかどうかはわかります。

これは二胡を購入する際にも、選ぶ一つの基準になります。

薄ければ音は大きく、厚ければ音は小さいです。

但しこれは弾き込む前の話。

きちっと300時間かけて育てると、厚い皮でもしっかりと鳴りますし、

音色の重厚さという点では、薄い皮より勝ると思います。

このことはかなり、微妙な話です。

皮がうすくても、弾力のある柔らかめの皮であった場合、耐久力もあり、ふんわりと良い音色に育つことも多いです。

そうですね皮にもいろいろあります。

何が違うかというと、鱗の硬さが違います。

これは脱皮してどの位立ったかでその皮の柔らかさが変わるのです。

比較的皮全体がつるっと、鱗の凸凹もない物は、脱皮阿してからの時間が短く

反対に脱皮し寸前であったりすると皮が指で触ってもごつごつしています。

このごつごつした一つ一つの鱗がハッキリと指に触ってわかるようなものは、

耐久力としては短いですが、(たぶん10年くらい)強い音を響かせます。

それに、ホンジュラスローズやチンチャンなどの比較的硬い木である場合、とても立派な音になります。

見た目に鱗の一つ一つが目立たず、何となく蛇柄という感じの、比較的にぺったりした布地のような感じの皮は、

これは柔らかい音色をかなり長時間にわたって響かせます。

皆さん、何台か持っている人は、その辺皮の感じを比べてみて下さい。

そして、意外と雑音が楽器の初期状態の時には、このぺったりした柔らかい感じの物が、多いです。

木が育っておらず、皮だけがかなりはy目に育って良く振動するせいか、

ウルフ音も出やすいです。

しかし、きちっと弾き込むと、このウルフ音はなくなります。

楽器を弾き込み始めて、しばらくすると音の裏返り音が多い時期に出会う経験というのは皆さんお持ちだと思います。

このあたりは、次項で、

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