金沢ミステリ倶楽部

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ミステリとの出会い

2024年05月12日 19時13分21秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部部員のミステリとの出会いについて載せます。

吉幡
おぼろげな記憶だが、小学校低学年の頃から「古畑任三郎」「金田一少年の事件簿」「銀狼怪奇ファイル」「サイコメトラーEIJI」といったドラマを好んで観ている子どもだった。当時のドラマは現代ではお目にかかれないような残酷描写の連続で、トラウマになってもおかしくない内容だったが(実際何度も夢にみたり眠れなくなったり)、数多の謎や事件の魅力に抗えず、毎週胸を躍らせていたのだから、ミステリ好きの根底となる部分はこの頃に形成されたのだと思う。
他にも「金田一少年の事件簿」と「名探偵コナン」のアニメがゴールデンタイムに放送されていた時代だったので、小学4年生の時にはクラスの出し物で「金田一少年の事件簿」パロディの劇をすることになり、クラスの中でも「そういうのが特に好きなやつ」だと思われていた私は台本を書く係に選ばれてしまった。嫌々でもやるからには良いものを作らなければ……と変なプライドもあって、母親のパソコンを借りて泣きながら必死で仕上げて大変な作業だったが、今では良い思い出だ。
それから小学校の図書室に通い、シャーロック・ホームズシリーズやアガサ・クリスティーの作品など海外ミステリを読み漁るようになった。この頃に手にとった本の内容についてはかなりうろ覚えで、ちゃんと理解できていたかは怪しい。ただひたすらに新たな謎に出会うことで開ける世界に夢中になっていた気がする。本格的にミステリにハマっていったのは中学に入ってからで、金田一少年の元ネタを知ろうと『占星術殺人事件』や『八つ墓村』、『獄門島』、『犬神家の一族』あたりから読み始め、友人に勧められて読んだ有栖川有栖先生の『月光ゲーム』で完全にのめり込んだ。作家アリスも好きだが、学生アリスシリーズは定期的に読み返したくなる。『双頭の悪魔』で作中で3回も「読者への挑戦状」が登場した時のときめきは忘れられない。できることなら記憶を失ってもう一度読みたい作品が多すぎる。