チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

Eat Well・Drink Well・Live Well
美味しく食べ、楽しく飲み、素敵に生きよう!

やっとこさ旅行記最終編

2010-08-26 | グルメ色な日記

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アムステルダムの街を4重に運河が囲っている。運河沿いの高級アパートに住んでいる友人のところから、アンネ・フランクの家までは歩いて3分ほど。時計代わりに今も毎時時間数だけ鳴る教会の鐘の音で目覚める。きっと、アンネもこれを聞いていたんだろうな。これは夜8時過ぎの明るさ。

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運河にはハウスポートもたくさん繋留している。ルーフガーデン付き?

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ゴッホ美術館やレンブラントの絵で有名な国立美術館など、美術館巡りに精を出した。蘭学の父シーボルトが日本から持ち帰ったありとあらゆるものが展示してあるシーボルトハウスもなかなか面白いよ、と以前日本の友人から聞いていたので、電車に乗って大学町ライデンまで足をのばした。日本から略奪したものだけでなく、大きすぎて持ち帰れない日本家屋なんかも忠実に同じ材料で縮小版を作らせてまで持って帰っていた。アムスよりもこじんまりとしてきれいなライデンもやはり運河が生活の一部。夕暮れになると運河の上のカフェも人で一杯になる。自転車王国のオランダ、橋の欄干は自転車をくぐりつけるには格好の場所だ。

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昔は肉屋だったという雰囲気抜群のカフェ。そう、いわゆるパブ、バーはヨーロッパ(注:通常イギリスはヨーロッパに含まれない)ではカフェという。外で飲みたい人用?に張り出したカウンター。

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ライデンには、アールヌーボー調の惚れぼれとするほど素敵なカフェがたくさん潜んでいた。

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さすがチューリップの国、花の安さには驚かされる。チューリップ30本で5ユーロぐらい?日本人の友人は、里帰りの時には段ボール一杯に生花を持って帰るそうだ。

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最終日の夕食は、買ってきたチーズやハム類のコールドカット、サラダとプロセッコですませた。リンゴやチーズを切ってくれた二女は、今回の旅行で一番おいしかったのはこの日の夕食だったという。ちょっと何それ?

食べて食べて食べまくったバカンス、全員太ってしまった。「パパと旅行したらこんな太らないのに。パパとは歩くけど、ママとまきちゃん(グルメな友人)は歩くのイヤ~って言って食べてばっかりやし~」と旅の終わりに娘達は恨めしそうに言った。美味しいもの食べさせてもらってなんていうやつらだ。パパといる時は粗食の上ハードなハイキングをさせられ、2年続けて疲れすぎて入院したのは誰だっけ?

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本当は南仏とスペインを回りたかった今年の夏。事情があってイギリス中心になってしまったが、今まで行ったことない所にもたくさん行けてそれはそれで良かった。やっぱりヨーロッパは最高に面白い。見つくせない、知りつくせない魅力が一杯だ。なんでもお洒落でセンスが光ってみえる不思議なところ。ブルージュで泊った小さなホテルの素敵な中庭。

あつい、アツイ、暑い!この暑さはなに?最高気温16℃、冷たい雨が2日も降っていたアムステルダムから猛暑の日本に飛び込んだものだから体が順応できず苦しんでる。気温以上に、この湿気の高さには参る。

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9月にみんなと再会するまで、心して痩せよう。そして、フィッシュ・スープのレシピ開発頑張るか。あ~でも暑くてビールばっか飲んでまた太っていくよ・・・

p.s. アムスで別れた長女は、昔神戸のアメリカンスクールで一緒だったオランダ人の友達の住むオランダ南部へ行った。そこでは肉入りクロケットが名物らしく、肉汁がほとばしるクロケットの虜になったらしい。


ベルギー * オランダ

2010-08-21 | グルメ色な日記

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このバカンスも終わりに近づき、グルメな友人とその息子とはブリュッセルの駅でさよならだ。彼らはロンドンにもう一度戻ってから東京に帰り、私と娘達はアムステルダムに住む友人一家の家に5日ほどお邪魔してから神戸に帰る。でも、ベルギーの食の話、まだまだあるんだな~。チョコ以外にもベルギー名物のビール、ワッフル、フライドポテト。。。ブリュッセルのグランプラス広場で娘が注文したベルギー最後のドリンクは、お気に入りのラズベリービール。

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ワッフルは都市によって形や生地が違う。ブリュッセル・ワッフルは四角くてクリスピー。ブルージュでは主にこちら。これがすごく美味しい!他に、しっとりと生地が重たい円形に近いリエージュ・ワッフルや、フルーツを入れた柔らかいワッフルもある。ちなみにオランダに行くと、ワッフルというと円形で薄くて固く、間にキャラメルなどがサンドされている。分った、これがフランス語でゴーフルとなるわけだ。

