チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

Eat Well・Drink Well・Live Well
美味しく食べ、楽しく飲み、素敵に生きよう!

ヨーロッパの夏 シチリアの巻 その2

2014-09-14 | グルメ色な日記

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シラクーザで宿泊したホテルは、中心街のオルティージャから車で15分ほど走った畑が点々とある他はなんにもない所にあった。名前には spa hotel とついているイタリア人向けのリゾートホテル。英語は全く聞こえず、英語を話せるスタッフも数人だけ。

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プールはあるけどスパが見当たらないからフロントで "Where is your spa?"って聞くと、"It's closed."という返事。点検か何かで今日は閉まってるってことかと思って、"When is it going to open?" "It closed in March." ハア~???つまり、ホテルの名前は偽りじゃん。名前でここを選んだ友人はかなり怒り心頭で、いつまでも「スパホテルなのにスパがない???さっさと名前変えれば!?」と毒づいていた。仕方がないからプールとマッサージで我慢することにした。

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イタリアはシエスタ、昼寝があるので午後1~4時ぐらいまでは商店、銀行などほとんど全ての所が閉まる。だから朝から街に出かけると、午後からは行き場がなくなる。というわけで、朝出かけてランチ後にはホテルに戻って自分たちもシエスタする。あるいは、午前中はホテルのプールサイドでのんびりして夕方4時過ぎから深夜まで出かけるかのどっちかだ。

市場に行った日は朝が早かったから、夕食は買い込んだ食料とワインを部屋のベランダで食べることにした。レストランのウェイターに、「友人が気分が優れないので部屋で買ってきたものを食べたいからワイン開けてくれない?」とボトルを持って行くと、アイスバケツまでつけてくれた。「ついでにパンも4切れほどください」、と厚かましく言えた自分が偉いと思う。

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午後9時半から結婚式があるとかで、ガーデンやプールサイドはイタリアなりのバタバタ。つまりとってものんびりやってるってこと。ラッキーにもベランダは最高の観覧席だった。サラミ、オリーブ、チーズ、ドライ&生トマト、パン、白ワインを口にしながら、なんて贅沢な時間。ゴッドファーザーの映画のワンシーンみたいだった。
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↓ホテルのレストランでののんびりランチも二度ほど。

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シチリアのオリーブオイルは青臭く、濃厚でクセがあるが私は大好き。パンにオリーブオイルをつけ、地元の白ワインで流し込む旨さったらたまらない。そして年配のウェイターはウィンクしながら、かなり多めにワインを注いでくれる。

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↑塩味のついたマグロと小エビのサラダ、↓ムール貝のトマトソース煮。

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あまりお腹が空いていなかった午後、三人で茄子の前菜一つと小エビ&アンチョビのリゾット一つをシェアしたいから、と注文したら、了解、とウェイター。気を利かせてくれたのか、三つずつ盛り合わせてくれている。リゾットはクリーム味じゃないからあっさりしていてフォークがすすむ。

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だけど、これとんでもなく多くない?食べても食べても減らないんだけど。。後日チェックアウトの時に請求書をみて仰天。前菜もリゾットも三人前ずつ請求されてるじゃん!文句を言うと、レストランマネージャーが出て来て平謝り。みんなでシェアしたいから、って頼むと取り分けられる適当な分量を作り、大皿で出すのがシチリアンスタイルなんだそうだ。若いウェイターはたぶん勘違いしたんだと思うから本当にごめんなさい、と一人前の料金に訂正してくれた。"This is Sicilia, you know. " なるほど。そしてウェイターは私たちの英語があまり理解できていなかったんだね。

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シエスタの間も開いているリストランテの中でも、大繁盛していた大衆食堂。

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↓左からカプレーゼサラダ、ピスタチオとベーコンクリームソースのペンネ、もの凄く食べ応えのあるカルパッチョ、そして大いに気に入ったからすみスパゲッティ。

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食後酒はリモンチェッロ以外にも、いろんなリキュールがある。養命酒みたいな、薬草でできたリキュール Amaroアマーロと、口直しの胡麻やナッツのプラリネ、砂糖漬けジンジャーなどがチェックと一緒に出てきたリストランテもあった↓。

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夕方の街散策。↓ドゥオーモ広場、大聖堂の左の建物は市役所。

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市役所から、結婚式を終えたカップルが出て来た。

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市長らしき人物がシャンパンをぬいて人々に振る舞い、次に剣を取り出して何か宣言していた。

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海辺のリストランテは観光客向けだから味は期待できないだろうけど、雰囲気を楽しもう、と入ってみた。ところがどっこい、とっても美味しかった。さすがシチリア。

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本日の魚たち。ただの海老のグリルがどうしてこんなに甘くて柔らかくて美味しい?ネタがいいから?

