チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

Eat Well・Drink Well・Live Well
美味しく食べ、楽しく飲み、素敵に生きよう!

2011年のおわりに

2011-12-31 | グルメ色な日記

お正月を迎える心のときめきみたなものが年々薄れてはいるけれど、今年は特にそう。父が昨年同様クリスマス前から入院してしまい、2年続けてクリスマスもお正月もローキーになっている。

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今年を締めくくる写真としてはへんだけど、何か月か前に撮ったこの小さなイカの写真、いつか使おうと思ってたもの。徳島出身の知り合いがちりめんじゃこをくれたのだけど、こんなに小さな可愛いイカがたくさん潜んでいた。徳島土産に鮎のカンロ煮はよくいただくのだが、今回は珍しい鮎の開きももらった。食べる機会がまだなくて冷凍庫でカチンコチンになって待機中だが、トースターで数分焼けばいいそうだ。

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2011年は命のはかなさを考える年だった。個人的には、12月20日に亡くなった映画監督の森田芳光氏の急死が想像以上にショックだった。25年も前に『家族ゲーム』を引っさげてニューヨークにやってこられた時、松田優作と森田監督のインタビューをさせてもらった。それ以来友人づきあいが始まり、ニューヨークによく電話をもらったり、私が帰国すると東京で会ったり、ロケ現場に遊びに行ったりしたものだった。その後私の度重なる引っ越しと結婚、出産もあっていつの間にか音信不通になってしまった。3年前に日本に戻った時に古い友人たちの消息を探した時期があった。彼の連絡先も探したのだが分らずじまい。その時に滝田洋二郎監督とはまた巡り合うことができて、アカデミー賞のスピーチのお手伝いをさせてもらえた。あの時、どうしてもう少し頑張って森田監督の連絡先を探さなかったんだろう、と今悔やんでいる。そのうちまた会えるし、ってずっと思っていた。ここ数年、知り合いが亡くなる、ということが増えてきた。歳を重ねるということは、大切な人が突然いなくなる悲しみを経験することが増えていく、ということなんだと最近よく分かってきた。津波の犠牲者のまわりには、私の比にはならないぐらい大切な人の突然の死に悲嘆に暮れている人たちがたくさんいる。「いつかは別れがくるのは分っていたけれど、こんな別れかたはたまらない」とテレビの中の遺族が言った言葉が今さらながら胸に突き刺さる。年賀状を書きながらアドレス帳を開くたびに、森田監督の古い連絡先が真っ先に目に飛び込んできては胸が痛む。ご冥福をお祈りします。。

2012年の抱負というよりはこれから先の私の人生の抱負は、会いたい、と思ったら必ず会いに行く努力をする、何事も先延ばしにしない、ということ。

1月は第4週あたりから動き出そうと思っています。レッスン日はまた後日お知らせします。ちょっとセンチな1年の締めくくりになりましたが、来年は明るいニュースがたくさんありますように。皆さん、良い年をお迎えください。


12 月15日のクリスマス料理

2011-12-23 | 料理教室顛末記

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キッチン・マーレ3 回目のクリスマス料理、そして2011年最後のレッスンでした。ロースト・ポーク、ロースト・チキン・レッグときたからには、やはり今年はロースト・ビーフですかね。過去2 回では色んなディップやカナッペを作ったので、今回は少し趣向をかえて野菜をたくさん楽しんでみることにしました。

  • バーニャ・カウダ
  • レモン・チャイブ・チーズ・ディップ
  • アボカドとスモークサーモンのキャセロール
  • ロースト・ビーフ ~ジャガイモと玉ねぎのソテー添え
  • カラメル・ナッツ・タルト

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最近日本でもよく目にしたり耳にするバーニャ・カウダは、イタリア、ピエモンテ州の冬の野菜料理です。今回メニューに入れてから、もともとその地方ではクリスマス・イブに食べる習慣があると知り、お、やったね、ぴったりのメニューだったじゃんって思った次第。

