チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

Eat Well・Drink Well・Live Well
美味しく食べ、楽しく飲み、素敵に生きよう!

ワイン教室@梅林寺

2015-03-26 | 料理教室顛末記

豊中に、禅宗の一つである曹洞宗の梅林寺がある。梅の季節も終わりだが、門の横に嬉しいことにまだ一本だけ花をつけた梅の木があった。

梅林寺は現在の住職が14代目という由緒あるお寺。今回第一回ワイン教室の会場として、大学時代からの友人である住職ご夫婦タイロウ&ミッタのご厚意で、日曜の昼下がりの法事が終わった時間を見計らって場所を貸していただくことができた。広いお堂を使わせてもらおうかと思ったけれど、お彼岸だし、お参りの方が入ってこられたらそりゃちょっとビックリされるだろうし、と、奥の襖絵のあるお座敷に変更。

住職は京大でイタリア文学を専攻し、イタリアにも留学していたちょっと珍しいお坊さん。その昔はNHKラジオのイタリア講座の人気講師だったし、今も京都の大学に週に一度教えに行っている。グルメでワイン好き、音楽、芸術、文化にも精通していてお洒落度もイタリアンなお坊さんだ。襖絵を描いてもらった親友の篠原貴之氏とは、若かりし頃彫刻の勉強をしにイタリアに行く前の篠原氏にイタリア語を教えたのがきっかけで知り合ったそうだ。その後篠原氏は中国への留学を経て水墨画家に転向し、17年前からは毎年、阪急うめだ百貨店の画廊でも個展を開いている。そしてなんてタイミング、今年はちょうど今週、3月31日まで「光と影が織りなす墨色の新境地、篠原貴之 水墨絵画展」が開催されているので、興味がある方は是非観に行ってください。

http://www.hankyu-hanshin-dept.co.jp/lsnews/06/a02/00146994/?catCode=601006

14枚の襖に描かれた襖絵「降魔成道こうまじょうどう」は、お釈迦様の欲望や怒りなどの煩悩に対峙する姿を描いたもの。篠原氏が人物画が得意なので、襖絵の製作依頼に梅林寺が出した条件は人物画を、というだけで、テーマは画家に委ねたそうだ。↑こちらは、出家したお釈迦様が菩提樹の下で悟りを開くための最後の瞑想に入ったところを、魔王マーラが自分の三人の娘たちを使って誘惑を試みさせているところ。

↑こちらはお釈迦様が無数の過去生で積んだ数えきれない善行を、大地の女神が現れてみせているところ。自ら餌食となって飢えたトラの親子を救ったという「捨身飼虎しゃしんしご」のエピソード。それ以外にも身を投じているお釈迦様がたくさん描かれている。(説明を聞いている右の女性雅子さんは、元お天気お姉さん!)

こんな立派なお部屋で、念願のワイン教室をスタートさせてもらえて感謝感激。そして豊中、明石、大阪方面からとても楽しいメンバーが12人も参加して下さり、嬉しい限りだった。私がシアトル在住中にワインの魅力に目覚め、ワインスクールに通っていたのは、もう10年近くも前のことになる。帰国後、ワインは好きだけど何をどうやって選べばいいのか分からない、という日本の友人たちを見るにつけ、美味しいワインが選べるようにしてあげたいな〜、と思うのだった。絶対にぶどうの品種から学ぶ方がワインのことは理解しやすいから、教えるならそんな教え方をしたいな〜と思っていた。

初回は白ぶどうのシャルドネを取り上げた。フランス産4本、カリフォルニア産2本、チリ産、オーストラリア産各1本の計8本をテイスティングしながらの講義。教えたいこと一杯、頭の中も一杯、緊張も一杯で、でも皆さんに喜んでいただけたようでとっても良かった。ワインの奥深さに少しでも興味を持っていただけたのなら嬉しい。

おつまみ用にドライフルーツや豊中疋田のチーズケーキやクラッカーを差し入れてくださったウルミそしてエリちゃん&ヒロシさんご夫婦、どうもありがとう。みんなが帰りはじめたころ、お参りから住職がご帰還。イタリアの赤ワインを何本か開けてくれ、お座敷でのワインテイスティングが続いた。

第二回は、5月ゴールデンウィーク後のどこかの日曜に開催したいと思っています。

4月の料理教室レッスン:

  • 20日(月)、21日(火): 神戸教室
  • 24日(金): 豊中教室

 


早春のイギリス料理

2015-03-15 | 料理教室顛末記

2月〜3月にまたいでしまったレッスン。名ばかりの春で、何度爆弾寒波が押し寄せるんでしょうねぇ。12月からず〜と同じ服を着ているように思うのは、私だけではないはず。暖かくになる前にしたかったりんご料理やオーブン料理でメニュー構成したら、なんとなくイギリス料理になりました。

