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しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

サンティアゴ・ララ「センティミエントス・ヌエボス」

2012-04-16 20:34:42 | ギター

ご無沙汰してました。

ニュースブログ、フラメンコ最前線にかまけて、こっちにはとんとご無沙汰でございました。申し訳ございません。

その間にたまったCD、DVDなど、少しずつでもご紹介していくつもりでございます。

それにしても。

折からの不況、経済危機、インターネット配信の影響などで、フラメンコの新譜。めっきり数が減りました。それだけ切磋琢磨したいいアルバムも多く、確率的にいいアルバムに当たることは多くなってきたかも? しょーもない、と、放り出してしまいたくなるようなアルバムに当たることは少なくなりましたね。

サンティアゴ・ララ「センティミエントス・ヌエボス」も、若いギタリストのフラメンコ愛、ギター愛を感じられる1枚。なんといってもこの人、自主制作しちゃってるんですから。それもアフィシオナードに毛がはえた、って感じの人ではありません。ばりばりのプロ。

メルセデス・ルイスの旦那様で、彼女との共演も多いけど、ソロでも活躍している人です。

先のヘレスのフェスティバル期間中にアルバム発表記念コンサートを行ったのですが、私は行くことがかなわず。で、今になりました。

巧いです。

最近の若い人は(←こういう言い方がすでにおばさん)皆巧いですが、その中でもとくに巧い。

1984年生まれというから今年28歳(わ、もうそんな年に)。ですでに2枚目のアルバム。同年代の中では圧倒的に早いですね。

若いだけあって、やはり音が一杯につまっている感じがあって、静寂や静止を音楽にするには至ってはいないけど、センスはいい。しょっぱなの早いシギリージャスなんてかっこいい。最近、こういうの多いですね。視覚的な感じ。やっぱ踊り伴奏やってて、その中で生まれて来るものだからかな。

 

個人的には、ビセンテの影響がすごく大きいと思います。文法だけでなく、パルマやハレオまでまねしてるのがほほえましい。ビセンテってやっぱすごくて、え?ってないうような人にまで影響与えているんだよね。それはやっぱ彼が、それまでにはなかった文法をつくりだしたからだろうな。ビセンテに似ている、ってのはやっぱ、マノロ・サンルーカルの第2ギターをビセンテの何代か後につとめたこともあるんだろうか。ビセンテがマノロの影響を受けているように。。。

最後の曲とかはビセンテ経由のパット・メセニーかもしれない。

 

カンテではミゲル・ラビ、ダビ・ラゴス、ロンドロ、ヘスース・メンデスとヘレスの中堅がそろって参加。カンテファンにもいいかもしれません。

 


ホセ・マヌエル・ロルダン「アパシオナダメンテ」

2010-08-04 02:33:27 | ギター
1990年まで、ビエナルにコンクールがあった。
青少年コンクールではない。
よりすぐりのプロたちが出場する、コンクールの中のコンクールである。
80年の第1回はカンテ。フォスフォリートやメネセといった実力派をおさえ、カリスト・サンチェスが優勝した。
82年はバイレ。 クリスティーナ・オヨス、マヌエラ・カラスコ、グイト、ペパ・モンテス、アンヘリータ・バルガスと、こう書いていて興奮するようなメンバーに勝ち抜いて、優勝したのはマリオ・マジャだった。
そして84年はトーケ。トマティートやラファエル・リケーニといった名手たちをおさえ優勝したのはマノロ・フランコだった。

1990年、2回目のギターのコンクール。
決勝に出場したのは、優勝したニーニョ・デ・プーラをはじめ、モライート・チーコ、オスカル・エレーロ、ホセ・ルイス・ロドリゲス、キケ・パレデス、そしてこのホセ・マヌエル・ロルダンだった。
当時29歳。

ペペ・マルティネスに師事し、
マリオ・マジャ舞踊団やアントニオ・ガデス舞踊団で活躍した実力派。
この「アパシオナダメンテ」は1996年年の「デ・ナカル」に次ぐ2枚目。
ふだんから自宅スタジオで作曲活動にはげんでいるという彼だが、
これはセビージャの録音スタジオで録音したもの。