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イタリア語で「バーニャ」はお風呂、「カウダ」は熱い、という意味。生野菜、主に根野菜をニンニクとアンチョビが入った温かいオリーブオイルのソースにディップして食べるなんとも簡単な料理なので、いかにおいしくて目にも美しい野菜を揃えるか、がポイントだと思います。そしてもちろん野菜の切り方や盛り付け方が味を左右します。以前紹介した三宮センター街南側にある小さな露天の八百屋さんで、無農薬の赤カブ、うっすら紫がかったあやめ雪、ラディッシュなどをみつけ、あとはそごうの地下でもろきゅう用に改良された可愛いきゅうり、そして人参、セロリ、ブロッコリー、カリフラワー、カラートマト、パプリカを揃えました。欧米ではブロッコリーも生で食べちゃいますが、今回はカリフラワーとともに、さっと湯がいて使いました。盛り付けはお皿の上に絵を描くようにね。

Dscn2365_4つぶしたニンニクは、まず牛乳で数分煮て臭みをとることがカギ。あんなにたくさんニンニクを入れたのに驚くほど匂わなくて、昼間から食べても全然大丈夫だったでしょ?本当はフォンデュのように小さなろうそくの上にソースの器をのせて温めながら食べるのですが、そんな小道具もないので、銘々皿でこのようにいただきました。

Dscn2370_2同じ野菜を使えるディップを一品紹介しました。クリームチーズ、サワークリームにレモン、チャイブを入れてフードプロセッサーのスイッチをオンにすれば出来上がり。チャイブの代わりにあさつき、やっこネギ、細ネギを使って下さい。このディップは果物にも合います。リンゴ、梨、柿なんかもいいかもね。

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キャセロールはグラタンのように、たいていチーズを使ったオーブン料理です。ローストのテーブルには何かキャセロールが一品あることが多いですね。みんなアボカドはたぶん生のものしか食べたことないだろうな、と思い、アボカドとスモークサーモンを組み合わせてみました。固いアボカドがあって困っている時は、天ぷらにしたりこのようにオーブン料理にしてしまうと、全く違う食感、クリーミーな芋風、新たな発見になりますよ。

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さて、今回の主役のロースト・ビーフ。まずは牛肉の部位の説明から。大きく分けて、背中の筋肉をロースと呼びます。ロースって「ローストするのに適した肉」って意味からきた名前って知ってました?頭の方から肩ロース、リブロース、サーロイン、ランプと続くのですが、ローストに最適なのは腰からお尻にかけての柔らかい赤身、ランプです。今回は脂の濃厚な旨味があり、すき焼きやしゃぶしゃぶにも最適なリブロースを使ったので、お店で目にするロースト・ビーフよりは脂身があると思われたかもしれませんね。

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日本ではせいぜい1kg の塊肉を手に入れるのが精一杯。仕方なく今回はその塊を3個使い、野菜屑を並べて焼きました。焼く数時間前には冷蔵庫から出して室温に戻しておかないと、内部まで火が通らないので要注意。たっぷりと塩こしょうをし、ニンニクをのせ、乾かないように表面に油を塗るシンプルロースト。焼けた肉汁はとても美味しいので、それを使ってグレービーを作ります。包丁を使わせると右に出る人がいないほど美しい包丁さばきができる Y さんがお休みじゃなくて良かったわ~。野菜もお肉もすべてお任せすると、ほら、こんなにきれいに薄切りにしてくれました。今年もありがとう!

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ロースト・ポテトも過去に何回か作ったので、今回はフライパンでサイド・ポテトを作ることにしました。皮ごと湯がいたジャガイモの皮をむき、フライパンでオリーブ油と玉ねぎと一緒に気長にソテーします。味付けは塩こしょうだけだけど、美味しいジャガイモ料理です。

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欧米では11月の感謝祭、12月のクリスマス、そしてお正月の料理をひっくるめてHoliday Dinner ホリデー・ディナーと呼びます。そして、色んな宗教の人達がいるので、配慮して Merry Christmas! ではなく Happy Holiday! と言うことの方が多いかな。余談ですが、明日のイヴに友人達とランチする計画を立てていた時、インド人の友人が「私はクリスマス関係ないから」って言うから、瞬間、ヒンズー教だもんね、って思ったけど、違う違う、彼女創価学会だったわ~って気づきました。こういうこともあるから、外国の人にはHappy Holiday! と言っておいた方が無難ですよ。