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↓街の名前がついたスパゲッティ?シラクーザは、アンチョビ、ガーリック、トマト、トーストしたパン粉がかかっただけ。シンプルなのにこくがあって美味しい。

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シチリアの代表的なデザートといえば、リコッタチーズのクリームが筒状のコルネに詰まった cannoli カンノーリが有名。↓こちらも伝統的な、ピスタチオが一杯かかった、リコッタクリームのはさまったのスポンジケーキ cassata カッサータ。

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最後の夜、ピザをまだ食べていないことに気づいた。リストランテで軽く夕食を終えたあとだったけれど、後悔したくないから斜め前にあった老舗っぽいピッツァリーアに入った↓。「え~ほんとに入るの??』と言う約二名の声を無視。お腹が一杯の人はコーヒー、またはワインを飲んでください、ってことで強行入店。

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生ポルチーノ茸のピザとシンプルなマルゲリータを注文。ちゃんと半分ずつに分けて出してくれた。やっぱり食べて良かった、美味しい!お腹一杯でも入るもんだ。

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シチリア大満足。今度は全島周遊したいよ。

これにて2014年の夏のバカンスもフィーネ fine、お?し?ま?い!

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ヨーロッパの夏 シチリアの巻 その1

2014-09-10 | グルメ色な日記

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ヨーロッパは格安航空機がありとあらゆる都市に飛んでおり、安い時はロンドンから片道1万円以下で他の欧州国に行ける。娘達が父親と4-5日過ごしている間、ロンドン在住の友人とどこか旅行に行くことにした。イタリアでスパ?バカンスはどう?という彼女に行き先は委ねたところ、2年前に行き、なかなかゆっくりできて良かったからと、シチリア島南東にあるSiracusaシラクーザという街を選んでくれた。

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紀元前8世紀にギリシャ人が植民都市として建設したシラクーザは、シチリア初心者が訪れるにはちょっとマニアックな古都。世界遺産に登録されている円形劇場など、古代ギリシャ時代の遺跡が数多く残っている。短い橋でつながっているOrtigiaオルティージャという小島が観光客が遊ぶエリア。

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アポロ神殿跡がオルティージャの入り口で迎えてくれる。この街出身の数学者アルキメデスの名前がついた広場には、女神アルテミスの噴水がある。

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日本から別の友人親子が合流。友人の息子のリクエストで馬車に乗り1時間かけて小島を回った。雲一つない真っ青な空と海。陽射しはきつく暑いけれど、待ってました!これぞ真のバカンス!北ヨーロッパの寒い夏は私には向かないわ。

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砦に囲まれた旧市街には、岩場の海水浴場。海の透明度はため息もの。

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市場は平日の午前中だけ開いている。トマトの種類は半端ない。

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↑この緑の長い野菜はな~んだ?答えはズッキーニ。

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貝専門店。生牡蠣を食べさせてくれる。もちろんワインと共に。すごい量のムール貝↓

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↓トノは赤身のマグロ、アラルンガは白いびんちょうマグロ。

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↓アンチョビ作りも手間なし?

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からすみのパスタはサルディニア名物だが、シラクーサでも美味しい店発見、二回訪問した。今度台湾のからすみが余ったら真似して作ってみよっと。↑キロあたり300ユーロ(4万円強)。日本産は5万円ぐらいだから少し安いぐらい?左上の赤い山はドライトマト。

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タパスの店のメニューにあるチーズ入りズッキーニの花のフライ。このオレンジのものがその花↑

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↑パプリカや茄子など野菜をグリルした店なんて初めて見た。これは便利だ。

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シチリアといえばレモン。この春キッチンマーレの神戸教室の冷蔵庫には常備してあったから、飲んでファンになった人も多かったな。レモンのリキュール、Limoncelloリモンチェッロもシチリア名物↓

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食後酒として、キンキンに冷やしたショットグラスに冷たいリモンチェッロを注ぐ。このお店の自家製リモンチェッロは他のものよりずっと美味しかった。

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他にもシチリア特産物にピスタチオやアーモンドがある。それを使ったジェラートのなんて美味しいこと!気候のせいだろうか、ジェラート自体が今まで食べた中で一番美味しかったのだが、中でもピスタチオ味に惚れ込んでしまった。ナッツの味が超濃厚でたまらなく美味しかった。

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↑左はアーモンドのグラニータ、氷アイス。奥は大量のクリームののったコーヒーゼリー、そして苺、バニラ、バナナの三食ジェラート。果物の味が凝縮されていて旨い!

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見ているだけでも楽しい、キュートなアイスキャンデーたち。そしてビタミン色のマジパンたち。

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つづく・・・


ヨーロッパの夏 ロンドンの巻

2014-09-04 | グルメ色な日記

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昨年の夏と比べて随分と寒いロンドン。ダウンジャケットを着ている人もちらほらいる。日本人は暦に合わせて服を着るところがあり、例えば9月に入るとノースリーブの人がいなくなる。かたや欧米ではその日の気温で真夏でも寒ければダウン、冬でも暑ければ半袖、というように自由主義が衣服の選び方にも出ている。だからなのか、洋服ダンスが大きいからなのか、衣替えなんてない。
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ロンドンは相変わらず観光客でごった返していた。スーツケースを引っ張りながら歩いている人間が世界で一番多い街だといつも思う。

