しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第47回 ライ・エレディア

2006-01-31 03:28:04 | カンテ
ライをきくとどうしても涙がでてくる。
歌詞やメロディだけでなく
ついどーも思い出しちゃうから。

91年にたった25歳で死んじゃった。
初のソロ・アルバムをだしたばかりだった。
その1週間前、カンデーラ(マドリのフラメンコのたまり場)で会った。
これから、だったのにね。

わたしなんかはすれ違っただけだけど
きっとこの時代をマドリで過ごしたフラメンコたちなら誰でも
彼の歌を聴くたびにすごく切ない気持ちになるに違いない。

なんて感傷的な気持ちはおいといても
やっぱこのアルバムってなんか切ない。
しょっぱなからなかせてくれますです。
この曲は彼の死後もうたいつがれている曲のひとつなんですが
曲調のせいかなあ。
でも歌詞もぐっとくるよね。
「探してもみつからない、生きる喜びが」
なんてさ。
このアルバムをはじめてきいたときは何度かでてくる
「がまんできない」
ってフレーズがすごく気になったもんです。

Lo Bueno Y Maloって誰か、つかってなかったかな、
作品だか、ショーだかの終わりに。
Quien no corre, Vuelaはケタマでのアルバムにはいってなかったっけ?

そう、彼はケタマ創立メンバーなんですね。
タブラオ、カナステーロスでギター弾いていた。
本名のホセ・エレディアで日本にも来ているよ。
お父さんは歌い手のホセーレ(ホセレーロではありません)
おねえさんたちも歌ったり踊ったりのアルティスタで
それぞれエンリケ・パントーハやエンリケ・メルチョールらと結婚してる、
っていうすごいアルティスタ一家の出身。
同じくアルティスタ一家に育ったホセ・ソト(ソルデーラの息子)
フアン・カルモナ(フアン・アビチュエラの息子)といっしょにできたのがケタマ。
なんでデビューアルバムにははいっているんだけど
(ドーモ・アリガトは彼の曲だよ)
その後はまた日本に行ったりで、脱退になっちゃったらしい。

うーん、人生って。。。だね。
日本に行かずそのままケタマになってたらもしかすると。。。
なんて考えてもせんないわな。





第46回 アルカンヘル

2006-01-29 11:41:59 | カンテ
昨日の話じゃないけれど、
iTunesでアーティスト順で
てきとーに聴いていておっ、
いーじゃん、
そーいやーこれ、
って感じでたとどまって聞き直すこともあり、ですね。

そー。チャコンのあとにしばらくしてでてきたのが彼、
アルカンヘルなんですね。
はい、曲の雰囲気を歌え分けることができる数少ない若手。
2001年に出たアルバム「アルカンヘル」でも
しょっぱなのタンゴはタンゴ以外にないっ!って感じですもん。
これってなんだろう。
リズムのとらえかたかなあ。
シギリージャにはシギリージャのドラマチックさがでているし
いやーほんとこのアルバムっていいですよ。

彼にはじめてあったのはカルメン・リナーレスの「ラ・パラーラ」という作品が
ウエルバで公演されたとき。
これ、カルメンが伝説の歌い手ラ・パラーラを演じ、
ギターにはフアン・カルロス・ロメーロとホセ・マリア・バンデーラ、
踊りにピパ、ボーカルで元アラメーダのボーカル、」
そしてコーラス(ソロの部分もあった)にアルカンヘルとマリ(今カルメンのパルメーラ)が
出演してたのですね。あ、作者はキーボードの人。
でこのときはじめてあって、そののびやかな声に圧倒されました。
歌ったのはたしかファンダンゴなんですが、よかったですね。その後、踊り伴唱などをはじめ、
エバ・ジェルバブエナやイスラエルなんかともやってました。
で、だんだんと知られる存在になっていった、って感じかな。