深くて重い伝統の古風なフラメンコと
現代的な複雑な音の重なり合いをみせる今風のフラメンコとの
ちょうど中間にある、耳にやさしいフラメンコ。

メロディラインの美しい、やさしいルンバがオープニング。
耳に残るような、なじみやすいメロディがこの人の徴かもしれない。
ちょっと映画音楽のような、イージーリスニングのような。
もしフラメンコに、黒い音や深み、強さを求めるなら向かないが
フラメンコに興味のない人も抵抗なくきけるようなやさしさがある。
ボレロはまさに映画のテーマ曲のような感じだし、
スタジオでのセッションをそのまま録音したという「ミスター・ベイカー」もそう。そのあとに続く、フラメンコの枠にとらわれない曲もそうだし。
なんか映画音楽つくってほしいかも。。。

音の使い方にカニサーレスの影響が少しあるかな?あとビセンテも。
かつてのパコほどではないにせよ、
ビセンテとカニサーレスは同時代のギタリストたちに大きな影響を与えているな、と再確認。
ファルセータをまねる、とかではなく、曲の構、曲のもっていきかたとか、
つま弾きのつかいかた、とかそういうところなんだよね。






第98回 ヘスース・トーレス「ビエント・デル・ノルテ」

2008-03-23 03:20:02 | ギター
これはもう絶対の自信をもって皆様におすすめしたい1枚。
最近最も驚かされた1枚でございます。

ヘスース・トーレス、といっても知らない人が多いかも。
というのも彼はもっぱら、舞踊伴奏で活躍しているから。
1965年バスク地方はバラカルドの生まれ。最初はクラシックやロックを弾いていたそうな。マドリードにでて、舞踊伴奏を学び、マリオ・マジャ監督時代のアンダルシア舞踊団やアントニオ・ガデス舞踊団などでも弾いていた。日本にもベレン・マジャやイサベル・バジョンの伴奏などで来日している。

なんで、彼の演奏はずっと聴いているわけだし、
テクニックがあるギタリストだってゆーことはわかっていたはずなんだけど、
このアルバムにはほんとびっくりさせられました。
いや~新鮮。ほかの誰にも似ていない。めちゃオリジナル。

しょっぱなのブレリアにまずやられました。なんなんだこれ?って感じ。
ぶっ飛びました。いや、このアルバムの噂はずいぶん前からきいていたんですけどね。でもきいてみなくちゃわかんない。なんでぜひ聴いてくださいまし。
ほんとすごいです。
どこか不安をあおるような、それでいて興奮に導くような。曲が似ているという訳ではないけど、ちょっとカニサーレスの音を思い出させるような。
ちなみにタイトルのカジェ・エスパダはヘススのお父さんが生まれたセビージャはエシハの通りの名前だそうです。
2曲目のマラゲーニャの美しいイントロ。ドラマチックなメロディのこの曲には、今、最も脂ののったカンタオール、ミゲル・ポベーダがハベーラを歌って参加。彼もめちゃいいです。ちなみに二人は、このアルバムにパルマスで参加しているイサベル・バジョンの作品「プエルタ・アビエルタ」でも共演してますね。。。
後半、バンドネオンが参加してアルゼンチン・タンゴ風味となるちょっと不思議なあじわいのタランタ。
エンカルニータ・アニージョが歌っているソレア・ポル・ブレリアはモダンな感じ。
アルバムのタイトル曲、ビエント・デル・ノルテ(北風)はフラメンコのコンパスにしばられていない自由曲だが、フラメンコな味わい。どこか寂しげな感じとのびやかさ。
続くブレリア。指が三つ編みになりそーなファルセータ。舞踊のバックでの共演も多いマヌエル・ガーゴのカンテ、レメディオス・アマジャの妹カルメンと、カルメン・リナーレスのパルメーラ、アナ・マリのコーラスもいいかんじで、テミータとよばれる売れ線狙いのよくあるような曲におちていない。
ビセンテ・アミーゴ以来?、再びギターソロに取り上げられることが多くなってきたサパテアードもいいし、最後の母に捧げたナナまでほんと息をつかせぬ8曲でございまする。

ちなみヘスースがこのアルバムを録音しようと思ったのは、
「つくった曲を忘れないため」
だそーだ。
先のヘレス・フェスティバルでの、初めてのソロ・リサイタルのとき、舞台の上でそういっていた。
「ソロになろうとか考えたわけじゃない」
って、もう、ほんと謙虚で初々しい。

このアルバムを初めて聴いた翌日、会ったので、すごくよかった~、って感想をいったら、ぽろぽろ涙をこぼしていた。(実話)そんなピュアな彼の心がいっぱいにつまった1枚です。



第73回 ミゲル・アンヘル・コルテス

2006-05-29 20:55:50 | ギター
グラナダ生まれでセビージャ在住
最近ぱぱになったギタリスト
ミゲル・アンヘル・コルテス
2枚目のソロ・アルバムです。