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ベルギーやオランダのフライドポテトの美味しさといったらない。イギリスよりも↑かも。元々ベルギー発祥のフライドポテト、アメリカに持ち込んだベルギー移民がワロン系でフランス語を話したことから、誤ってフレンチフライと呼ばれるようになったそうだ。ヨーロッパでは、フリット frite と呼ぶ。イギリスにはチップス専門店はないが、ヨーロッパにはフリット屋がある。

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ポップコーンのように三角錐の紙袋に入れてくれ色々なソースを選べるのだが、一番人気はやはりマヨネーズだ。友達が連れて行ってくれたアムスで一番人気のこの店、看板に1887年創業だと書いてたけど、そんな昔からフリットはあったんだろうか?

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ベルギーとオランダは隣同志なのに、オランダ人は食に対する興味はずいぶんと低いようだ。フランスと接しているだけあって、ベルギーは食もファッションもインテリアもお洒落なフランスの影響を受けてるのが旅をしていると面白いほどよく分る。オランダ名物はエダムやゴーダといったチーズとココアぐらいか?しかし、チーズ専門店は一見の価値あり。

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ハードな山羊のチーズなんて初めて食べた。山羊のチーズが苦手な人でも、これなら大丈夫なマイルドさ。このチーズスライサー、ギロチンという。

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パンケーキというと、ベルギーもオランダもクレープのように薄いものをさす。アムステルダムの街中にはパンケーキを食べさせる店がたくさんあり、デザートものから主食ものまでメニューはすごい。

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ポフェチェーズ poffertjes というタコ焼きのような小さなパンケーキを試してみた。ナッツ、ミカン、蜂蜜、生クリームがたっぷりで、薄いパンケーキよりずっと美味。

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さて、空港でポフェチェーズを焼いていたのを見つけて仰天。これって、本当にタコ焼きと同じじゃん!


ブルージュ 続編

2010-08-18 | グルメ色な日記

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ベルギーはオランダ語の方言のような flemish フレミッシュが公用語のフランドル(フランダース)地方と、フランス語、ドイツ語が公用語のワロン地方の二つに分けられる。ブルージュはフランドル地方に含まれ、flemish food と呼ばれるこの地方の郷土料理はなかなか美味しいことで世界的に知られている。

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代表的な鶏料理。野菜と煮込んだあとクリーム、卵黄、レモンで仕上げるそうだが、クリームシチューと呼んでは失礼になるほど見事な味付け。

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あらかじめ炭火焼した牛肉を強いビールで煮込んだシチュー。付け合わせの西洋ナシの真ん中にはプラムソースが。

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魚介類のキャセロール。ほうれん草を練り込んだプレッツエルも美味だ。

ウナギやウサギの郷土料理も有名だが、グルメな挑戦者もさすがに疲れが出てきたのか、無難なものしか注文しなくなってつまんないよ。

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さて、ベルギーといえばチョコレート。ブルージュの街中、商店の5軒に1軒はチョコレート屋さんだといっても過言ではない。各店のショーウィンドウは、趣向をこらしたチョコディスプレイの競い合い。人気の不思議の国のアリス。不気味な双子もチョコでできてる。

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みんなにチョコのお土産を買ってあげたかったけれど、日本の暑さを考えて断念。写真で我慢しておくれ!

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ブルージュの街を運河が取り囲んでいる。遊覧船に乗り込み運河から街を観光。一番古いこの橋は、13世紀のもの。

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大小さまざまな蚤の市がブルージュでは開かれる。連れのグルメな挑戦者は嬉々としてがらくたアンティークの買付に忙しい。

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蚤の市では移動食べ物屋が登場する。大型バスの側面を開いたような大掛かりなもので、パン屋、チーズ屋からデリカテッセン、ロティセリー、肉屋までありとあらゆる店がある。ベルギー中の蚤の市に、日替わりで走るのだろう。

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おじさんがもくもくと、薪をくべた窯でパンケーキを焼いている。熱々に焼けたレンガの上にタネを流して数分で、ふかふかのパンケーキが出来上がった。窯も解体して次の蚤の市に。ご苦労さまの一言だ。


そしてブルージュへ

2010-08-13 | グルメ色な日記

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ワイト島から一度ボーンマスに戻り、娘の引っ越しを手伝い、トラブルのあったレンタカーを取り替え、一路北へ。娘達はランカスターのホームにいる祖母を見舞い、イギリスを縦断してケンブリッジ郊外に住む彼女達の従兄を訪問。途中日本人ツアー客が押し寄せるコッツウォルズ地方を駆け抜ける。蜂蜜色の壁の古民家の並ぶイギリスで一番美しい村々があるというのだが、観光客の多くて堪能もできない。