ご存知のように彼は、カンテのニューウエーブ的存在の一人であります。
マイテ・マルティン、ミゲル・ポベーダ、アルカンヘル、そしてエストレージャ・モレンテ
これにポティートやドゥケンデってかんじかな。
(シガーラはちょっとびみょーにちがうきがする。。。)
なんかカンテの世界って、カマロン以降、
なかなか新しい潮流が生まれなかったのが,彼らのおかげで活気づいてきたって感じ。
もちろんカマロンのながれはくんでいるとこもあるんだけどそれだけじゃない。
このアルカンヘルでいえばモレンテとか、ペレとかもあるんだけど、
でもやっぱこの声が今までの歌い手とはちょっとちがう。
声というより発声なのかな?
今は彼の声の真似をする(してるわけじゃないって本人たちはいうだろうけど)
歌い手もでてきているけどやっぱ御本家ですな。
こののび、存在感。
あかるくのびやかでありながらも重厚さ、悲劇性をも表現しうるというのは
ほんと得難い存在であります。
それにこのアルバムって最後のトリージャ(エドゥの足技も特筆もの)にいたるまで
よくできてますよ~。
コンテンポラリーなフラメンコを象徴する一枚ですな。

で二枚目
「ラ・カジェ・ペルディア」の方は私的にはちょいと、コーラス多めでいまいちかな、と思ってたんですが、
本人が二枚目の方がいい、っていうのでこれもまた改めてきいてみれば
コーラス(非常にうざったい)とかはともかく、彼の声の技術はたしかに進歩してますね。
歌い上げる
でもやっぱアルバムとしては1枚目かも。




第45回 ドン・アントニオ・チャコン

2006-01-28 04:59:20 | カンテ
フラメンコってほんと
バラエティにとんだ音楽ですよね。
リズムそして曲種の多様さはもちろん
アルティスタによって同じ曲、同じ詞でもまったく違う。
古いものから新しいものまで聴いても聴いても聴ききれない、
ってくらいたくさんの録音があって
それぞれに魅力があって。。。

皆さんはiPodとかってもってます
わたしは旧モデルの60GBをもってて
うちのMacにパストーラの全集やらパコとカマロン全録音やら
マイレーナ全集やらマグナ・アントロヒアやらの
全集ものをはじめ、単発CDにいたるまでしこしこいれております。
まだ半分もうまってないけど。20GBくらいかな。
あ、インタビューなんかの録音もはいっているのでCDだけではもちょっと少ないです。

でこれにシャッフルっていう機能があってでかけるときとかこれできくんですが
いやいや面白いっす
トマス・パボンSP復刻版のあとにトマシートとか
ハードロック(もちょっと好きなのだよ、ギターもんとか)やブラジルもんやキューバもん、
クラシック(スペインものが多かったり)がきたりとか。ジャズとか。セビジャーナスとか。
ほんとなにがでるかわかんない、ロシアンルーレット状態。
これやってるとついいつも同じものばかり聴いてしまいがちな日常が変わる!
って、ま、まずは自分がパソコンに覚えさせなければだめなんですけどね。
(うちにあるアルバムのうちまだ20%もはいってないと思う。。。)

でそんなんででてくると思わずシャッフルを解除して
アルバム全部聴いちゃうアルティスタってのがいます。
このドン・アントニオ・チャコンもそう。
ドンという敬称がついているからではないけれど、
思わずいずまいをただして聞き惚れてしまう、
って感じ。
フラメンコ好きならみんなそーじゃないですか?
お手本、っていってもだから冷たいとかじゃなく、
しみじみいいです。
あーこの節回しはさすが御本家って感じ?
細やかな、音の上げ下げ。呼吸。
なんともいえないニュアンスでほんと感嘆。
グラナイーナもマラゲーニャも涙でるほどよいです。
あ、こーゆー声ってフラメンコぽくないとか
ゆー人もいるかもだけど、しわがれ声ならいいってもんでもないでっせ。
カラコーレスでの声のはりかたと、マラゲーニャの声のつかいかたじゃぜんぜん違う。
そう、曲種ごとの雰囲気って大切なんだけど
なかなかこれを的確にだすひとっていないんだよね~
今の若手だとアルカンヘルがそーゆーのうまいけど。