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ハリーポッターが、ホグワーツ魔法学校行きの列車に乗るキングスクロス駅の9 3/4番ホーム(実在しない)↑も大賑わい。スタッフがマフラーを巻いてくれ、裾を持って風にたなびいているように撮影協力もしてくれる親切さ。

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↑左がキングスクロス駅の味気ない外観、右が国際列車のターミナルでもあるセントパンクラス駅。こちらはヴィクトリア調ネオゴシック建築が美しい。

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長女が9月からロンドン市内の大学院にすすむことになり、新しいアパートに引っ越した。窓からの景色は、一見常夏風。

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近所の店を探索、人気のカフェでブランチ。イギリスではスモークサーモンのスクランブルエッグも朝食の定番。トーストにのせて食べる。

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Bento という名前の和食のチェーン店がロンドンのあちこちにある。醤油味が恋しくなってきたので、近所にあった店に初めて入ってみた。スタッフは皆中国系。経営者もだろうね。意外と寿司メニューが充実していて美味しかった。玄米茶がこんな風に出て来たのにはたまげたけど。口をすぼめて茶葉が入らないように飲まなきゃ。
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欧米の寿司屋には必ずある、ドラゴンロール↑。海老天を裏巻きにして、アボカドで鱗を表現している。中国人が作るからか、いやにリアルな龍だった。
スパイダーロールには、ソフトシェルクラブのフライが入っている↓。
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COTEという名前の、こちらもフレンチ?ブラッセリーのチェーン店がある。リーズナブルな値段で味も良く、何よりどの店舗もスタッフの教育が行き届いていて気持ち良いから、行き先に困ったらついつい選んでしまう。今回は10日間の滞在中に3回も行ってしまった。夕食に2回、朝食もあると知って1回。

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フレンチトースト、クレープ、クロックムッシュなどフレンチのメニューがたくさん。マフィンにハムとポーチドエッグをのせ、ホーランデースソース(実はこの卵黄ソース、恐怖のカロリー数なんだよ)をかけたエッグ?ベネディクトという卵料理があるが、このようにハムの代わりにほうれん草がのると、エッグ?フロレンティーンという名前になる↓。そしてスモークサーモンだとエッグ?ロイヤルと呼ぶ。

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french breakfastというのがあったので、頼んでみた。ベーコンはイギリス風の分厚いものではなく、アメリカや日本の細くて薄いもの。それにブーダン?ノアールと呼ぶ黒いソーセージ、つまりはブラッドソーセージ、そして大きなポートベロ?マッシュルームにブリオッシュのトースト。

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COTEの帰りの美味しそうなメレンゲを発見!お腹が一杯で買う気にもならなかったから、目で味わった。

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以前紹介したWaitroseの料理教室に空きがあったので、参加することにした。夏はもう終わったというのに、↓メニューは「夏のおもてなし料理」。だから空きがあったんだな、きっと。

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前回のようにケーキはなかったけれど、クロワッサンやペイストリーにコーヒー、紅茶、ジュース、そして自分で好きなように盛りつけるヨーグルト create your own が出迎えてくれた。

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参加者は半数が男性だった。私とペアになったのも教室常連のオーストリア人の男性。引退した元精神科医で、20年前にオーストラリアでイギリス人の今の奥さんと出会い、彼女に無理矢理イギリスに連れて来られたんだ、と笑う。奥さんは料理するのが大嫌いだから、今は彼が100%料理を担当。ロンドン市内の寿司屋が開催している教室で色々な巻物を習ってからは、時々寿司パーティーを開いては友人達に喜ばれているそうだ。寿司教室には19歳の息子と参加したそうで、昨年息子が大学の寮に住むことになった時には寿司キットを持たせたのに、一度もまだ作っていないと知ってガッカリした、という。登校前にすし飯を炊いておいて、帰りに刺身を買ってくれば簡単に美味しいものが食べれるのに!って。ムリムリ、そんな面倒臭いこと。大学1年生の男子が巻き寿司作っている方が恐いわ、って返答しておいたけど。

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炙りマグロのサラダ↑

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↑飾りのトゥイルまで作った斬新なストロベリーチーズケーキ↓

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チキンとパンチェッタのハーブ?マスカルポーネソースがけ↑

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その他にもガスパチョ、貝柱のソテー、キーライムパイなど、今回も盛りだくさんの料理、そして思う存分のワインとおしゃべりを楽しんだ。

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Columbia Flower Market という花市が日曜の午前中に立つ。昨年行けなかったので、二女はこのフラワーマーケットに行くことが今回のロンドン訪問の目的の一つだった。いや~、期待を裏切らないとても素敵なマーケットだった。買いたい花がたくさん!でもその夜の便で帰国だったので、切り花を買えなくて残念だった。切り花に興味がない長女には引っ越し祝いに小さなレモンの木をプレゼント、本人はサボテンをいくつか買っていた。

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イギリス人は紫陽花が大好きだ。日本にはない種類がたくさんある。切り花として楽しんだり、ドライフラワーにして吊るしたり。

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フラワーマーケットの通りには興味をそそられる店が軒を連ねていた。時間がなくてウィンドウの中を覗くことしかできなくてちょっと残念。また次回のお楽しみだね。

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