ヘバーデン結節の指が痛いのも、想像以上に仕事がハードなのも、これが労働なのだと堪えられる。







だけど我慢出来ないのは店長!
まだ慣れていない新人の私に対して、絶対無茶なことを言っている。
次々に返却口に戻る食器類を片付けて大急ぎで洗っているのだが、
呼ばれれば丼の盛り付けなどをする。そしてまた洗い場に戻り洗う。
数分離れただけで返却口は食器でいっぱいになっている。
あっちに行ったりこっちに行ったりで大忙しなのに、盛り付け方がちょっとでも気に入らないとネチネチと注意してくる。
ほんの微妙だろがよと思いつつも、「はい、すみません」と謝りながら次々にやらなきゃならないことをこなしてはいる。
盛り付けだけならまだしも、この前は食器洗いをしている時、「はい、キャベツ足りなくなったからひと玉切って!」と慌ただしく私を呼ぶので急いで洗い場から離れて切っていた。
すると数分かそこらで店長が私を怒鳴った。
「○○さん!(私の名前)、他の作業する時も返却口を見ながらやって!食器置くとこなくなってるよ!」
結構な数のお客さん達が居る前で、私の名前を呼んで怒鳴るなんて!
この前、昔スーパーで働いていた時に一緒だった人にバッタリ会って、「今どこで働いてるの?」と聞かれた時に教えたばかり。
もし知ってる人が来ていたら、店長に怒鳴られていたと知られてしまうじゃない!
しかも急にキャベツを切れと言われて急いで切ってるのだ。どうやって返却口を見ながらキャベツを切れる? 返却口に食器がいっぱいになっているのなら、店長、少しくらいお前が片付けたっていいじゃないか!
と、クソ店長に言い返したいことは心にしまい、悔しいけど「すみません!」と謝り急いで片付けた。
洗い物をしている時にキャベツを切ったりするのはまだしも、先日は唐揚げが足りなくなったからあと30個揚げてと言われ、返却口を見たり唐揚げをあげたり、あげたらウチワで扇げと言われ扇いでいると、「油がおちないから唐揚げを立たせて扇いで!」と言われ、手袋をはめた手なので一瞬手で唐揚げを起こすと「基本手は使わないように!トングで!」とまた店長に怒られ…
何でだよ!
みなさん手でやってるし、なんなら店長なんて作ったチャーハンを手で取って味見をしていたのを見た。
ほんとに!ほんっとに!!あの店長、大嫌い!!!
ベテランパートさんが教えてくれたのだが、去年から店長になって来たらしい。
40歳、男。
この前、高校時代は県内のバスケの強豪に行き、全国大会に行ったとか自分で話していたけど、だから何?興味無いんですけど。
これで優しい店長だったらすごくお話しをしたいものだけど、あのクソ店長に対して日々嫌いになっているからどうでもいい、聞きたくない!
しかもこの前なんか、出来上がったら鳴るベルを握りしめて、80歳ぐらいのお婆さんが来た。
「鳴ったような気がして…」と。すると店長、番号を見て、「まだ呼んでないですよ。混んでるから少し時間かかります!待てますか?待てないならキャンセルしていいですよ!」と、まるでイラついた口調。
あきれた。お客さんに対してあの言い方。
そのくせ若い女性客に対してはやたら親切口調。
店長として尊敬のかけらも無いわ!あんな人の元でこの先働き続けるのは無理!
ただ、ベテランパートのサワさんは尊敬できる先輩。
72歳だそうだがテキパキしてるし、かなり重い物も平気で持ち上げる。
この仕事に就いて14年。その前は工場で長く働いてきたらしい。
サワさんは運転しないので自転車で通勤している。
先日の朝、私は職場の駐車場に入ろうとした時、遠く向こうからサワさんが颯爽と自転車でこちらに向かって来ているのが見えた。
その自転車をこぐ姿勢のいいこと。
そして、私はいつも早めに駐車場に来て、15分前の出勤をするまで待機しているのだが、職場に行くといつもサワさんは早くも先に仕事を始めている。
サワさんとシフトが一緒の日は心強い。いろいろ親切に教えてくれるし、店長が私に対してキツい時、後からそっと小さい声で私を庇うような励ますようなことを言ってくれる。
こういう先輩とならずっと一緒に働いていきたい。
だけど…
あのヤロウの元では…
あーあ、明日はサワさんは休み。
あのヤロウと、3ヵ月先輩タミヤさん49歳と私の三人体制かー。絶対人手足りない。そしてあの男、またひとりでイラつくんだろうなあ。
行きたくないなあ。
明日11月13日は、私と亡きダンナの結婚記念日。
結婚して丸30年。
いつもながら一人で過ごす結婚記念日。
大切な明日は、あんな職場に行かないで、思い出に浸って過ごしたいもんだよ。
ダンナよ助けてくれ~






