石組みメインの和風庭園

2017-08-23 13:57:08 | ①造園

今回は建築前のスペースに、和風イメージの庭園を構築する案件です。
ご依頼主様所有の広〜い土地にワンポイントとなる構造物を構築していきます。

本当に広い土地に、目を引くようなカッコイイ構造物になるようにアイデアを絞って
いきます。
ご依頼主からは

「石組みがいいな。それもでっかい石を使った。」

とのご希望が。
この「でっかい石」「石組み」をキーワードに、建設前の土地に大石を搬入して
いきます。

この構造物の一番の大切なパーツになる大きな目に付くような大石を、正面にど~んと
据えます。
まずキッチリ床堀をして、つき棒でしかっりと突き固めた後にかませ石でしっかり
固定します。
地味な作業ですが、こういう工程をきっちりやることで数年後にゆるんできたりしない
ようにします。

庭園をどのように完成形にもっていくかはいつも悩むところではあります。
3石組みや花壇の様にぐるりと囲むか…
最終的には小さな枯山水の池のようなイメージで仕上げる事にしました。

大きな石を滝石代わりにして、その周囲に流れようの石を組み上げていきます。

若い彼らが頑張ってくれています。少しずつ完成に近づいています。
最後の段階の処理です。
水溜りの池は周囲よりも少し下げて、水の流れている川の雰囲気を作り上げていきます。
滝口から水が流れているようなイメージで砂利を敷き詰めばほぼ完成です。

石組みメインの和風庭園1

石組みメインの和風庭園2

石組みメインの和風庭園3

石組みメインの和風庭園4


石組の周囲に植物を配置するともっと雰囲気が良くなりますね。オモト、ヤブランなどがいいでしょうね。
最後に前石を置くのですが、これは御影石の切石を代用することで、わざと崩した感じに仕上げました。
本当はモミジ、あるいはウメなんかを池の中にさしかけるとぐっとイメージアップするのですが…

今回はここまでで工事終了という事になります。
本来は池の流れをもっと大きめにとるなど、いろんな手法が有ります。出せばキリがありませんが。
今回は予算の関係でこのぐらいのミニ石組みになりました。

昨今では和風の石組みなどなかなかされない方が多いので、若いスタッフたちには勉強になると思います。
今回は崩した感じで仕上げましたが、最近ご無沙汰の本格的石組みの庭がやりたいな~って感じですね。
ぜひ、どなたかご依頼お待ちしております!!


施工に関するご相談・お問い合わせなど、お気軽に送信フォームからお送りください。

庭の設計・維持管理

2017-08-14 16:09:48 | ①造園


最初の写真は、玄関から門扉を出た隣接する道路から撮影したものです。
塀の間に階段があることから、かろうじて「ここからお家の方へ入れるのかな?」
と思えるほど、お宅が木々から囲われて見えなくなってしまっています。
ここまでの姿は一般的なご家庭ではなかなかお目にかかれませんが、
正直悲しくもあり、「ここまで植樹する必要があったのか」と
若干腹立たしくもなってきます。

ということで、今回は庭木の樹木の整理が主な仕事です。

とにかく「藪」。
実際に目にして、庭に足を踏み入れるとこの言葉がいちばん適当に思える程、
荒れていました。
樹木を植栽される時に「何で相談してくれなかったの?」
そんなお宅が以外に多いんです。

庭の美しさは、工事が終わってからの維持管理によって確実に違いがあらわれてきます。
「ここに木を植えよう」と植樹した時点でのイメージがありますよね。
しかし時間の経過と共にその木々が庭の景観は変えていく姿を、一般の方ではなかなか
想像できません。
その庭の5年後、10年後をイメージしながら木の種類や植樹の提案、手入れをするのも
造園技能士の仕事です。

一本、一本の枝から「これから伸びる方向や他の枝と絡まないか」や
今は細くても将来は中心にする枝を選ぶなどを見極め、芽・枝の生長を考えた的確な剪定
をしています。

今回の場合、剪定では間に合わないほど、樹木が多すぎますね。
本当はすべての木を、移植して生かしたいところなんですが…
時期を選んでも枯れてしまうことがあり、昔ながらの高度な技術が必要とされます。
例えばカキノキのように移植が難しい木を動かしたときなど、プロの庭師にとっても
大きな満足感があります。
ですが今の状態では、殆んど無理です。


植樹して後に邪魔になったら排除する


庭の維持管理 外観写真1

庭の維持管理 外観写真2

庭の維持管理 外観写真3


改めて思うのは、大きくなったらどうなるかってことを考えればここまで植栽する必要あったのかなと。プロの仕事としてはもっと樹木を活かす仕事がしたい!!
これが希望です!!

