しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第43回「カルメン」

2006-01-22 20:18:42 | バイレ
一昨年の夏に亡くなったアントニオ・ガデス。
フラメンコの歴史に燦然と輝く舞踊家です。
20年前にこの人の舞踊団の公演を観たことが今の私につながっている、
つーこともあり、私にとっては特別な存在。
彼が死の直前につくった財団が、昨年、カンパニーをたちあげ
ガデスの作品を上演していっています。
まずは「カルメン」。
カルロス・サウラ監督の手で映画にもなった(というか映画がきっかけで舞台作品となった)
この作品は、彼の代表作のひとつであり、
1986年の来日公演では日本にフラメンコ・ブームをひきおこしました。
でそのブームの結果が私だという。。。つーのはさておき。

1月20日,21日にコルドバのグラン・テアトロでの上演はなんと
生オーケストラ、生オペラ歌手でのバージョンでした。
オリジナルメンバーはゴメス・デ・ヘレス、エンリケ・パントーハ、アントニオ・ソレーラ
そしてオヨス退団後のカルメン役、ステラ・アラウソくらい。
あ、私のお気に入り、闘牛士役のプリミティーボ・ダーサも末期のガデス舞踊団だったはずだわ。
ほかにアンダルシアの嵐でヒロインを踊ったマリア・クラウディアもいましたね。
で、ガデスの、そしてそのあと、ホセ・マヌエル・ウエルタスが踊ったドン・ホセは
日本でもおなじみのアドリアン。
よくやっていました。
でもどーしてもガデスの舞台が浮かんできてしまって比べてしまうので、ちょっと、たいへん。
だってガデスの重厚さ、風格、ストイックさ、ニュアンス…
なんてもんはそーかんたんにだせません。
アドリアンはちょっと重心高いかな。きれいなんだけどね、やっぱものたりない。
っていうのはガデスの舞台みてた人には当然のことかも。
でも改めてガデスの舞台の構成や処理のうまさを実感。照明も音楽も素晴らしい。
来年日本公演のようですからぜひみにいってくださいまし。

映画「カルメン」のサントラ盤がこれです。
台詞まではいっているし、パコ・デ・ルシア様の台詞もギターもはいっているし
ファン必携ですね。
ソレーラのギターの切ない響きも、しっかり満喫できるので
映画と舞台はちがうといっても舞台観たあとにききたくなっちゃうのでした。

あ、そーいえば映画にもでてたオヨスが昨日きてたよ~