しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

ロサリオ・ロペス「フラメンコの深い炎 II 心から心へ 」

2010-01-18 03:45:00 | カンテ
今回のアルバムは日本盤です。日本発のフラメンコ。

歌うのはハエンのベテラン・カンタオーラ、ロサリオ・ロペス。
その度重なる日本公演の録音から選りすぐった12曲を収録したアルバムは
ライブならではのあったかさがまっすぐ心に飛び込んでくる1枚だ。

いやあったかさはライブだから、だというだけじゃない。
ロサリオその人の心のあったかさ、そのものなのだ。
そしてその歌を支える、エンリケ坂井さんのギターも
カンテへの愛にあふれてあったかい。
それを聴く日本の観客もあったかい。
いいフラメンコを聴きたい、という気持ち。それを聴くことができるうれしさにあふれている。

昔ながらのカンテとまっすぐむきあって
そのままのかたちを大切に、カンテを大事に大事に歌っているロサリオ。
巧い人ならたくさんいる。さまざまなレパートリーを歌い分けれることができる歌い手も一杯いる。
でもこんなに真摯であったかい歌い手、というと、そういない。

ちゃんちゃらした最近のカンテのCD(もちろんそうじゃないのもありますけどね)にあきている人にもおすすめです。
ある意味、日本ならではのCDかもしれません。