プロデュースはヘラルド・ヌニェス!
自分の家につくったスタジオで
自分のアルバムを録音するだけではなく
ヌエバ・エスクエラにつづいて若手ギタリストをプロデュース。
世に出すお手伝いをするなんて、ふとっぱらつーか広い心なくてはありえませんわな。
素晴らしい! ぱちぱち

派手なとこはないけれど、シックな感じ。
おしゃれなとこもあるし
ルーツっぽいかんじもある。
じっくりとききたい一枚ってゆーのかな。
なかなかよいアルバムにしあがっています。
ゲストがすごい。
エスペランサ・フェルナンデス!(最近ミゲル・アンヘルがずっと伴奏してるだよ)
アルカンヘル!(このひとのうたいかたまねる若手多数)
カルメン・リナーレス!(やっぱ貫禄~)
パーカッションはセピ(この人、ほんと最近いーわー)

ミゲル・アンヘルってあまり目立たないギタリストだけど
(背高いのでその意味ではめちゃ目立つんだけど)
こうしてきいてみるとすごいね~
伴奏ギタリストってわりとみんなそーかも。

アルフレド・ラゴとかもすげえ、って思ったのは一人で弾いた時で
それまでなんでみんな彼をよぶのかわかんなかったもんな。

パコからヘラルド、リケーニ、ビセンテ、カニサレス、そしてトマテと
ソロのギタリストはいまだにここらであしぶみ。
いやみんなうまいんだけど
これってゆー強力ぱんちがない。
みんなうまいのよ、って何度もいうけど。
最初にこえなくちゃいけない垣根が高くなりすぎてるからさ
それをこえてのパンチ、個性ってゆーのがでにくくなってるのかな。。。
音だけで誰だってゆーのが分かる感じがあるのは上にかいた6人くらいでしょ、いまだに

それはこのアルバムでもやっぱちょっと感じたかも。
その意味で今一番期待してるのはディエゴ・デ・モラオなんだけど、さて。
どーなりますやら。


第59回 フアン・マヌエル・カニサーレス「ノーチェス・デ・イマン・イ・ルナ

2006-02-24 02:44:30 | ギター
数千枚というCDやらレコードの中には
何度も聴くものもあれば
一度聴いたきりのものもある。
これは前者となった1枚。

カニサーレスはこのあとも何枚か録音してるけど
わたしにとっては今でもこれが最高。
デビュー作が一番、その人らしさがでるっていうのは
絶対あると思うけどそれだけではないよ。

カニサーレスも好きなギタリストの一人で
生でもパコ・デ・ルシアのトリオ時代に知り
生でもよく聴いてきたし、
(ビエナルとかカラコールでのリサイタルとかありましたね)
このデビュー盤以降のアルバムだって
何をやってもカニサーレス!って感じで
けっしていやなわけじゃないけど
このアルバムほどに聴きたくはならないんだな、正直なところ。
たまに出して聴くとかはあるかもだけど。

ルンバ、タンゴ,サパテアード等の4拍子系はもともと強いしそれもいいし
コロンビアーナも耳にここちよいけれど
ブレリアのパハラカはやっぱ強烈です。
とくに最後の大騒ぎ。

カニサーレスってそれまでのフラメンコではつかってなかったような
音をだすのがすごく特長的なんだけど
彼の場合はすごくよく考えられた上での音なんですね。
だからかっこいい。
それが一時カニサーレスを気持ちだけまねたギタリストとかでてきて
なんでもヘンな音いれればいい的演奏してましたね。
(今は治ったけどさ)
よくも悪くも影響でかいです。

リカルド・パチョンが最高のギタリスト!と絶賛したのも当然かな。
そーいやリカルドのプロデュースしたアルバムでもよく弾いてますよね、彼。


第54回 ソン・デ・ラ・フロンテーラ

2006-02-17 22:08:45 | ギター
こんなにいいアルバムなのに
案外知られてないんだよな
それが残念

フラメンコ好きなら絶対ひっかかると思うよ、これ。
インストゥルメンタル好きならなおさら。
モロン派にひかれる人なら絶対。
でもディエゴ・ガストールを神様として拝んでる人は?
けっこー好きじゃないかなー。

ソン・デ・ラ・フロンテーラはギタリスト,ラウル・ロドリゲスと
モロンのパコ・デ・アンパーロ、モイ・デ・モロン、
ペペ・トーレス、マヌエル・フローレスから
成るグループ。
ラウルはトレスというキューバの楽器をかきならし
パコがギター、モイが歌、ペペが踊り、マヌエルがパルマという構成。
ディエゴ・デル・ガストールのファルセータもたくさんでてくるけど
決してそれだけでない。
古風なフラメンコの雰囲気をよく伝えているなあ、と思う演奏もあれば
キューバ音楽のモチーフやロックっぽい演奏もあったりで
なんとも楽しい。
ほんと超上質の音楽!