こーゆーのをききこんじゃうとそんじゅそこらの歌い手じゃがまんできなくなるかもだけど。
まずはだまされたと思ってきいてくださいまし。

このアルバムだしてるソニフォーク社っていうのは
フラメンコSPの復刻をたくさんやってるんですが、
どれもおすすめ、はずしませんのでみかけたら買っておきましょう。

第44回「恋は魔術師」

2006-01-26 20:55:53 | バイレ
ガデスつながり、サントラつながりで
サウラとガデスのフラメンコ三部作の最後を飾る
「恋は魔術師」にしてみました。
「カルメン」のヒットを受けて日本でも
けっこーすぐに公開されたんですよね。
87年だったかな。
私もまだ日本にいて、試写会に行ったような。
まだあんまよくわかんない頃だったのもたしかですが
とにかく女々しくなくガデスにあ然とした覚えが。
いやいや。
どーもガデスを英雄視してたんでしょーね。

でこのアルバムは前回の「カルメン」とは違って
台詞も入ってないし
ファリャの曲はまとめて収録されているし、なんだけど
でも臨場感も少々。
舞踊団メンバーが歌っていたりするのもいー感じです。
モスカとゆー、グラナダの伝統曲を歌っているのは
グラナダ出身でマドリ在住のベテラン歌手、トニ・マジャ。
このシーンよかったですよね~
あとカマロンのコモ・エル・アグアやローレ・イ・マヌエルのトゥ・ミラも
効果的につかわれていますよね。
そーいや、「血の婚礼」でも
ラス・グレカの「エストイ・アマンド・ロカメンチ」のメロディつかってたし
こーゆーポピュラーぽいフラメンコ曲をガデスが効果的に使っているつーのがわかりますね。
なんつーか、ガデスってあの苦みばしった顔やストイックな雰囲気で
“お芸術”って感じかもしだしてますが、けっこーこういう要素もつかって観客をつかんでるのかも、です。
頭いいなー。

最後の「洗濯場の歌」はフラメンコミュージカルっ!って感じで楽しいですよね。
洗濯の場面は同じガデスの「フエンテオベフーナ(アンダルシアの嵐)」にもありましたよね。
あとカルメン・コルテスの「イエルマ」なんかにもあったな。
白い布がひるがえって、絵的にもおいしいです。。。

なおこのアルバム、ファリャのとこでボーカルやってるのは
スペイン歌謡の大御所、ロシオ・フラード。
ちなみにフラメンコではカルメン・リナーレスやエスペランサ・フェルナンデスも
歌ってますね。あ、ヒネサ・オルテガもあったよーな。
またフィエスタの場面でなぜか、アスーカルモレーノが登場。
フラメンコ・ハウス(ってなんだよ?)のベテランおばちゃん二人組ですが
この頃はまだ若く、荒削りな声ですね。場末の不良のねーちゃんみたいでわるくない。
作曲アリエル・ロットってゆーのは意外だったけど。



第43回「カルメン」

2006-01-22 20:18:42 | バイレ
一昨年の夏に亡くなったアントニオ・ガデス。
フラメンコの歴史に燦然と輝く舞踊家です。
20年前にこの人の舞踊団の公演を観たことが今の私につながっている、
つーこともあり、私にとっては特別な存在。
彼が死の直前につくった財団が、昨年、カンパニーをたちあげ
ガデスの作品を上演していっています。
まずは「カルメン」。
カルロス・サウラ監督の手で映画にもなった(というか映画がきっかけで舞台作品となった)
この作品は、彼の代表作のひとつであり、
1986年の来日公演では日本にフラメンコ・ブームをひきおこしました。
でそのブームの結果が私だという。。。つーのはさておき。

1月20日,21日にコルドバのグラン・テアトロでの上演はなんと
生オーケストラ、生オペラ歌手でのバージョンでした。
オリジナルメンバーはゴメス・デ・ヘレス、エンリケ・パントーハ、アントニオ・ソレーラ
そしてオヨス退団後のカルメン役、ステラ・アラウソくらい。
あ、私のお気に入り、闘牛士役のプリミティーボ・ダーサも末期のガデス舞踊団だったはずだわ。
ほかにアンダルシアの嵐でヒロインを踊ったマリア・クラウディアもいましたね。
で、ガデスの、そしてそのあと、ホセ・マヌエル・ウエルタスが踊ったドン・ホセは
日本でもおなじみのアドリアン。
よくやっていました。
でもどーしてもガデスの舞台が浮かんできてしまって比べてしまうので、ちょっと、たいへん。
だってガデスの重厚さ、風格、ストイックさ、ニュアンス…
なんてもんはそーかんたんにだせません。
アドリアンはちょっと重心高いかな。きれいなんだけどね、やっぱものたりない。
っていうのはガデスの舞台みてた人には当然のことかも。
でも改めてガデスの舞台の構成や処理のうまさを実感。照明も音楽も素晴らしい。
来年日本公演のようですからぜひみにいってくださいまし。