  • 椎茸のクリームスープ
  • シェパーズ・パイ
  • 鱈のオーブン焼き
  • リンゴとキャベツのコールスロー
  • 野菜のソテー
  • アップル・ターンオーバー

マッシュルームは日本ではどうしてこんなに高いんだろう。だからというだけじゃなく、椎茸の方がずっと味に深みがあって好きなので、椎茸でクリームスープを作りました。

基本的にクリームスープは玉ねぎ、好みでニンニクも加えてようく炒めてからメインの野菜を煮込み、ブレンダーでピューレして生クリームで仕上げるのはみな同じ。カイエンペッパーを一振りすると味が引き締まっていいでしょ。「レストランをオープンしたら、このスープ絶対に名物料理になるよ。すっごく美味しい!」と言ってくれた誰かさん、どうもありがとう。

イギリスで「〜パイ」と名がつく料理(デザートではなく)は、パイ皮を使った料理ではなく、実はマッシュポテトを上にのせてオーブンで焼いた料理をさします。シーフード・パイといえば、魚介のホワイトシチューのようなキャセロールにマッシュポテトをかぶせて焼いた料理。shepherd's pie シェパーズ・パイ、羊飼いのパイもしかり。ミンチ肉の上にマッシュポテトをのせたものです。元々イギリス、アイルランドは貧しい国だったわけで、イモが主食だった貧困層の人々が「パイ」という名前を憧れを込めてつけたのでしょう。イギリスの伝統料理の一つのシェパーズ・パイは元々は羊肉を使っていましたが、今は牛ミンチ、合挽ミンチ、色々です。肉じゃがのようにおふくろの味の一つで、家庭の数だけ作り方も色々です。

何年も前に一度レッスンでシェパーズ・パイを作りましたが、今回のはバージョンアップしています。マッシュポテトにもあらかじめ温めておいたたっぷりの牛乳とバターを加え、とても滑らかで美味しいものになったし、ミンチにも人参、玉ねぎだけでなくセロリ、マッシュルームもたっぷり加えトマトペーストを使用。ポテトの上にもたっぷりのチーズ。娘たちが小さい頃に、私が唯一作っていたイギリス料理がシェパーズ・パイでした。

そう、今回は女子大生や小学校を卒業したばかりのKさんの娘さんが参加して下さるってことだったので、彼女たちにも作りやすい簡単な料理を考えてみたのです。

鱈のオーブン焼きは、皮なし鱈にリッツ・クラッカーをまぶしてオーブンで焼く、という斬新なもの。でも下味にはハーブとオリーブ油をたっぷり塗りこみ、リッツには玉ねぎやスープに使ったカイエンペッパーを混ぜ込みました。食べる時にレモンを絞り、オリーブオイルをかけて。簡単ながらも良い味に仕上がりましたね。ここでもカイエンペッパーが効いていましたね。

リンゴ、キャベツ、人参、紫玉ねぎのコールスロー。リンゴ酢を使い、いっぱいのリンゴパワー。

ソテーに使った今回の野菜は、ご覧の通り。意外にスティック・セニョールを知らない人ばかりで驚いた。アスパラのように茎も食べれるブロッコリーの新種で、私はブロッコリーよりもこちらの方が好きでよく使います。そう、これも熊本ものだね。ネットで検索してみたら、サカタの種により開発された、ブロッコリーと中国野菜のガイランを掛け合わせた野菜なんだって。それは知りませんでした。ただのソテーがどうしてこんなにきれいな色に仕上がるの?と皆さんに聞かれるけど、たっぷりのオリーブオイルと火の強さです。日本人はとかく油を控えめにしてしまうけど、もこみちのようにたっぷり入れてみてね。

turnover ターンオーバ (ひっくり返すっていう意味)は、パイ皮にフィリンングをのせ、三角なり四角に折りたたんで焼いたもの。フィリングは甘いものだけでなくミンチ系、チキンのカレー味などおかず系のものでもOK。今回はりんごの季節が終わる前に、アップル・ターンオーバーに挑戦してみました。パイ生地もフィリングもアップルパイの時と同様で。ちなみに、目玉焼きの両面焼きは over オーバーといいます。