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イギリス最後の夜は、教会とパブ、郵便局併設商店各1軒しかないケンブリッジ郊外のとても小さな村イクルトンに滞在。30代後半の甥夫婦は9年前に廃墟に近かった築400年の豪農の母屋を買い、以来ずっと自分たちで改築を続けている。当時の道具が詰まった納屋二棟、チーズ小屋、今も鶏が住むレンガの小屋。庭の菜園で夕食用のジャガイモを掘り、鶏の卵取りに私達が大はしゃぎしてもこの家の3人の子供達は飽きちゃって興味なし。近代的なキッチンのとなり部屋には400年前の洗い場がそのまま。執事が管理していたワインセラーは当時の鍵つき。

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現在パティオ作りの真っ最中。

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家作りが趣味の甥の妻は、すごい!カップケーキもプロ並みの腕。

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翌日はレンタカーを返却し、ロンドンからユーロスターでベルギーへ。旅の疲れも出てきたので、ブルージュで4泊ゆっくりすることにした。世界遺産に登録されている中世の町ブルージュは、息をのむほど美しい。

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早速ムール貝とビールを求めて歩く。ムール貝は玉ねぎ、ポロネギ、セロリといった香味野菜だけで味付けたナチュラルのほか、白ワイン、ワインクリーム、ガーリック、カレー味など、色々な味がある。殻をピンセットのように使って身を取っていく。付け合わせはパンではなく、マヨネーズ付きフライドポテト。バケツ一杯どころじゃないムール貝一人前を、もくもくと食べれるベルギー人を変に尊敬してしまう。

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今回初めて知ったのが、ベルギーのフィッシュスープの美味しさ。魚やカニ身がピュレの一歩手前、固形を少し残してつぶされている。店によってチーズがかかっていたり、トマト味が強かったり。実に奥深い味、行く先々の店で必ず食べるほどはまってしまった。

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子供達がはまったのが、日本のコロッケの原形、クロケット。チーズ味と海老味があり、クリームコロッケといったところ。でもホワイトルーじゃなくてチーズソース、あるいは海老殻でスープを取ったピンク色のルー。さすが美食国家といわれるベルギー、食べ物が洗練されていて美味しい!


ワイト島

2010-08-10 | グルメ色な日記

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ニュー・フォーレストの南の町からフェリーで30分のところに、ワイト島 Isle of Wight がある。19世紀にリゾート地として発展した場所で、ビクトリア女王が愛した島だ。晩年彼女はこの島の別荘にこもり、ここで亡くなっている。10世紀から増築を続けながらスペインの無敵艦隊を退け、チャールズ1世が幽閉されたりと、歴史の舞台だったカリスブルック城 Carisbrooke Castle もある。また、この島は1970年には前年のウッドストックを上回る大ロックコンサートが開かれた場所としても有名だ。世界的に有名なヨットレースも毎年夏に開催されている。しかし、ヨーロッパ王室ご用達の島、セレブな島という名残だけでやたら物価が高い。

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島名物のカニ料理。意外や意外、イギリス人もカニ味噌を食べるんだ。カニサラダはカニの身だけでなく下には味噌もたっぷり入っていた。カニグラタンも味噌が混ざっていて、通の味。イギリスは、耐熱皿に流し込んでオーブンで焼くキャセロールやパイ料理が発達しているからか、グラタンやラザーニャなんかもなかなか美味しい。

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whitebait はしらすのこと。イギリスでは唐揚が前菜の定番。サバのパテなんて初めて食べた。ディップのように柔らかく、パンに塗って食べる。生姜も入っている ビクトリアン・レモネードの酸味とグッドマッチング。

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ワイト島でも地産地消が大前提。朝市に行くと、小さな生産者がたくさん。ニュー・フォーレストでは作られていない小麦粉も生産されている。この小麦を使ったワイト島の形をしたジンジャークッキー。そしてほら、これが生のビーツだよ。

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30年ほど前から島はイギリス最大のニンニク生産地となっている。ガーリックファームのショップには、こんなにたくさんの種類が売られている。

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食事の量が多すぎて、悲しいことに毎回お腹にデザートの入る隙間がない。今日はランチを抜いて昼下がりに cream tea にした。イギリスといえば、アフタヌーンティーやクリームティー。前者はサンドイッチにケーキやスコーンがつくが、後者はスコーンのみ。スコーンに添えられているのはクロテッドクリーム clotted cream という脂肪分60%の濃厚クリームとジャム。べったりと塗ったクリームの上にジャムも塗り、至福の一口。ああ、どんどん太っていく。。。

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