映画「カルメン」のサントラ盤がこれです。
台詞まではいっているし、パコ・デ・ルシア様の台詞もギターもはいっているし
ファン必携ですね。
ソレーラのギターの切ない響きも、しっかり満喫できるので
映画と舞台はちがうといっても舞台観たあとにききたくなっちゃうのでした。

あ、そーいえば映画にもでてたオヨスが昨日きてたよ~

第42回 ポティート「アンダンド・ポル・ロス・カミノス」

2006-01-15 19:48:18 | カンテ
久しぶりに聴いたけど、いいですよね、このアルバム。

92年のスペイン・イヤーを機に
日本でも発売されたのできっともっている人も多いことでしょう。
ちなみに邦題は「さすらい」でした。。。
フラメンコ・ファン必携盤のひとつといってもいいくらいかな。
オーバー?
いやいや、それくらいよいです、これ。

ポティートは録音当時まだ13歳だったかな。まだ声変わり前です。
やはり子供の頃から本格的カンテを歌っていたペペ・デ・ルシアのプロデュース。
伴奏陣の豪華さは今みてもやっぱすごい。
パコ・デ・ルシア、トマティート、ビセンテ・アミーゴ、エンリケ・メルチョール、
モライート、イシドロ・ムニョス、マノロ・フランコ、ホセ・アントニオ・ロドリゲス、
カニサーレスにホセマリ・バンデーラ。
どうだ、まいったか~って感じですよね。

曲はペペ・デ・ルシアとギタリストたちの合作っていう感じかな。
現代フラメンコらしい、のりのよさと大衆性+フラメンコ性。
つい口ずさんでしまうような感じ。
そしてそれをサポートするギターのすごさ。
なんかすごくいい時代!って感じ。

ポティートはアンヘリータ・バルガスの甥。
お父さんのチャンギートも,おじさんイシドロ・バルガスも踊り手だったし、で
子供の頃から歌ってた。ってこの録音のときもこどもか。
私は88年のフェリアではじめてきいてぶっとびました。
まだちっこかったんだけど、すごいんだもん。
ぐーっと力をいれるときの感じとか、おちかたとか、とにかくうまい。
そーそ、このフェリアでわたしが初めて踊ったセビジャーナスの相手は彼だったのであります!
数年後、あるフィエスタで(たしか2枚目のマカンデ録音中だった)
「むかし、踊ったよね、僕と」
とかいわれて赤面した覚えあり。あはは。なんつーヨタはともかく。

このアルバムは80年代にはやりはじめた新しいタンギージョとか
(パコにいわせればもともとのタンギージョだともいうが、
それまで踊り歌という感じしかなかった単純な二拍子系のタンギージョとはちがう、
複合リズムのタンギージョ。
わたしはかつてこのリズムがとれなくて、というか、
理解できなくて四苦八苦した覚えありまする。
だって三にも四にもきこえるんだもん)
ファンダンゴやセビジャーナスとか。
ブレリアとか、ルンバとか、当時の潮流つーもんがよくみえますよね。
ファルセータとか、今でもけっこーあちこちでつかってません?
ビセンテもいーよなー。すごく生きがいい、って感じ。
ブレリアのモラオとのかけあいもよいです。

そーいやポティート録音中だった最新盤はどーしたんだ?
いっこうにでませんね。もう録音もおわってなかまうちはみんなもってるといわれてから
もう1年。う~ん。レコード不況の影響?
こないだのホアキン・コルテス日本公演にもきてなかったし。どーしてんのかなあ。
あたし的には好きな歌手だけにもっとやってほしーんだけどなー。




