二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

三越の展覧会終わりました。

2010-10-27 09:01:09 | ■工房便り 総合 
70名を超える二胡関係の方に御来場いただきました。

ありがとうございます。

去年の3月、新宿のオゾンで始めて皆さんに弾いてもらおうと、

展覧会に二胡展示しました。

その時には、数名の方お知り合いになれ、とてもうれしかったです。

光舜堂を始めて、やっとどうにか納得できる、二胡が作れるようになり、

みなさんにも、なかなか良い楽器ですねと、

日本製の二胡に違和感なく接していただいたのが、

ホントに幸せです。

しかし、単に、日本人が作っているというのでは、情けない気がします。

物つくり日本と言われる、ぐらい工芸の盛んな日本ですから、

やはり、ビジュアル的にも、もちろん音色的にも、

それなりの知恵と工夫と、表現しなければならないでしょう。

ビジュアル的に言うと、

中国人の方たちの方が、いま私の作っている二胡の形に抵抗がないというのには

驚きました。

本国では、二胡作家の方たち、様々に工夫を凝らして、

デザインされているようです。

むしろ、日本人の方たちの中に、

この形は、二胡の形ではないと拒否反応を示される方がいらっしゃたのが、

驚きでした、し、印象的でした。

音的には当然、子供のころから二胡に接している、中国人の方、

特にプロの方(ジョージガオさん、劉継紅さんを除く)が、

これは二胡の音とは少し違うね、もう少し濁りも欲しいし、

こんなに、弾きやすくない方が良い?

弾きやすすぎるのは、駄目?

元々、チェロなどやっていて、周りにバイオリン弾く人や、作る人が多く、

鳴りと、弾きやすさを求めていると、思いこんでいた私としては、衝撃でした。

最近解ってきたことは、

何台かの、名人作と言う二胡弾かせてもらって、

そうとうシッカリと音出しをしないとそれらの楽器は鳴らないということです。

かなり気合いを入れて、と言う感じですかね。

力ではなく、気、ですね。

この感じがつかめたと思います。

その時に、西野二胡は、鳴りすぎてしまうようです。

ただ、その気をいれて、と言うのを会得するには、相当の時間がかかるようですね。

これは、二胡独特の世界かもしれません。

ただ、私の考えている二胡と言うのは、

むしろ、始めて弾いた人でも簡単に音が出て、

当然、プロが弾けば、あらゆるテクニックに敏感に反応するという、

完成度の高い楽器、

皮が鳴らす、二胡の良さ、揺れる良さが、誰にでも弾きだせるような、

全音クリアーに出る楽器、(理想としては)

それが出来たとしたら、こんなに弾きやすく良い弦楽器は無いのではないでしょうか

もちろん、今までの二胡、高音が出にくく雑音も多少あるというのは、とても魅力はあるのです。

中国の二胡の曲と言うのは、その方がむしろ似あった音色ではないかと思います。

でも、それ以外の、クラシックや、ポップスなど弾く時や、

或いは、初心者が二胡になじんでもらうためにも、

弾きやすいというのは、大切なことではないでしょうか、

中国の中で中国の曲を弾くためだけなら、もちろん今までの二胡の構造で良いのかもしれません。

でも、クラシックや、ポップスなどに慣れ親しんできた耳を持つ日本人には、

或いは、バイオリンやチェロなど、また三味線や三線など弾かれてきて、

弾けば直ぐ鳴るという楽器に慣れてきた方々は、どうなのでしょう???

最近無錫の除さんの作った、詩韻と言う楽器を弾かせてもらいました。

驚いたのは、とても弾きやすく、誰でもすぐ音の出せる楽器でした。

話を聞いたところ、中国でも最近は弾きやすく、ボリュームのある楽器というのが、

求められてきているとのことです。(まだまだその数は少ないようですが)

ですから、その「詩韻」はコンクールで銅賞をとったそうです。

楽器はまだまだ進化します。

特に二胡は、まだ今の金属弦になってからは、まだ40年もたっていません。

北京系などは、30数年というくらいです。

私も、この二胡の進化に一役立てれば、二胡作りで最期を飾りたいという思いが、

充足できるかもしれません。

展覧会にいらして下さった皆様、

或いは、いらっしゃれずとも、応援して下さっている皆さまに、

改めて、御礼申し上げます。

光舜堂  西野和宏



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5 Comments

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お疲れ様でした (Jimmy)
2010-10-27 21:45:10
最近いろいろな方とやり取りをしている中で、、、
雑音が出るなら出ないような弾き方とか、ハイポジションの音が出にくいなら出るような弾き方を習得したいという方が多いように思うようになりました。特に光舜堂にあまり興味を示さない方々に多いような気がします。単なる印象ですが。。。(笑
ワタクシの考え方とは真逆なのですが、
それはそれで技術を磨くってことでは有なんでしょうね。それを否定はしません。むしろ凄いなぁと感心しています。

生意気ですが、
そういう考えもあるってことを知っていつつ、西野さんの目指す楽器作りにまい進すれば良いと思います。
やはり、他と一緒で良いのであれば西野二胡の存在意義、その技術は不要なものになってしまうように思います。

詩韻を弾いたことはありませんが、一部を除きやはり全体としては高額な印象です。なかなか手に入れにくい感じです。

そういえば展示してましたかね。
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弾きやすさ (るつ)
2010-10-28 10:46:44
西野さんの二胡のような弾きやすい楽器が出てくることで、二胡という楽器が、より誰にでも楽しんでもらえる楽器になればいいなあ、と思います。
バリバリ中国曲を弾けるプロを目指す人にだけでなく、誰もが手軽に手にとれるような。

プロも素人も弾ける楽器って素敵です。
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jimmyさん (nishino)
2010-10-28 17:34:00
人それぞれですかね。

でも、あれだけどんな音でも出せる、大御所もジョージガオさんも、もっと高音でるようにと、私にもいい、彼の名人にも皮の張り替え要求するということは、どう考えたらよいのでしょう?鳴らない楽器で、それを鳴らすような努力をすると、今度は、鳴りやすい楽器だと、簡単に音が出るため、表現の方法が変わってくるかもしれませんね。
私が考えているのは、楽器(楽しむ道具)と言うことです、弾きやすく楽しめる。
プロの為には、別のクリアーしなければならない問題もあります。
とにかく音楽、二胡楽しみましょうよ
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るつさん (nishino)
2010-10-28 17:39:08
これだけ弾きやすい弦楽器なかなか無いですから。
もっと弾きやすく、弾く人の感性に素直に反応できる楽器。
イメージをより広げてくれる楽器。
ほんとに良く作られた、中国の名人たちの作った楽器は、弾きやすいですし、音も全部良くでますよ。
プロの使っている楽器は、みんなそうではないですか?
唯、殆どがプロの為で、日本の私たちには入ってこないということではないでしょうか?
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それはですね(笑 (Jimmy)
2010-10-28 21:06:34
誤解しないでくださいましね。
ワタクシ自身は西野さんの楽器作りの方向性には大賛成なんですよ。

出ないものを出るよう様な弾き方っていうのは、G.Gさんなどの超ハイレベルのことではないのです。

自分の楽器を先生が弾くと自分以上の音が出るとか、雑音が出ないとかっていうよくある話のレベルです。その差を埋めたいということですね。

それはそれで良いと思いますが、ワタクシはそんな努力をしなくても、ちゃんと音が出る楽器を使う、もしくは出るように直して、もっと他に(表現力とか)腕を磨いた方が良いかなって思っています(笑
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