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金沢ミステリ倶楽部

金沢ミステリ倶楽部の公式ブログ。

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島田先生と金沢

2015年12月20日 12時24分00秒 | ミステリin金沢
『本格ミステリーワールド2016』南雲堂

「作家の計画・作家の想い」の島田荘司先生の文章を見てびっくりしました。

映画「星籠祭り」がすんで落ち着いたら、金沢舞台の吉敷ものを、久々に書く予定にしています。これは初体験の、全国七紙に配信しての新聞連載。連載開始は再来年で、北國新聞を軸に、秋田から神戸、広島、熊本までをカヴァーします。
各紙の連載時期はズレており、最後の紙が終了するのは18年秋になります。終了と同時に文藝春秋で上梓。それまでに脚本化し、全国金沢ロケで映画も完成しておいて、上梓と同時に映画も公開、とそういう段取り。しかしこれもまた、果たして計画通りにいくものかは未知数。
金沢は映画向きの美しいたたずまいの街。しかし現代物の金沢映画はまだないのだそうで、すべて時代劇。だから初挑戦ですね。こちらも、吉敷ものだけどマジックのような不思議な展開を夢想しています。果たしてうまく行きますか、こちらもまた挑戦。
(p103)



島田先生の金沢に対する想いと、本気度が伝わって来て感動しました。

『十津川警部金沢・絢爛たる殺人』

2015年12月17日 06時53分00秒 | ミステリin金沢
『十津川警部金沢・絢爛たる殺人』西村京太郎 講談社 2007

東京のビルの屋上で能面姿のまま男が殺されていた。
その舞いを見た異国の大統領は金沢へ移動した。
それを追って十津川警部は金沢へ。

十津川と亀井の方が、先に浅野川のほとりに着いた。
金沢市内を、二つの川が流れている。西を流れるのが、犀川で、男川と呼ばれ、この川の近くに住んだ室生犀星が、犀川の思いを、詩に詠んでいる。
これに対して、金沢市の東を流れる浅野川は、その優しいイメージから、女川と呼ばれる。浅野川の方は、この川の近くに住んだ泉鏡花の多くの作品で知られているが、特に、「滝の白糸」で、有名になった。
(p60)


わざわざヘリコプターでビルの屋上に移動し、加賀宝生の能を舞った男をどのようにして殺したのか、すごい不可能犯罪かと思いましたが…。

『金沢・加賀友禅殺人事件』

2015年12月14日 00時00分00秒 | ミステリin金沢
『金沢・加賀友禅殺人事件』本城英明 小学館 2008

伝統工芸文化館の警報によって駆けつけた警備員と警官が殺害された。
警察庁広域特捜官が石川県警に殺人事件の応援に行くが、石川県警の捜査陣は盛り上がりに欠けていた…。

全国に警察庁から派遣される捜査官が金沢で昼食をとるシーンです。

「金沢ならハントンライスですね」叶野が即座に断言した。
「何だい、それ」
「よく知りませんが、金沢名物だそうです」
「治部煮とか蟹とかじゃなくて?」
(p42)
喜んでトンカツを食べるような年ではない-ハントンライスにごっそりと載った揚げ物を見て、梶山は溜息を漏らした。白身魚のフライとエビフライ。しかもその上にはタルタルソースがたっぷりかかっている。フライの下は薄味で仕上げたオムライスだった。美味いが、やはり胃にもたれる。文句をつけたが、叶野はまったく意に介さず、大盛りにしておかなくて失敗だ、と悔やんだ。(p44)

ハントンライスは金沢で生まれたそうです。
トンはハンガリー語でマグロで、マグロのフライとエビフライをのせたオムライスです。
ハンガリー語のトンがのったオムライスで、「ハントンライス」というそうです。
グリルオーツカのハントンライスが有名で、昼食時には行列ができます。
小説中でも書かれていますが、カロリーは高めです。
グリルオーツカのハントンライスは普通サイズでも結構ボリュームがあるので、決して大盛りを頼まないようにしましょう。

『暗号名は「金沢」』

2015年12月13日 00時02分00秒 | ミステリin金沢
『暗号名は「金沢」』西村京太郎 徳間書房 2015

太平洋戦争末期、連合国が発表したポツダム宣言に対して日本政府は真っ二つに分かれていた。そして連合国側も様々な思惑があった…。

「原子爆弾の威力について、京都帝国大学の仁科博士に聞いております。もし原子爆弾が、金沢に投下されれば、金沢の都市としての機能の約半分は失われてしまうだろと、説明されました。更には、市民の死傷者数は、五万から十万にのぼるだろうともいわれました。」(p82)



仮想戦史を話題にして十津川警部が話し合いの司会をしますが、これは長編歴史トラベルミステリーなの?と思ってしまいました。
金沢は原爆の候補地だったという話は聞いたことがありますが、まさか〇〇になっているとは。
どこまでが本当の話なのか、不思議です。

『寝台特急北陸58分間の密室』

2015年12月12日 00時47分00秒 | ミステリin金沢
『寝台特急北陸58分間の密室』金久保茂樹 徳間書房 2002

金沢の百貨店で開催されている版画展で見た絵に不審を感じた主人公は、新潟県で殺人事件に巻き込まれる。
そして新たに寝台特急北陸で首吊り死体に遭遇する。
席には鮭も一緒に吊るされていた。

主人公が広坂を歩いていますが、今はもう県庁はなく、中央公園も四高記念公園に変わっています。

日本海からの寒風が、襟元から忍び込み、思わず冬木は、肩をそびやかせた。
石川県庁を右に見て、辰巳用水に沿って東西に延びている坂道を西に進むと、右手に広がった中央公園の樹々は、すでに紅葉色に染まっている。
やがて、南北に延びている、市内の目抜き通りの百万石通りに出る。
その角の信号の周辺が、市内最大の繁華街・香林坊だ。
(p13)



水戸黄門の印籠のように主人公が友達の警視正からの手紙を捜査陣に見せて捜査情報を得るのが笑えます。
時刻表トリックは乗り換えがかなり細かいです。
ミステリ的には鮭と共犯者の扱いが?でした。