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さて、このホリデー・ディナーのデザートは、ナッツやスパイスを使った少しヘビーなものが主流です。今回紹介したのはカラメル・ナッツ・タルト。シナモン、ナツメグを加えて焼いたタルト生地にくるみとピーカンナッツをカラメルソースにからめたものを流してまた焼きました。残念ながら、タルト生地を十分冷やし切れていなかったので側面が少しつぶれちゃいました。失敗例を見てもらえたから良かったとしよう。冷たいバターを手早く練り込み、キンキンに冷やした生地をオーブンに入れるよう心がけてね。

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カラメルに生クリームを加えると、そう、あの懐かしい森永ミルクキャラメルの味になります。このタルト、一流ペイストリー・ショップの味だったでしょ?こんなに簡単に一流の味のものが作れるなんて、って思ってくれたかな。フランス産の赤ぶどうスパークリング・ジュースで乾杯! みなさん、今年もご支援ありがとうございました。。。謝々! cheers! toast! そして Happy Holiday!


11月30日の中華料理

2011-12-08 | 料理教室顛末記

遅くなりました。先週のキッチン・マーレ、中華の巻です。旬の大根、白菜、そして牡蠣を使いたくてメニューを構成しました。

  • 大根の中華風即席漬け
  • 春巻き
  • 牡蠣の唐辛子炒め
  • 排骨(パイク)の醤油煮
  • 白菜と干し海老の煮込み
  • かぼちゃのココナッツ・ミルク煮

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Dscn2270春巻きは以前牡蠣と春菊のものを作ったけれど、ふつう~のは作っていなかったので、お初です。中身は豚肉、ニラ、竹の子、春雨、というシンプルなもの。具をまず炒めて片栗粉でとじてから巻く、という方法もありますが、今回は肉にしっかりと下味をつけておくだけで、生のまま巻いて揚げました。これだと具に水分があまりないので、揚げるまでに皮がやぶける、ということがあまりないと思います。

中華は揚げものが多くなるので調理の順番を考えるのも大変。この日は油がきれいなうちにまず春巻き、そして下味をつけたパイク、そして最後に野菜と牡蠣、という順番でした。

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豚のスペアリブのことを、中国語ではパイク(排骨)と言います。パイクの料理法は色々あり、飲茶では小さく切ったパイクと豆豉を蒸したものが有名です。今回は20分という短時間下味をつけたパイクを揚げ、醤油ベースのスープで煮込み、汁がなくなれば出来上がり、という簡単なもの。でも青梗菜の上に並べると、これからのパーティー・シーズン、見栄えする一品になりますよ。 三宮の「新生公司」は焼き豚専門店だと思っている人が多いみたいだけれど、実は新鮮な豚肉専門店です。どんな部位も安くて新鮮、私はここでパイクをいつも好きな長さに切ってもらいます。

先月、またまた台湾から叔父叔母総勢8人が神戸に遊びに来ていました。今回は前からの約束で、各自おはこのチマキとパイク料理を伝授してもらいました。母が亡くなる前にもっと色んな台湾料理を教えてもらっておけばよかった、と思っても後悔先に立たず。かわりに、母の弟、妹達にお願いしてみました。叔父二人はレストランを経営していて、店の看板料理のパイク料理を教えてくれました。一晩調味料に漬け込んで揚げたパイクは最高に美味しかった!そして、それを大根と蒸し煮にしたスープも格別でした。里芋を入れるともっと美味しいよ、というので、後日、風邪でダウンしていた娘にそのスープを作ってあげると、ニンニク、生姜もたくさん入っていたからか、風邪が一発で治りましたね。あいにく時間がかかるので、キッチン・マーレでは違うレシピにしましたが、機会があったらお披露目しますね。

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岡山、広島の牡蠣はようやく太りはじめたかな。まだまだ物足りないけど、使いました。小麦粉と水を溶いた中にメレンゲを加えた衣を作り、牡蠣につけてふんわりと揚げます。野菜も油通ししてから、揚げた牡蠣と唐辛子、紹興酒のきいた調味料で一気に炒め上げます。赤パプリカ、ししとう、玉ねぎ、でも舞茸が特に美味しかったと思いませんでしたか?

