森の庭師

2011-07-18 08:20:14 | ①造園

今、山歩きをすると、人工林がほとんど手入れをされていない状態で荒廃しているのが目立ちます。

下草は絶え、下枝は伸び放題。

その結果、森は、見た目が美しくないというだけでなく、貯水や治水、山地の崩壊防止といった自然のダムとしての役割も果たせなくなっているのです。

森は、人の手が入らないとどんどん荒れてしまうという。

人の手入れが必要なのは、森も庭と同じなのだ。人はもっと森に関心を持つべきだと思います。

そのためには、人に興味をもってもらえる魅力ある山をつくることが大切だ。

人が作った庭には、作る人や持ち主の個性が表われる。同様に森林や山にも、景観の美しいもの、美しい花の咲くものなど、さまざまな個性がある。

たとえば登山コースは、景観や植生も楽しめるし、年中、陽の射すはだか山で四季折々の草花を手軽に楽しめる。

それぞれの森林の持つ環境や雰囲気を大切にしながら、森を守り、育てていくことは、まさに自然界における「庭師」のような存在だ。

今後は、森に生えている木や草花に解説付きの名札を付けることで、子どもたちが親しみやすい森づくりを考えてはどうか。

感性を磨き、情操を育むうえで、五感を使って大自然と触れ合える森は、格好な自然体験の場所です。

そう考えると山や森は市民にとって、気軽に足を運べる「庭」のようなものだ。子どもたちが山や森を自分の「庭」として育つことができれば、大自然の恵みは、必ずや豊かな心をもたらしてくれるに違いないと思いますが・・・