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金沢ミステリ倶楽部

金沢ミステリ倶楽部の公式ブログ。

参加・見学してみたい方はメッセージを送ってね。

ミステリとの出合い

2024年05月21日 19時11分55秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部部員のミステリとの出合いについて載せます。

嵩平何
ミステリに出合ってから、そのジャンル読者となるまでには十年の月日を必要とした。
ある程度纏まったミステリ体験としては、ズッコケ三人組シリーズに始まる。著者の那須正幹がジュブナイルミステリ書きだけあって、多くの作品にミステリ的な趣向が凝らされ、全作愛読するに至った。
特にミステリ的なところに惹かれたという点ではマンガにおける体験が大きい。金田一少年の本格推理部分に夢中になり、友人とミステリ談義をするほどに。少し時を隔て出合った名探偵コナンや加藤元浩「Q.E.D.」とは現在にまで至る長い付き合いとなる。コナンの名探偵図鑑を通じて浅見光彦シリーズの面白さにも開眼し、全作を読み尽くす。
ミステリや小説の自由さ、そしてそれらがもたらす衝撃を実感したのが『迷路館の殺人』である。あとは新本格等から黄金期へ遡るお馴染みのルートなので以下略。ミステリに取り憑かれたことを自覚したのは意外に遅く、高校二年生の頃であった。


ミステリと私

2024年05月20日 19時53分18秒 | 例会
赤いロメロと緑のダリオ

ミステリは私にとって大切な友人である。
ただし、一緒にいて心地よいミステリもあれば、私の心をざわつかせるミステリもある。ミステリからちょっと距離を置きたいときもあれば、片時も離れずべったりしたいときもある。ワクワクハラハラさせてくれたかと思えば、しんみりまったりさせてくれることもある。
全く理解できないと、壁に投げつけたいヤツもいたし、これは最高の感動を与えてくれたと、神棚に供えたいヤツもいた。
いろんなミステリと出会ってきたが、これからもミステリとは長い付き合いになるだろう。
言い換えれば、私が人生の幕を閉じるその時まで、ミステリからは離れられない、ということだ。


第6回例会報告「<引き立て役倶楽部>の不快な事件」読書会

2024年05月19日 19時51分00秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第6回例会は2008年10月18日に富山で開催しました。
参加者は9名で今回は短編の合評ということで、その場で「<引き立て役倶楽部>の不快な事件」を読み、意見を交換しました。
作者はアフリカ人ジャーナリストのW・ハイデンフェルトというかなりマイナーな方で、引き立て役倶楽部の他には「月の光」と「贋作『第二の血痕』」の二作を書かれているようです。
引き立て役倶楽部は様々な推理小説に登場するワトスン役が集まる倶楽部のお話で、それぞれのキャラクターの扱いなどに注目した意見が出ました。
メインとなる密室トリックについても、意外に複線をしっかり張っていること、この雰囲気の短編だからこそ許されるトリックという話も出ました。
たしかに1000枚級の長編でこれをやられると壁に投げつけたくなるでしょうね(笑

第5回例会報告『ソルトマーシュの殺人』読書会

2024年05月18日 19時51分00秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第5回例会は2008年9月23日に開催されました。
参加者は6名で、グラディス・ミッチェルの『ソルトマーシュの殺人』を合評しました。
作者グラディス・ミッチェルは、日本ではあまり作品が翻訳されておらず、そのため、いわゆる黄金時代の末期に活躍した過去の人だと思われてきたふしがありますが、実は女王アガサ・クリスティに匹敵する作家歴をもち、ときにクリスティやセイヤーズと並び称されるほどの存在として、本国では非常に評価の高い作家であります。
彼女は、精神分析学者で、魔女の血を引くともいわれる名探偵ミセス・ブラッドリーを探偵役としたシリーズで、英国ファルス・ミステリを代表する作家となりました。
今回の合評では、主に、ミッチェルのオフビートな魅力・・ファルス・ミステリとは何かということや、彼女が生んだ、ミセス・ブラッドリーについて語り合いました。
お約束の展開をはずしたり、本来なら盛り上がるはずのないところで突如盛り上がったりする面白さは、ミッチェルの魅力ですが、奇抜でエキセントリックな内容であるにも関わらず、その語り口は全く扇情的ではありません。
そのミスマッチさ、オフビートな魅力は、トリックやフェアプレイを重視する読者には、なかなか受け入れにくいものがあるかと思われますが、しかしそここそ、彼女の作品を際立たせる、独特の魅力として、ミステリの奥の深さ、幅の広さを読者に感じさせるでしょう。
ミッチェルがその中に入る、「ファルス派」ですが、代表的な作家には、ミッチェル、マイケル・イネス、エドマンド・クリスピンなどがいます。
奇人変人が多数登場し、ひねったユーモア、奇想、ドタバタ騒ぎなどを特徴とするファルス・ミステリは、英国ミステリの重要な一翼を担ってきました。
日本ではあまり多数の読者を獲得してはいないと思いますが、ミステリは奥が深いなと思わせられる作品が多くありますので、皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか。
合評の他にも参加者のオススメの本の紹介をしたり、推理ゲーム「クールド」をしたりして楽しみました。

第4回例会報告「海外ミステリの面白さを語ろう」

2024年05月17日 19時40分41秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第4回例会は2008年8月23日に開催された東京創元社相談役の戸川安宣さんをお迎えしての石川県立図書館のおしゃべりサロン「海外ミステリの面白さを語ろう(海外編)」への参加としました。
全体で20数名の参加で、当部からの参加者は8名でした。
各自のおすすめの海外ミステリの紹介の後、戸川さんが海外作家からサインをもらった時の話をうかがいました。特にドン・ペンドルトンからサインをもらった時が一番心に残っているとのことでした。『ダヴィンチコード』の翻訳者越前敏弥さんが金沢市出身ということで、翻訳の話になり、平井呈一さんの訳は英語と完全に一致していないが怖いとか、都筑道夫さんが子ども向けに翻訳を頼まれたがとても子ども向けの内容ではなかったので、登場人物と設定だけ借りて作り、後日それが少し変えた形でまた別の叢書に使われたとか、訳者によって得手不得手があるとか、元編集者ならではの裏話が聞けました。