もちろんお庭を改修するには工事費用も必要になります。なんとなく敬遠されている。これが現状でしょうか。
しかし色々、方法はあるんですよ!!

細長い庭
三角形の庭
広い庭

など与えられた敷地の個性を活かしながら、植木や石、草、花など素材の持ち味が十分に発揮できる庭を提案して造ります。
ベランダや屋上、ガレージの上など、どんなスペースでもお任せください!!

たとえ1坪の土地でも植木1本、石1個でまとまりのある坪庭を完成させます。

こんな感じで仕事に取り組みます。
もっと活かしたい(緑を)!!

ところで、このお庭どんな感じになるか…楽しみです。

施工に関するご相談・お問い合わせなど、お気軽に送信フォームからお送りください。


造園業=エクステリア業

2017-07-02 14:50:36 | ①造園
先日のことですが、おつきあいのある「造園業」の先輩から電話がありました。
その先輩とは久しぶりに話すということもあり、近況など他愛もない話しからスタートしました。

電話の内容は次第にお互いの仕事の話へ。
その会話の中で、やはりというか改めて認識させられたのが、

「造園業」=「植木屋さん」

これって「間違いかっ!?」

って言われると「間違ってはいない」。でも正解でもありません。

「造園業」=「植木屋さん」という認識をされている方が今だに非常に多い。
これまでも幾度となくこういう局面に遭遇してきましたが、先輩とこの現状を憂い気がつけば随分と長い時間電話をしてしまいました。

今のままではいけない。
「やはり情報を発信し続けなければならない!!」と話が盛り上がりました。

ずっと長い間,剪定のみの仕事をさせていただいていると、気づかないあいだに庭にカーポートがつけてあったり、土木的な工事を他の業者がしている事がときどきあります。
非常に悲しいです。
「こんな事ぐらい私達でできるのに…」
と思うことが多々有ります。
ですが、この現状を変えていかなければいけません。

元々「造園業」とは、造園空間を設計、監督、施工する業種のことを指します。
建築物以外の空間、一般住宅で考えると、所有する土地内の住宅以外の範囲を造園空間と言い換えることができます。最近の言葉で言い換えると「エクステリア業」です。

「造園業」=「植木屋、外構工事、エクステリア関連工事」
できるんです。
(すべての造園という名の看板を掲げている会社がそうとは限りませんが…)
駐車場拡張などの外構工事、エクステリア工事大歓迎です!

ただ造園業って名前にはこだわっているんです。
この辺ご理解していただきたいです。

ホームページからの新築外構工事の問い合わせも増えてはきています。
とにかく外の仕事を、頼まれる時はご相談してください。よろしくお願いしたいです。

施工に関するご相談・お問い合わせなど、お気軽に送信フォームからお送りください。

福岡県中間市造園工事 延段設置

2017-03-15 00:42:19 | ①造園

和風庭園の玄関に続く通路、いわゆる良く言われる延段です。

やっぱり自然石で作った通路はいいですね~。
年を重ねるごとにその良さが、際立ってきています・・・

「延段」と言えば京都の「桂離宮」と言われれくらいその庭園には幾つもの「延段」が
配置されています。
(「延段」と対比される「飛び石」も配置されています)
その姿は庭園と見事に調和し美しい情景を作り上げています。
その桂離宮などの日本庭園に使われる延段の形式は3つあります。

延段

1つ目は「真の延段」。
角状の切石のみを使用した、3種の中では一番格調の高い様式です。
基本的に直線を基調として敷かれており、玄関近くなどの形式を重視した場所に使われます。
正方形の切石を碁盤のように敷き詰めた市松敷き、細長い短冊石とよばれる切石を使った短冊敷き、煉瓦のように切石を敷いた煉瓦敷きなどがあります。

2つ目は「行の延段」。
切石と自然の石を交えて敷かれた、真の延段に比べると少し趣のある様式です。
自然石を使った柔らかな雰囲気の曲線は庭のアクセントとして効果的です。別名を寄石敷(よせいしじ)きとも呼び、玉石と短冊石を混ぜて敷くことが一般的です。

