80代のフユさんとチヨさんと70代のナオさんはカルタ取りが得意だ。
私も利用者さん達と一緒によくカルタ取りをしているが、わざと探せない振りをしたりカルタ取りが苦手な人にさりげなく教えたりしている。
昨日のカルタ取りは、フユさんチヨさんナオさん私だけだった。
これはあまり手を抜かなくてもいいメンバーだ。
読み手は職員Sさん。
「ももくりさんねんかき…」
「ハイ」
さすがフユさん、早い。
まあ私はまだエンジンかけてないだけ。
「かわいいこに旅…」
「ハイ」
フユさん、来年90になるとは思えないな。
「みからでた…」
「はい」
ナオさんもやるな。
「み?にって聴こえた。もうちょっとハッキリ読め!」
チヨさん、相変わらずだな。
「いしの上にもさん…」
「はい」
チヨも出てきたな。
よし、そろそろ真剣になるか。
ところが、
まさかの大苦戦である。
なんだこのババア達。スゴいぞ。
辛うじて辛うじて私も良い勝負をした。
そして数えた。
1位はダントツフユさん。2位は3、4位に僅差で私だった。
まさか私が来年90になるフユさんに負けるなんて。
そうだ。
10年前、ヘルパー2級の資格を取るためにデイサービスの施設に実習で行った時のこと。
レクリエーションで、ボールを点数が書かれてる箱に投げて入れて高い点数に入れた人の勝ちみたいなゲームをやっていた。
高い点数ほどちょっと入れにくい場所に箱が置いてあった。
順番にボールを投げて誰かが入る度に皆さんと拍手して和やかに盛り上がった。
職員の人が、
「じゃあ最後にせっかくだから実習生のたかぽんさんに投げてもらいましょう」
と言って私にボールを渡した。
「えぇ、できるかなあ」
とわざとらしく言ってボールを投げた。ヘラヘラしながらも結構マジで。
ポーン
「あ…」
一番高い点数の箱に入ってしまった。
「あらあすごい~」パチパチパチ
と、司会の職員が私を見て笑顔で拍手をしてたけど、
あの目は、
笑っていなかったな。
うん。
私も利用者さん達と一緒によくカルタ取りをしているが、わざと探せない振りをしたりカルタ取りが苦手な人にさりげなく教えたりしている。
昨日のカルタ取りは、フユさんチヨさんナオさん私だけだった。
これはあまり手を抜かなくてもいいメンバーだ。
読み手は職員Sさん。
「ももくりさんねんかき…」
「ハイ」
さすがフユさん、早い。
まあ私はまだエンジンかけてないだけ。
「かわいいこに旅…」
「ハイ」
フユさん、来年90になるとは思えないな。
「みからでた…」
「はい」
ナオさんもやるな。
「み?にって聴こえた。もうちょっとハッキリ読め!」
チヨさん、相変わらずだな。
「いしの上にもさん…」
「はい」
チヨも出てきたな。
よし、そろそろ真剣になるか。
ところが、
まさかの大苦戦である。
なんだこのババア達。スゴいぞ。
辛うじて辛うじて私も良い勝負をした。
そして数えた。
1位はダントツフユさん。2位は3、4位に僅差で私だった。
まさか私が来年90になるフユさんに負けるなんて。
そうだ。
10年前、ヘルパー2級の資格を取るためにデイサービスの施設に実習で行った時のこと。
レクリエーションで、ボールを点数が書かれてる箱に投げて入れて高い点数に入れた人の勝ちみたいなゲームをやっていた。
高い点数ほどちょっと入れにくい場所に箱が置いてあった。
順番にボールを投げて誰かが入る度に皆さんと拍手して和やかに盛り上がった。
職員の人が、
「じゃあ最後にせっかくだから実習生のたかぽんさんに投げてもらいましょう」
と言って私にボールを渡した。
「えぇ、できるかなあ」
とわざとらしく言ってボールを投げた。ヘラヘラしながらも結構マジで。
ポーン
「あ…」
一番高い点数の箱に入ってしまった。
「あらあすごい~」パチパチパチ
と、司会の職員が私を見て笑顔で拍手をしてたけど、
あの目は、
笑っていなかったな。
うん。