って実は昨日聴いてきたんですよ、アメリカから帰ってきたばかりの彼らのライブ。
よかった~
アルバムにははいってないアレグリアスもあって
それがまた圧巻!
バタ・デ・コーラとマントンで踊るバイラオーラが目の前に浮かんでくるような
そんなムイ・ムイ・フラメンコなアレグリアス。
古風な感じがおしゃれにまとまってるというのかな。
その古風さはこのアルバムのアラベスコなんかでもそーだよね。

ペペは踊り手だけどフラメンコの場合、
踊りってパーカッション!でもあるわけで、
そう意味でもこのアルバムでもきかせてくれます。
ペペは歌のモイと、マヌエルと3人でずっとパルマもやってるし
(公演のときね)
ほんとよくまとまっている。
(観客の中にはまとまりすぎてものたりない~という人もいましたが)

ブレリアのパルマとかとくに顕著だと思うんだけど
ヘレスののりとはまた違って、きちっとした感じ?
ってゆーか、ヘレスよりはちょっと前のめりぽい感じがする。
でももちろんこれもまたサイコーっす。

フラメンコ好きなら絶対楽しめるはず。です。

ちなみにラウルはマルティリオの息子で共演もしてまする。




第52回 トマティート「ギターラ・ヒターナ」

2006-02-16 05:24:00 | ギター
とゆーわけで、前回「バリオ・ネグロ」に続く
トマティート3枚目のソロ
アルバム「ギターラ・ヒターナ」を聴いてみました。

うん、たしかに、トマテっぽい、力強さはこっちの方がだんぜんありますね。
でもなんかやっぱちがうような気がするのはなぜかなあ。
なんかあかぬけない。いやそれがトマテらしいのかもしれないんだけど。
曲想もなんかあっちゃこっちゃしてません?
アレンジかなあ。音響さんの音のつくりかたかなあ。
なんでこれでもわたしはあれ~なんか違う。。。という気持ちに。
いや、トマテきらいとかそんなことないんですよ。でもさーアルバム聴いてると
え~こんなんだっけ~って感じになるのはなぜだ!(ときかれても困るよね、ごめん)
あまりCD聴かずに生でばっか聴いている(贅沢やね)からかなあ。


第51回 トマティート「バリオ・ネグロ」

2006-02-12 20:30:23 | ギター
トマティートを、というCARMENさんのリクエストにこたえようと、
iTunesを検索してみてびっくり。
何?トマテ一枚もいれてないじゃん。。。おいおい。
はいっていたのはベンゴのサントラだけっつー。
早速いれました。
はい、まずは一番のお気に入り。バリオ・ネグロを。

っで、ひさしぶりに聴いてみたわけだけど、
正直、あれ、こんなんだったけか? つー感じがありました。
しょっぱなのルンバはソイ・ヒターノ+ケタマ÷2みたいなん感じだし、
ほかもタンゴ2曲にコロンビアーナと二拍子系中心で
ブレリアは1曲だけだし、
カマロンのタンゴもなんかいまいいちさえないし
(ま、これが90年代ぽい、のかもだけど、なんかださい。。。)

ブレリアはこれはもう、私的にはトマテのテーマっていいたいくらい大好きで、
続くタンゴもいいと思うんだけど、全体的にはえ、こんなんだっけ?
的とこからちょっと抜け出せない。
それだけ最近の彼が変わったっていうことなのかもしれないけどさ。

第50回「スマンド」

2006-02-07 19:34:33 | ギター
祝50回!
って自分でいうなよな~

で新譜の中でもお気に入りの1枚を。
ヌエボ・フラメンコの産みの親ヌエボス・メディオス社からの久々の新譜
「スマンド」はまことに上質なインストゥルメンタル・アルバムでございます。
あ、シガーラやパケーテのボーカルも入ってるけど。
みんな大人になったよね。。。ってわたしにいわれたくないか。

ま、だいたいこのジャケットからしていいでしょ。
お洒落で、なんかよさそーな感じするじゃないっすか。
でもってホセ・ミゲル・カルモナとカルラス・ベナベン。
これでよくなかったらあんたさぎだよ、ってくらいのもんですわ。はい。
といっぱい期待して聴いて、裏切られないつーのがうれしいじゃないっすか。え?