最後は「草の延段」。
自然に丸みを帯びた玉石などを使用した様式です。
要素が曲線で構成されていて、素朴で自然な仕上がりとなります。侘び寂びの趣を表現したい時には大変有効です。大きめの玉石を使うと霰崩(あられくず)し、小さめの玉石だと霰零(あられこぼ)しとよばれる敷き方になります。


今回は自然石で、張り合わせ御影の石、電車道に引かれていたものを活用して組み合わせてみました。

延段は、モルタルなど使って目地を取ったりはしないのですが、最近は強度を重要視することを最優先にするとことや、その後の模様替えをしたりする事が殆んどないため、モルタルで固めてしまうことが多いですね・・・・
自分としてはしばらくして、模様替えを楽しむぐらいの余裕があると、和風庭園も楽しいと思うのですが・・・

通路の周囲には蹲や、景石などを配置してまた、苔むした様な感じの良い玄関周りに仕上がっています。

施工に関するご相談・お問い合わせなど、お気軽に送信フォームからお送りください。


畑の改良だ

2014-06-13 05:18:00 | ①造園

Cimg0291最近は自給自足の生活流行ですね私たちのお仕事も、少し内容が変化してきています。畑を作ったりするの多いです。

まず、畝が低すぎるようですね。これを高くすることと、掘ってみて分かったのですが・・やはり埋め立ての土で、ガラガラ、排水がとっても悪いようです。

色々しなきゃいけないことはあるんですが、土の改良・・たくさん入れる事・・・排水を何とか考えることでしょうか?

土ですが、植物が必要な栄養素というのは3種類ありまして、それぞれに行うことが違います。Cimg0587

既存の土、全部出して入れ替えです。その後レンガで縁取りしました。

肥料の三大要素ともいわれるのですが、N(窒素)・P(リン酸)・K(カリ)の3つが重要とされています。

まず窒素ですが、これは葉や茎を大きくする力があります。
次にリン酸ですが、これは実や花の付きを良くします。
最後にカリですが、これは植物の根の張りを良くします。

さらに、物によっては窒素を与えすぎると、葉っぱばかり茂ってしまい肝心の実に栄養が行かなくなってしまって結局実は小さいままということも起こります。植物にとって一番大事なのはバランスなんですね。

ほうれん草や小松菜などの葉物の野菜類は窒素を多めに施肥する必要があります。さらに、トマトやナス・トウモロコシなどの実を食べる野菜は燐酸を施肥する必要がありますね。また、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類は加里を多めに施肥する必要があります。

堆肥
窒素・リン酸・カリをいずれもバランスよく含んでいます。何かを育てようとするときには基本として堆肥を使うのは良いのでは。その後、必要に応じてほかの肥料も使っていく感じです。バランスはいいのですが、それぞれの特性に合わせてほかの肥料と合わせていく必要があるものです。今回は堆肥の変わりに牛糞堆肥を大量に入れようかなと思ってます。

油粕
植物の種などから油を搾り取った糟のことです。基本的には窒素肥料として扱われます。有機肥料は全般的に同じですが、そのままの状態では植物に吸収されることはなくて、土中の微生物によって分解されて始めて吸収される状態になります。

油粕の場合、施肥から大体1週間ほどかかります。

鶏糞
鶏の糞です。今回は地作りの時点から混ぜ込んでいこうかと考えてます。
有機肥料の中では即効性がある部類に入るものですが、化学的性質としてそのままの状態では酸性を示すという欠点もあります。市販されているものの多くは発酵させることによってこの点は克服していますのでこれを使用しようかなと考えています。

牛糞
総じて肥料効果は低いのですが、堆肥のように全体的な土力の底上げに良いです。堆肥を投入できないときなどはこれを使いますね。

Cimg0588_3 焼成骨灰
家畜から食肉を取り去った後に残った骨を極めて高温で焼いたものを焼成骨灰といいます。ちなみに、これをそこまで高温とせずに蒸し、窒素分・炭素分を残した状態のものを肉骨粉といいます。

石灰

酸性の土を中和させます。

このように土の改良を行います。それと並行して排水考えているんですが自然石などを使った、タメマスを数箇所設けて行こうかなって思います。

Cimg0615_3  本当は、田んぼの土でも言いぐらいなんですが、山土をいれて、大根でも何でもできるようにって考えてます。いや~なかなかいい畑になりそうだ!

施工に関するご相談・お問い合わせなど、お気軽に送信フォームからお送りください。