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それはマズいよカワダさん

2021年07月30日 | 日記
今日はデイのお誕生日会イベントがあった。

こういうイベントの時は、いつも私はナカモトさんと二人でカレーライス作りの担当になっていた。

だけどナカモトさんはもう居ない。

今月初めに急に退職してしまった。

それで今回はカワダさんと一緒に担当になった。

ナカモトさんとのカレーライス作りは、私が助手的な感じになっていたから楽だったが、今回はカワダさんが助手的になった。

たかがカレーライスとはいえ、デカい鍋で大量に作るから、家で作るのとは勝手が違う。

まあカワダさんが手伝ってくれるなら助かるわという気分で一緒に作っていた。

といってもカワダさんもまた、来月で辞めてしまう。

どうやら副社長から何か傷つくことを言われたようだ。

本当にろくでもない男だ副社長てやつは。

あとアイさん達からもキツい態度をされているらしい。

カワダさんて人は、一生懸命頑張っているんだけど、どこか叱られ役のタイプ。

どう説明していいかわからないけど、居るんだよねぇそういう雰囲気を持っている人って。損なタイプだ。

こんなに頑張っているカワダさんに辛く当たるなんて、アイさん達は酷いなあ。

カワダさんは私より6歳年下で、私の妹と同い年だ。

以前そう話したら、カワダさんは私に会う度に、「たかぽんお姉さま~」と慕ってくるようになった。大きな体で。笑

大きな体といえば、カワダさんの野菜の切り方のデカいこと!

玉ねぎなんか上からザクッとザクッと6等分に切っただけ。私の切り方の3~4倍はデカい。

「豪快ですね」と言ったら、

「ウチはこうなんです。でももう少し小さい方が良いですか?」と聞いてきたんで、

「子供達が食べるから、もう少し小さい方がいいかも」と言ったら、せめてもう半分には切ってくれた。

正直にんじんもデカいと思ったが、あまり言うと申し訳ないので言わないでおいた。

だけど鍋に入れてから、やはりなかなかにんじんに火が通らなかった。時間に追われて作っているので、やっばりもう少し小さく切ってもらえばよかった。

そして、私が鍋に入っているデカいにんじんに箸で刺して煮え具合をみていたら、カワダさんが言った。

「食べてみればいいんじゃないですか?」

そう言うとカワダさん、小皿ににんじんをひとつ取り出し、にんじんをかじった。

「このくらいならルーを入れていいと思います」

「あ、そう?じゃあ入れよう」

と私が言った瞬間、

なんとカワダさん、自分がさっきかじったにんじんの残りを鍋に入れた!

「え!ちょっとそれは!」と、私は焦ってお玉でそのにんじんと周りをスクって捨てた。

いやいやいやいやカワダさん、ここはカワダさんちじゃないんだから。とは言えなかったけど、軽く叱りたい気分になった。

当のカワダさんは悪気の無い様子だった。

豪快というか大ざっぱというか考え無しというか。

そしてカワダさん、突然何か思い出した。

「あ!」

「どうしました?」

「アイさんに4人分お粥の準備をするように言われていました」

「そうなんですね」

するとカワダさん、ミキサーに白ごはんをタップリ入れて作り始めた。

作ってから、またしてもカワダさん、

「あ!」

と言った。

今度は何だよと思いきや、

「戸棚にパックのお粥が4つ入っているからそれを湯煎してと言われてたんでした!」

と言って、ミキサーに入っているお粥を全部流しに捨てた!

ちょ!ウソでしょ~~

びっくりしていたら、カワダさんがまた何か思い出したのか突然キッチンから離れて居なくなった。

なんなのよカワダさん~

そこへコウタさんが現れて、

「おやつ作りに後でチョコレートを溶かしたいと思います」

と、高い棚にある小さい鍋を取り出して置いて行った。

入れ替わるように、何だか知らんが用を足したらしいカワダさんが戻って来た。

「あれ?この鍋はなんですか?片付けましょうか?」

「いや、後でチョコレートを溶かすってコウタさんが置いて行ったよ」

「あ、そうなんですか」

そうこうしているうちにカレーも出来てきた。

私はカワダさんが流しに捨てしまったお粥の残がいを片付けた。

するとカワダさんが、コウタさんが置いて行った鍋をまたしても片付けようとしていた。

「カワダさん、この鍋はコウタさんが後でチョコレートを溶かすんですよ」

「あ、そうでしたね」

ちょ…

この人、大丈夫かしら。

完全にカワダさんの味方のつもりだったけど、普段カワダさんと同じ部屋で仕事をしているアイさんの気持ちもわかったかも。





























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