ホセ・ミゲル・カルモナ、通称ホセミはペペ・アビチュエラの一人息子。
バルベリア・デル・スールを経てケタマで活躍した美男子ギタリスト。
その繊細でセンスのいい演奏には定評あるところです。
カルラス(通常カルロスっていってるけど、
正式名はカタルーニャ語でCarlesとかいてカルラスと読みます。
が、本人、カルロスでもカルラスでもどっちでも返事します)
・ベナベン(最後にeはないのでベナベンテとかいわないでね=)は
ご存知、パコ・デ・ルシアのセクステットで長らく活躍したベーシスト。
彼の功績の偉大さは語り尽くせない!あの間合い、センスのよさ!
パコの新しいグループをきいた人が皆、カルラスを懐かしむ。
いやアライン・ペレスもいいべースなんですけどね、
カルラスのスタイルって、ほんとオリジナルで(皆真似してるけど)
めちゃセンスいいもん。。。

共演者も豪華。チック・コリア様も一曲。。。
最初何もみずに聴いていて
なんじゃこれチックみてーとか思ったら本人だったという。。。。
そう、カルラス、今チックとアメリカツアー中っす。
チックはカルラスだけでなく、ホルヘ・パルドとルベン・ダンタスも引き連れ
それにドラムスをいれた5人組で今やってるんですね。
はい、そのホルヘも一曲参加してますし、
パーカッション系にはティノ、バンドレーロ、チャボリ、ホセリンらも。

なおオキナワっていう曲もありまして、
これはパコとのツアーで行ったからではないかと。。。
今度会ったら確認しますわ。

最後の曲もよいですよ。おしゃれだわ。
でわたしのiTunesではこれが終わるとザキール・フセインがきこえてくるのね。
このつながりもグーです。。。

第48回 タウロマヒア

2006-02-01 19:37:31 | ギター
名盤です!
これもってない、聴いたことない、
というフラメンコ好きは早速買いに走ってください。
ギターソロはつまんない?
なんて思っている人もだまされたと思って
買ってみることをおすすめします。
絶対損はしません。

マノロ・サンルーカルはパコよりちょっと年上ですが
こどもの名付け親同士という“コンパドレ”でもあります。
(映画「セビジャーナス」で二人が演奏しているセビジャーナスも
そういうタイトルでしたよね)
パコの「二筋の川」がヒットしたように
マノロの「黒い馬」も(少なくともスペイン国内では)大ヒットしました
この二人にセラニートを加えて三羽がらすとかいってたのは日本だけかな?

さて「タウロマヒア」
このアルバムを初めて聴く人でも聴いたら絶対、あれっ?
って思うはず。
映画「カルロス・サウラのフラメンコ」でのマノロのシーンがこれだった。
そう、鬼才ディエゴ・カラスコとやっているあれです。

ほかにもホセ・アントニオ現スペイン国立バレエ団監督が自分の舞踊団をやってたときに
このアルバム全部を振付けていたりするし、
日本人の踊り手たちでもこのアルバムにある曲をつかって振付けた人はけっこういるはず。

耳になじみやすいメロディ。
情感あふれるこまやかな演奏。

アルバムのタイトルは闘牛術をあらわすタウロマキアと魔術の意のマヒアをあわせた
マノロの造語だとか。
いわば闘牛魔術、ですね。
闘牛の、それぞれのシーンを現す9曲からなっています。
最初の牛たちが生まれ育つ野のイメージからはじまって
闘牛士志望の若者たち、祈り、そして闘牛場、
マントの技、槍討ち、銛討ち、とどめを刺し、最後は凱旋、
と明確にみせていきます。
ホセ・メルセ、マカニータ、インディオ・ヒターノ(モーロ)と
歌い手たちもマノロのイメージを二重三重にふくらませてくれます。

スペイン国立バレエ団の名作「メデア」や
レブリハーノ,ロシオ・フラードとくんだ「ベン・イ・シゲメ」もそうだけど
ほんとなんか、その場面がうかんでくるような、
そう、具体的なイメージを喚起するような曲なんですよね、彼のは。
それでいて何度きいてもあきない。

フラメンコ初心者にも絶対おすすめの1枚です。