第41回 カメラモス・ナケラール

2006-01-14 18:21:25 | バイレ
また古いアルバムをひっぱりだしてきました。
オリジナルは1977年。でCD化が94年。もう12年前ですね。
やっぱこれも廃盤だろーな。でももしかするとどっかの中古屋で会えるかも。
つーわけでかまわず書いちゃいますね。

これはマリオ・マジャ舞踊団の作品のいわばサントラ盤でございます。
マリオのはほかにもたしかアマルゴがあったよね。CDにもなったっけか?
いや、そこらへんよくは覚えてないんだけど、
まだ十代のエスペランサ・フェルナンデスが歌った子守唄とかよかったっすね。
あれもまた聴きたい。どっかにあるかな。
なんか今家のCDもLPもごちゃごちゃになっててようわからん。

で、カメラモス・ナケラール。
これはカロ(スペインのジプシー語)でわたしたちは話したい、
という意味だそうです。
ジプシー詩人ホセ・エレディアの脚本。台詞と歌でジプシー迫害の歴史を語っていきます。
歌は日本ではガデス舞踊団のイメージが強いかな、のゴメス・デ・ヘレスとエル・ピキ。
二人とも味わい深い声でしっかりと、歌詞もよくわかるように歌っています。
メッセージ性が強いので歌詞がわからないとつい尻込みしてしまいそーですが
歌詞なんてわかんなくてもきっと伝わってくると思いますよ、ヒターノたちの思いは。
曲もいいし。切実なものがなにか伝わってくるんじゃないかと。
コーラスとかアマルゴにも通じるよね。メロディもにてません?
マリオのサパテアードもしっかりはいっているので踊りのファンも面白くきけるんじゃないかな。

考えてみれば踊りがCDになるなんてフラメンコならでは、ですよね。
バレエは音楽として聴くわけで、誰が踊ってても聴くのはオケで、
たとえばヌレエフのビデオはあってもCDってのはないんじゃないでしょうか。
日舞とかでもそーじゃないかな?(台詞の入る歌舞伎とかだと違うけどさ)
いうならばフラメンコでは踊り手もミュージシャンとして見る世界だけでなく、
聴く、音の世界にも参加しているわけで、それってやっぱすごいし面白いよね。

この舞台はわたしは見てませんが、まだ若きコンチャ・バルガスとやってたそうだ。
たしか(とまたうろ覚えだが)映画「カルロス・サウラのフラメンコ」のマリオの場面
若きイスラエル・ガルバンとマルコと踊ってるのはこの作品の中の曲ではなかったかな。
で、この作品自体もビデオというか、短編映画?で残ってまする。

マリオってなんか実績ほどには評価されてないよーな気がするんだけど、んなことない?
コンチャ、カルメン・コルテス、フアナ・アマジャ。いずれもマリオの相手役。
イスラエル、ベレン・マジャ、ラファエラ・カラスコ…
今、最も注目されているフラメンコ舞踊家たちもマリオの舞踊団育ち。
イスラ(日本での小松原舞踊団の『女の平和』みました?よかったすね~天才!)だって
ベレンだってマリオなしではいなかったと思うし。
すごい人ですよ、やっぱ、マリオは。




第40回 ペドロ・シエラ

2006-01-12 05:07:00 | ギター
どーもです。さぼってたわけじゃないんですが、ちょっと間があきすぎですね。ごめんなさい。
松の内は休みなんて思ってたわけじゃないんですが。

昨日、セビージャに帰ってきました。で積まれた郵便物の中にこのアルバムを発見。
早速聴いてみましたが、よいですよ、これ。おすすめかも。

もともとすごく巧いギタリストってイメージあって、実際その通りなんだけど、
なぜかいまいちぱっとしなかったんですよね。ソロデビューも遅かったし。
ギターソロの市場ってーのが実際あんまない、つーのもあんのかなあ。
ほんとにソロだけでやっているギタリストって、ほんと少ないもんね。
パコ、マノロ、ビセンテ(プロデュースとかやってるけど)、セラニート、カニサーレス、
リケーニ、ニーニョ・デ・プーラ、あと細かい若手がいるか。ハビエル・コンデとかさ。
でもリケーニやニーニョ・デ・プーラ、カニとかは
ライブでは伴奏しなくても録音ではするとかあるし。
ヘラルドだって、ソロばっかじゃなくて奥方伴奏とかもたまにしてるし。
トマテだって、カマロンなくなるまでは伴奏中心だったしね。
もっといえばパコだってマノロだって歌伴奏も踊り伴奏もやってるし、
もちろんビセンテ、カニサレス(タブラオで弾いてたこともあるそーだ)。。。