煮リンゴにはラム酒をふりかけて電子レンジでチンさせたレーズンを混ぜて。余ったフィリングはヨーグルトをかけて食べても美味しいですよ。

パイ生地は業務スーパーのA-priceで直径12cmの円形の小さな冷凍生地を見つけたので、それと、バターたっぷりの手作りものの二種類を使って味比べをしました。作業途中の写真がなかったのは残念。やっぱり手作りのパイ皮の方が俄然美味しい!とは言いながらも、面倒だから冷凍の皮買うわ、って皆さん共通意見のようで。

今回は皆さんが差し入れて下さったお土産デザートの写真もなくてごめんなさい!↓こちらは1回目の神戸教室で出したチョコ菓子。イタリア人のシベリがたまに注文製作するpanpepato パンペパートというのを分けてもらいました。15世紀からイタリアに伝わる伝統菓子で、ナッツ、ハチミツ、スパイ、ドライフルーツがたっぷり。5ミリほどの薄さに切ってお味見。赤ワインが欲しくなったね〜

ワインといえば、今回出した白ワイン、どうだこのサイズ。↓一升瓶、1.8L瓶ですよ。日本のワインも最近は世界に通用するぐらい質の良いものが造られていて、甲州ワインも侮れない。2回目の神戸教室では全員がアルコール大好きメンバーだったので、ちょっとこれいいじゃない、と買ってみました。山梨の家庭ではこれが晩酌用らしい。すっきり爽やかでテーブルワインとしてはコスパ最高だと思いました。

ずっと始める始める、と言い続けていたワイン教室の初回、いよいよ今月22日の日曜日に、豊中の梅林寺にて開催します。参加して下さる皆々様、どうもありがとうございます。皆さんにがっかりされないよう頑張って準備いたします。


Oriental Hotel

2015-03-01 | グルメ色な日記

神戸旧居留地にあるオリエンタルホテルのことをずっと書きたいと思っていて、行くたびに撮っていた写真がたまってしまった。。17階のレストラン、ラウンジエリアは、神戸で私が一番好きな空間。自宅から徒歩数分で行けるということもあり、ラウンジはお茶に、ドリンクにと、よくお邪魔する。

1870年(明治3年)にオランダ人の手により開業した同ホテルは、居留地の中でロケーションやオーナーの変遷がありながらも生きながらえ、阪神大震災で取り壊された四代目が建っていたのと同じ旧居留地25番地に2010年、NYのデパート、バーニーズを併設して再開業した。↑ホテルの左手は、国の登録有形文化財の神戸市立博物館。

17階のロビーは神戸港が一望でき、山側にメイン・ダイニングルームとラウンジ・バー がある。天井から下がるファンや夏の晴れた日には天井と大きな窓が開放されるラウンジエリア。

何よりもスタッフの接客態度が素晴らしく、気持ち良い時間を過ごせる。ダイエーがオーナーだった時代にホテル部門の事業拡大で開業した新神戸やメリケン波止場にあるオリエンタルホテルとは名前こそ同じだが、今では全く経営が違い、スタッフの質は雲泥の差だといつも思う。

明治時代の同ホテルは素晴らしい食事を提供することで知られていて、神戸ビーフを世界に広めた施設の一つでもあるそうだ。今でもメイン・ダイニングのメニューには、開業当時からの名物料理のカレーライスや蟹クリームコロッケがある。ブレックファーストのメイン料理にもオムレツ、エッグベネディクト、エッグスラットといった流行りの卵メニューに並んでカレーライスがあり、その中から一品を選んで+ビュッフェというセミ・カスタムなスタイルを提供してくれる。

話題のレストランに行くのもいいけれど、時を少し巻き戻したような古き良き時代を彷彿させる空間でのゆったりとした食事は、ほっとする。それでも実はレストランで食べるのが堅苦しくて、私はもっぱらラウンジでカツサンドをほおばっていることが多い。会う時は飽きもせずにオリエンタルのラウンジでね、という連れがいて、年の瀬も押し迫った夜、二人で「今年最後のカツサンドを食べに来ちゃいました~」って言ったら「そうですよね」とイケメンのスタッフがにっこり。「いつもの赤ワインでよろしいですか?」なんていい気分にしてくれる。

↓バーニャカウダのソースにはハーブ、アンチョビが混ざっていて美味。ダイニングの前菜メニューにも登場する。 

↓ランチからのショット

写真を整理してみたものの、あんまり前だったもので料理を忘れちゃったな~。。

↓糸島豚のグリル、は覚えてる。

高いイメージがあるホテルの食事だが、とんでもなくリーズナブルで、ろくでもないサービスにお金を払うぐらいならここに来た方が絶対に間違いない。神戸観光に来た人を私が必ず連れて行くとっておきの穴場。みんながたぶん求めている「神戸らしさ」が一杯漂っている。さて、これだけ褒めたんだからこれからはVIP扱いかな?