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白菜は一個丸まま炒めるために中華鍋に三回に分けなきゃいけなくて。で、そのあとはスープ鍋にちんまり収まるほど縮んでくれてるし。最初からそうしてくれれば手間いらずなのにね~。干し海老のだしスープで煮込んでとろみをつければ、立派なご馳走です。

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Dscn2266大根を1cm角の棒状に切り、醤油、砂糖、酢、ゴマ油、鷹の爪、そして中国の花山椒ホアジャオを全てジップロックに入れて漬けこむと即席漬けの出来上がり。油っこい料理の箸休めにぴったりです。下準備として、大根に味がよくしみこむように、塩をして数分電子レンジで温めるのが裏ワザかな。とっても簡単だから活用してくださいね。

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あ~中華デザートのレシピに困ってきたよ~。。だから今回は温かいアジアン・スイーツ。ココナッツ・ミルクと水を鍋に入れ、かぼちゃを加えて煮るだけ。三温糖はかぼちゃの甘味に合わせて調整し、バニラエッセンスを少し加えるだけ。またしてもとっても簡単だけど、心なごむあったかいアジアンぜんざいが出来上がりました。

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Dscn2250余った春巻きの皮をみつめて、あん巻き食べたいね~と誰からともなく声が上がる。ちょっと家に帰ってまた来るから、という T さんに、「食器用の洗剤きれそうだからお願い~!ついでにあんこもあったらお願い~!」って言ったら本当にあんこもやってきた。いつもの間にか1/4サイズの春巻きの皮にあんこが包まれてオーブンに入り、第二のデザートが出来上がってました。誰も先生の許可なんか得なかったよね。。。?ホントに不思議な料理教室だわ。ご馳走さまでした!


長野の洒落たハナシ

2011-12-02 | グルメ色な日記

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さて、京都のつづき。三十三間堂で千一体の観音様を見たあとに、隣の小さなお寺にふらっと入った。ここでやっと小さな秋見つけたじゃないけど、ちょこっと紅葉を見ることができた。やっぱり今年の京都の紅葉はもう一つ、というのが大かたの意見ですね。この「養源院」というお寺、豊臣秀吉の側室だった淀君が父浅井長政のために建立した寺だそうだが、血天井があったり、伏見桃山城の秀吉の部屋が移築されていたり、俵屋宗達の杉戸絵があったり、鴬張廊下だったりと、とても面白くて、思わぬ掘り出し物に出会った気持ちにさせてくれた。ちょっと歴女の気持ちが分ったかも。。

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Dscn2207大混雑していた日曜の京都のランチは、京名物のにしん蕎麦で軽くすませた。にしんはともかく、京都の蕎麦は特記するほどの味じゃなかった。実はこの数日前に友人の娘さんの結婚式で長野に行き、帰りに松本で美味しい信州蕎麦を食べたから余計に京都の蕎麦がもの足りなかった。信州の蕎麦はとってもこしがあり、三重盛りでは山かけ、山菜、きのこと三種の味が楽しめた。天ぷらは粗塩をつけていただく。前菜に蕎麦刺しを頼んだ。本当は違う名前だった気がするんだけど、思い出せない。。これは刺身かしゃぶしゃぶのチョイスができた。

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初めて行った善光寺。山門の屋根には鳩がたくさん。そして、この「善光寺」の字の中にも鳩が隠れてる。なんて洒落たことするんだろ。何羽みつけられた?

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新郎新婦はどちらも馬術で国体に出場したほどの馬乗り。だからといって、ウェディング・ドレスで馬にまたがって登場してくるなんて、what a nice surprise! これも洒落てるねぇ~。同じく乗馬が趣味のうちの長女がそれを聞いて、よだれを流すほど羨ましがってた。「いいな~それって、私の夢だったのに~!でも私なら白馬じゃなくて黒かグレーのまだらの馬がいいけど。」だってさ。夢は大きく持っていいよ。母はその日を待ってます。