でペドロ・シエラ。この人は歌伴奏もだけど、舞踊伴奏けっこーやってますね。
むか~し、チャナやフアナ・アマジャの伴奏で日本に行ったし
(あ、最近よくいってるみたいですね。恵比寿とかさ)
イスラや
バロン、カンパージョがでたあの名作「ポル・アキ・テ・キエロ・ベル」でも弾いてたし
なんかあちこちでみた覚えが。
そのせいでしょうか、視覚的なのよね、曲とか。イメージが浮かびやすいビジュアルな曲。
ギターソロ、歌伴奏、踊り伴奏とみっつのジャンルを配分したのは面白いっす。
歌伴奏で死んだ人の伴奏やってますが、これって最近の流行ですかね。
モレンテは逆バージョンやってたよね、ラモン・モントージャのギターソロに歌つけるという。
それだけ技術の進歩があるってことなんでしょー。
私的にはソロの方が好きだけど、これも面白いですよね。遊び心つーか。

でもやっぱ一番好きなのはシギリージャかな。
イスラとトマス・パボンと、もう夢の競演っていうしかないですね。
イスラエルは先日、小松原舞踊団公演に出演しててそこでもみせてくれましたけど
(わらかしてくれた)ほんともう天才っす。。。
彼の稽古ではいろんな歌手によるたとえばソレアならソレアをかけて
この歌ならこう踊る、この歌はこう、っていうのもやるそーなんですがそれってすごいっすよね。
なかなかそんなことやる人っていないんじゃないかなあ。
でも歌は踊りの単なる伴奏ではない、ってことを知るためにもすごくいいアイデアだと思うんですが。


第39回 おめでとうございます

2006-01-01 14:07:39 | そのほか
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

しかしながらスペインにはクリスマスソングはあっても正月ソングはない。
いやですね、クリスマスから1月6日のレジェスの祝日まではお祭り気分で
ま、おめでとーな感じはあるんで、クリスマス過ぎてもクリスマスソングうたっても許される、つーのはあるんだけどね。

というわけでまずはとりいそぎ新年のご挨拶だけで、というのもなんなので
しかぜのはじめの1枚の話でもしましょうか。
わたしがフラメンコにのめりこみはじめたときは、
市場にフラメンコのレコード(CDじゃないのね、まだ)もほんと数少なくて、
ま、これは今でもそーかもだけど大手のレコード屋さんにいかないかぎり、
フラメンコのアルバムなんてぜんぜん
ないよ~っていう感じなのでした。
そんな中、ガデスの舞台に夢中になって、と
にかくフラメンコの録音、ということで
買ってきたのがパコ・デ・ルシアの「野いちご」のカセットテープでした。
都下の繁華街のレコード屋さんに唯一あったフラメンコの録音。
いや、フラメンコ、とでかくかいてはあったのでしたが、聴いた私の耳は?に。
え?これがフラメンコ?
それもそのはず、これ若き日のパコが数多く録音した
中南米やスペインのポピュラーソングのうちの1枚なんですね。
はい。フラメンコギターの天才がひいていますが曲はフラメンコじゃありません。
?なまま聴いてたわたし。
ま、そのうち、当時、廃盤になりかけていたイスパボックスのコレクション
(これももちろんレコードね)をあちこちで探して買うようになり
アントニオ・マイレーナでまじめなカンテ・フラメンコを手探りでききはじめ
フェルナンダにショックをうけ。。。
曲種の区別もつかなかったのがだんだんにのめりこんでいったのでした。はい。

パコは今でも大好きですが、このアルバムを聴きなおすことはめったにない。
でもひさしぶりに聴いてみようかな。。。